本日は決算特別委員会の4日目で、福祉保健領域の質問にたちました。質問内容は、
1.ワクチン対策について
2.生きずらさを抱えた若者の支援について
以下、質問概要を掲載いたします。
【1】ワクチン対策
今年、予防接種法の改正が行われ、4月より子宮頸がん・インフルエンザ菌B型(ヒブ)、小児用肺炎球菌の3ワクチンが、国が感染予防のため必要としている「定期接種」に追加されました。
日本ではこれまで、ワクチンによる副反応の問題を背景に、予防接種行政に対し慎重な対応が講じられていた。このため、日本は先進国に比べ公的に接種できるワクチンが少なく、予防可能な病気への対応も遅れていると指摘されております。
たとえば、B型肝炎ワクチンを例にとって見ますと、日本では現在、定期接種ではなく、任意接種であります。
このウイルスは体に入ると肝炎をおこし、長く肝臓にすみついて肝硬変や肝臓がんをおこします。毎年約2万人が感染していると言われております。
世界的には192か国の内、180か国ほとんどの先進国が定期接種化されております。
しかし大半の国では90%以上接種されているのが現状ですが、日本は2012年で推定接種率3~4%です。今年4月に定期接種化された子宮頸がんワクチンも先進国では日本と北朝鮮ぐらいが今まで定期接種化されておりませんでした。日本はきわめてワクチン行政においては後進国であります。
WHO ではB型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンはでどんなに貧しい国でも国の定期接種に入れて国民を守るよう指示されている
厚労省の予防接種部会ではWHOが推奨している水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、成人用肺炎球菌の4ワクチンについても、財源が確保され次第、定期接種とすることがのぞましいとの見解を示している。
衆参の両院でも上記の4ワクチンについて、25年3月の厚生労働委員会で定期接種に向け付帯決議が可決されております。
私は「福祉先進都市世田谷」を目指しいていくうえで、ワクチンの普及促進を世田谷区としても積極的に推進することを求めるものであります。
質問1.最初に、世田谷区のワクチンに対する認識はいかがなものであるかお聞きいたします。
今日は、任意接種になっていると高齢者肺炎球菌ワクチンとロタウイルスワクチンについてそれぞれ何点かお聞きいたします。
世田谷区においては、任意接種で平成22年度より高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種の一部公費助成が行われるようになりました。
予防接種費用を助成することにより、接種を受けやすくし、肺炎球菌による肺炎等の感染症の発症および、重症化を予防し、高齢者の健康を守っていこうとして始まった事業であります。
現在3000円を助成しておりますが、任意接種率は僅か5パーセント程度であります。24年決算での執行率は44.4%です。この低い数値の要因はハガキで保健所に申込み希望を出さないといけないようなシステムになっているようで、このよう面倒な申し込み方法そのものが問題で改善すべきであると思います。
質問2.どのように高齢者肺炎球菌ワクチンの接種率を向上させるおつもりかお聞着いたします。
乳幼児がかかりやすい病気の一つに「ロタウイルス胃腸炎」が」あります。この病気は5歳までにほとんどのこどもが感染するといわれております。症状は繰り返される嘔吐、下痢、発熱が1週間前後続き、保育園や幼稚園や学校でうつりやすい感染力の強いウイルスであります。重症化すると入院したり、けいれんを起こしたりもします。
生後6週間目からワクチン接種ができます。ワクチン接種によって、約90%重症化を防ぐことができるといわれております。
質問3.ロタウイルスワクチンの世田谷区での任意接種率、また、全国でのワクチン接種率はわかりますか
このロタウイルスワクチンは1回約15000円で2回から3回打ちます。現在 73自治体でワクチン接種に対して助成をしております。
渋谷区では1回あたり7500円を上限で2回まで助成しております。
また、名古屋市では1回に付き、4100円から6400円の助成を行っております。
同様に、B型肝炎ウイルスについても18自治体での助成を実施しております。
渋谷区は0歳の子供対象1回5000円まで3回
水疱瘡、おたふくについてもワクチンが開発され、助成実施している自治体もたくさんあります。
質問4.最後にロタウイルスワクチン、B型肝炎ワクチン接種をしやすくするため、接種費用に公費助成を導入すべきとおもいますが世田谷区の見解を問います。
区民の命、健康を守ることこそ、行政の最優先の責務であります。国の動向を注視するのも必要ですが、必要な施策は進める。そういう決意を持って取り組んでいただきたい。
実際これらのワクチン助成をするとしたら、億単位の事業費はかかることは想定される。しかし、世界的に遅れをとっていたワクチンでの予防接種はようやく日本でも前進してきたわけです。
さらに世田谷区でも推進していただきたいとおもいますが、
質問6.副区長、ワクチン公費助成についての考えはいかがでしょうか。見解をお聞きいたします。
【2】生きづらさを抱えた若者の支援について質問いたします。
世田谷区では就労や教育、福祉、保健等の庁内関係所管による若者支援推進本部を立ち上げ、横断的な検討を重ねてきました。その上で今年4月より若者専門所管である若者支援担当課が新たに庁内に整備されたことについては大変評価されるところであります。
また、世田谷区では厚生労働省の受託事業として「せたがや若者サポートステーション」を池尻ものづくり学校内に立ち上げ、昨年は、成人期発達障害の居場所・就労支援・相談機能を担った発達障害者支援事業「ゆに」を立ち上げたことも、なかなか就労に結びつかない若者を支援していく上で重要な事業であり、今後の進展を見守りたいと思います。
現在、世田谷区内には引きこもり状態の若者は約5200程度いると推定され、若者の交流と活動の推進、若者の社会的自立の促進、生きづらさを抱えた若者の支援など進めるべき課題が山積しており、今後、若者支援課に託された責務は極めておおきいと認識いたします。
生きずらさを抱えた若者たちは、いじめや不登校などで教育からつまづき、また、失業などで仕事から躓き、孤立、引きこもりで人間関係からつまづいてしまっているわけです。その状態から、仲間と共に新しい世界づくりに参加していくこと、それがひきこもりからの回復過程であります。
その過程で必要なものは、①居場所②仲間③参加であると思います。
若者支援の取り組みの方向性が9月3日の委員会に提出されました。ここでは様々な理由から社会との接点をもてず、社会的自立に向けた第一歩を踏み出すことができないことから、生きづらさを抱えた若者を支援する取り組みを行うものとしております。
質問1.委員会報告では、若者を拠点で受け入れ、居場所の確保をつくることが必要として、課題を限定しない一次相談支援機能を整備するとしていますが、区は、いつごろ、どこに整備するつもりなのかお聞きいたします。
世田谷区内にある「若者サポートステーション」や「ゆに」と連携できるような場所に整備できるのも必要かと思います。
質問2.この居場所はどのような機能をもつものか
相談機能、就労相談、生活相談等どの程度メニューを用意するのかお聞きいたします。
秋田県の藤里町の取り組みの紹介 9月18日 朝日新聞
同町は人口約3900人の小さな町で社会福祉協議会の事務局長が引きこもり者の実態調査に職員で戸別訪問を行って113名の引きこもり者がいることを調べた。
個別調査で引きこもりの家庭に今度外に出かけてみようと声をかけたがどこにいけばいいのということであった。
その答えとして、2010年に「コミット」という飲食店をオープン。そこにはそばなどを創れる調理室やからおけができるサークル室、また、生活訓練ができる施設も併設し、引きこもり者の中でアルバイトやボランティアをできるようにはじめ、現在では113名のうち、30名以上の方がこれまでに就労に結びついているというケースです。
横浜市でK2インターナショナルという法人が生きづらさを抱えた若者の支援を行っております。
安心できる住まい、毎日の食事、仲間がいる、必要とされる場所があるこの4つを重要課題として20年以上にわたり引きこもりなど問題を抱えた若者の自立を支援しようと横浜市と連携し、事業を展開している。
にこまる食堂運営、お好み焼きや運営、スタッフはかつて、引きこもりや未就労などで日々の生活や将来について不安を抱える中、さまざまな支援を受け、働き始めた若者たちである。ここでは本格的な就労の準備段階としてジョブトレーニングを日々重ねている。
世田谷区でも若者支援事業を成功させることができるかどうかは、横浜市のように若者に寄り添った支援ができる事業者がいるかどうかが重要な要素になっております。
体制があったとしても、動かす人が一番重要であります。人を支援できるのはあくまでも人であって、サービスの担い手をどう作るかであるとおもいます。
質問3.今回、世田谷区の若者の支援事業どういった人にお願いするのかかお聞きいたします。
質問4.若者支援は、最初に、居場所、次に仲間、最終的には、労働での社会参加を目指していくことになりますが、その手前の中間的就労の場所はどのように考えていらっしゃりますか