令和5年度各会計決算特別委員会全局質疑で登壇しました

令和5年度各会計決算特別委員会の全局質疑で都議会公明党を代表し、40分の質疑で登壇しました。

質疑概要を以下掲載いたします。

都議会公明党を代表し、令和5年度各会計決算について質疑を行います。

❶【繰越金の活用】
始めに、繰越金の活用について伺います。
都の財政状況については、分科会質疑でも確認し、健全であることを確認しています。一方、少子化対策や防災対策など、未来の投資に加え、長引く物価高騰に対応した足元の対策など、都には膨大な財政需要が存在しています。
都議会公明党が推進し、都が全国に先駆けて導入した、新公会計制度も分析ツールとして活用した事業評価の取組の徹底により、都は財源確保に努めていますが、膨大な財政需要が生じる中、あらゆる財源を活用することが一層重要であると考えます。
令和5年度一般会計決算では、歳入として前年度からの繰越金が約2800億円計上されており、こうした財源の効果的な活用が求められています。
Q1,そこで、令和5年度決算における前年度からの繰越金の活用状況について伺います。

 A1.令和5年度決算における繰越金は、令和4年度において、事業の性質上又はやむを得ない事情により、その執行が翌年度にまたがった事業に係る財源を、5年度に持ち越したものである。
 この繰越金については、事業の実施状況を踏まえ、繰り越した事業の財源として活用したほか、令和5年度最終補正予算の財源として、2297億円を計上している。
ただいまの答弁にあったとおり、令和5年度の2800億円の繰越金のうち、最終補正予算においては、約2300億円が活用されていることを確認しました。
R6年度において都は、令和5年度決算からの繰越金の一部を活用して、先に377億円の補正予算を編成し、物価高騰対策を実施しており、昨年度の最終補正予算の水準で考えれば、粗く見積もっても1500億円以上の活用ができるものと考えます。
繰り越された事業の着実な推進や中長期の財政運営を見据えた基金の積立などに活用することも重要でありますが、緊張感が高まっている国際情勢や、長引く物価高騰など、今後の見通しの困難さが高まっています。
このため今後の社会経済情勢を踏まえながら、こうした繰越金などあらゆる財源を活用して、幅広く物価高騰対策を実施するなど、機動的に都民の生活を守ることを求め、次の質問に移ります。

❷【第2子の保育料の無償化】
都議会公明党は、政策目標「チャレンジ8」に0歳から2歳の第二子の保育料の無償化と高校3年生までの医療費の無償化を掲げてきました。
そこで、この2つの施策について質問します。
まず、第二子の保育料の無償化についてです。都議会公明党はこれまで、本会議代表質問などで繰り返し提案をした結果、小池知事の決断で昨年10月からスタートしたことを高く評価するものです。
Q1.そこでまず、令和5年10月からスタートした0歳から2歳の第二子の保育料の無償化について小池知事の思いを伺います。(Q1)
A1【知事答弁骨子案】
○子供を持ちたいと願う方々が安心して子供を産み育てることができる環境を整備するため、待機児童対策をはじめとする様々な子供・子育て支援施策を強力に推進
○第二子の保育料の無償化は、経済的理由で子供を2人以上育てたいという願いを諦めずにすむよう、令和5年10月から都独自に開始
○今後とも、子供を持ちたいという一人ひとりの想いに真剣に向き合い、子供とその家庭への支援に全力で取り組み

知事から、第二子無償化の取組についての思いを伺いました。保護者の皆様からも大変に喜ばれております。知事のご答弁を踏まえて、具体的な実施状況について、認可保育所と認証保育所・認可外保育施設に分けて質問してまいります。
Q2.都は、これまでどのような考え方で第二子の保育料無償化に取り組んできたのか。認可保育所等における令和5年度の実施状況と併せて伺います。(Q2)
A2【局長答弁骨子案】
○ 国は、認可保育所等を対象として第2子以降の保育料を軽減しているが、世帯収入や第1子の年齢によって支援の対象外となるため、都は、令和元年10月から、収入や第1子の年齢にかかわらず、第2子の保育料を半額、第3子以降の保育料を無償化する独自の取組を開始
○ 令和5年10月からは、2人以上の子供を育てたいと願う方々の経済的負担を更に軽減するため、認可保育所、認定こども園、小規模保育等に通う児童を対象に第二子の保育料無償化に取り組み
○ 令和5年度は、55自治体が補助制度を活用し、補助対象の児童数は、62,481人
令和5年4月1日時点で、国制度により多子世帯負担軽減を受けている児童数は、都によると32,749人ということであり、都の取組によって多くの児童が対象になっていることがわかります。
その上で、認可外保育施設については、区市町村によって実施していないところもあり、また、ご家庭への助成額が違うなど課題が残りました。
今年の予算特別委員会でもこの問題を取り上げ、その後福祉局も区市町村にアンケート調査などすることにより、実施状況と課題が明らかになったと聞いております。
Q3.そこで、認証保育所や企業主導型保育施設等の認可外保育施設に通う児童の保育料の第二子無償化について、令和5年度の実施状況と更なる補助金の活用促進に向けた都の取組を伺います。(Q3)
A3【局長答弁骨子案】
○ 認証保育所や企業主導型保育施設等の認可外保育施設の保育料の第二子無償化については、都の多子世帯に対する補助制度を活用して、保育の実施主体である区市町村が、地域の実情に応じて実施
○ 昨年度、第2子の保育料の負担軽減に取り組んだのは50自治体であり、全ての自治体が認証保育所を対象とし、36自治体が企業主導型保育施設等の認可外保育施設を対象
○ 今年度は、待機児童対策協議会等で、区市町村に補助制度の活用を働きかけるとともに、未実施自治体に個別勧奨を行い、企業主導型保育施設等の認可外保育施設を対象に、47自治体が補助制度を活用予定
認可外保育施設における無償化については課題がありますので、第一子無償化の議論にあたっては、このような課題を含めて取り組んでいただくことを要望します。

❸【高校生世代までの医療費の無償化】 
次に、高校生世代までの医療費の無償化について質問します。
都議会公明党の提案を受け、小池知事が決断をして令和5年4月から実現した高校生世代までの医療費の無償化について高く評価するものです。
Q1.そこで、昨年度からの実施状況について伺います。(Q1)
A1(局長答弁)
○ 都は、生涯にわたる健康づくりの基礎を培う大切な時期である高校生の世代が、自らの健康をコントロールし改善することができるよう、令和5年度より高校生等を対象とした医療費助成事業を開始
○ 本事業は所得制限や一部自己負担を設けた上で、都と区市町村との負担割合を2分の1とすることを基本的な枠組みとしており、全ての区市町村で早期に実施されるよう、令和5年度から3年間は、都の負担割合は10分の10
○ 昨年4月より、都内全ての区市町村が本事業を開始
都の助成制度は所得制限がありますが、23区はすべての自治体で、所得制限を撤廃し自己負担なしでの医療費の無償化が始まりました。
しかし多摩地域等においては、財政力によって所得制限が撤廃されている自治体とそうでない自治体があることから、小池知事は来年10月から所得制限撤廃を目指し、総合交付金による対応を念頭において市町村との協議を加速すると述べられました。第3回定例会の都議会公明党の代表質問に対しても、財政事情によることなくすべての市町村が持続的に事業を実施できるよう、総合交付金を措置することを念頭に置き早期の合意を得ていくとの答弁がありました。
Q2.そこで、都の子ども医療費助成の所得制限撤廃を進めるにあたり、23区及び市町村との協議の状況を明らかにするとともに今後の取組について伺います。(Q2)
A2(局長答弁)
○ 高校生等医療費助成事業については、令和4年度に都と区、都と市町村との間でそれぞれ協議の場を設置し、令和5年度は、区市町村の実施状況を確認するとともに、所得制限の取扱いや令和8年度以降の財源に関して、区市町村と意見交換を実施
○ 今年度においても、継続して区市町村と協議を行っており、都は、全ての子供の健全な育ちと、子育て世帯の経済的負担の軽減を進めるため、乳幼児・義務教育就学児・高校生等の各子供の医療費助成について、来年10月からの所得制限撤廃に向け、早期の合意を目指す

❹【障害者休養ホーム事業の見直し】
次に、障害者休養ホーム事業について質問します。この事業は、障害者が家族や仲間とくつろげる保養施設を指定し、利用施設の宿泊利用料の一部を助成する制度として利用されてきており、令和5年度は6,660人が利用されました。
コロナの時期よりも利用者数は回復傾向にある一方、最近の物価上昇により宿泊料金が土日利用においては7~8千円も値上がりした施設もあると聞いており、さらに付き添いが必要な場合や、車いす利用者のリフトバス利用などの場合は負担が増え、利用をあきらめざるを得ないとの声も伺っています。しかも、この補助額は約30年に渡って見直しがされておりません。
まずは暫定措置として、一泊だけでも利用を希望する場合には、二泊分の補助額の範囲内で利用できるようにするなど、工夫の余地が必要です。
Q1,そこで、より多くの障害者やその家族の利用が増えるよう、交通至便な訪れやすい地域での指定宿泊施設を増やすべきです。また、利用をためらう方がどの程度いるのかを含めて実態把握を行い、今後に活かすべきと考えます。併せて都の見解を求めます。
〇A1. 都は、本事業により、障害者が家族等とくつろげる宿泊施設を指定、宿泊料の一部を助成
〇 これまでも利用者からの要望等も考慮し、宿泊施設を見直し。引き続き、交通の利便性が高くバリアフリーに対応した宿泊施設を充実
〇 今後、利用状況の把握や分かりやすい周知方法について検討
障害者やそのご家族などが大変楽しみにしている事業です。単なる休養だけでなく歩行訓練等工夫をしている団体もあります。物価上昇はまだしばらく続きますので、障害者が利用を諦めることがないよう、ぜひ見直しにつなげていただくよう求めておきます。

❺【里親等社会的養育の推進】
次に里親等社会的養育の推進について伺います。
この夏、都議会公明党で都内のファミリーホームに伺い、現場の現状、課題などをヒアリングしました。
社会的養護の必要な子どもは全国で約42000人、東京都では約4000人おります。
平成28年児童福祉法改正では、「家庭養育優先」の理念が規定され、「児童が家庭で養育されるよう保護者を支援するのが第一」ではありますが、「家庭で暮らせない場合は施設ではなく、里親養育が望ましい」という方針が打ち出されました。
「新しい社会的養育ビジョン」では、未就学児の里親等委託率を75%以上、学齢期以降は50%以上にする目標に対し、令和4年度末の全国平均では24.3%。東京都では17.2%の水準です。
里親委託率の伸びない理由としては、里親制度の認知度が低い、関心はあるが周りの支援がないと子供の養育が難しい。里親に委託するためには実(じつ)親(おや)の同意が必要であるが実(じつ)親(おや)の同意が得づらい。自宅が狭くて子どもを迎えられない。など様々な理由が考えられております。
里親委託率向上に向けて、福岡市や新潟市では、官民連携したリクルート活動、里親制度説明会の開催回数の増加、里親支援体制の強化などに取り組んで成果を上げたとのことでした。

Q1,都においても、里親委託を促進するため、積極的な取組を進めていくべきと考えますが、まず、里親委託率向上に向けた令和5年度の都の取組を伺います。
A1.都は、東京都社会的養育推進計画に基づき、家庭と同様の環境における養育を優先し、里親等への委託を推進
〇 里親制度の周知や理解促進のため、里親月間を中心に、養育家庭体験発表会や広報誌等を活用して普及啓発を実施
○ 里親のリクルートや、委託後のフォローなど、一貫した里親への支援を行うフォスタリング機関事業を実施
様々な普及啓発や、民間の力も活用したリクルート活動を行っているとのことですが、現在の委託率をみると、十分ではないと考えます。
Q2,「家庭養育優先」を進めていくためには、児童相談所において、児童それぞれの現状やニーズを見極め、児童や保護者にきめ細かく対応していく必要があります。施設に入所している児童であっても、定期的に方針を見直すことが重要です。里親への委託を進めていくために、都はどのように対応していくのかお聞きいたします。
〇 児童相談所は、施設入所児童の里親委託を検討するため、面会等を通じて、児童の意向等を確認
○ 児童を里親へ委託する際には、実親の同意や関係機関との調整など、きめ細かな対応が求められる
○ケースワークを一層推進するため、今年度、社会的養育推進計画策定に向け、児童相談所の体制や人材育成の強化などを検討
 現在、社会的養育推進計画の策定に向けて検討を行っているとのことですので、更なる里親制度の普及促進、積極的活用、児童相談所の体制強化など、計画の中に具体的に明示すべきと考えます。また、里親のリクルートや委託後のフォローをしっかりと行うためにも、今後、フォスタリング機関事業の評価を行い、児童福祉法に新たに規定された「里親支援センター」への移行に向けた検討を行っていくことを求めます。  

❻【吃音について】
 次に、中学校における吃音のある生徒に対する支援について伺います。
 吃音のある生徒はおよそ100人に一人いると言われておりますが、完全な治療方法は未だ確立されておりません。そのため、吃音があったとしても、自信をもって、自分らしく学校生活を送れるような支援を充実させていくことが大切です。
この夏、私は吃音のある人が活動されている交流会に参加し、多くの方からお声を頂きました。
 吃音のある中学生の中には、吃音があることを隠したいという気持ちから、言いたいことを言えなかったり、また吃音の症状が軽度であったとしても、本人は吃音のことを深く悩んでいる場合があるとも聞いております。
Q1,中学校において、吃音に対する理解を広げていくためには、教員に対する研修の充実が不可欠と考えますが、都教育委員会の取組を伺います。
A1,都教育委員会は、昨年度、特別支援教育に関する研修テキストを改定し、吃音のある生徒の指導の充実に向けて、言語障害への理解や指導上の工夫等を明示した。
本テキストは、教職員向けのホームページに掲載し、全ての教員が常に活用できるようにした。また、特別支援教育を推進するコーディネーターの役割をもつ教員を対象とした研修を行った。
これにより、本研修を受講したコーディネーターが、校内において教員の言語障害に対する理解を深めるための取組を促進した。
 中学生の吃音に対しては、生徒一人一人の吃音の状態を理解し不安な心情に寄り添った支援が重要です。このような吃音に対する理解を、小学校の先生も含めたより多くの教員に深めてもらうためには、
Q2,研修の実施はもとより、様々な機会を捉えて理解啓発を重ねていくべきであると考えますが、都教育委員会の取組を伺います。
A2,都教育委員会は、吃音に関する啓発資料を配布し、各中学校において、思春期の生徒のもつ不安な心情を理解し、個々の吃音の状態に応じた支援や配慮を行うよう促している。
昨年度は、公立小・中学校の特別支援学級の担任を対象とする講習会において、吃音のある小学生への指導事例を取り上げ、指導方法や配慮事項を中学校の指導に引き継ぐ重要性について周知した。
都立特別支援学校による特別支援教育のセンター的機能ですが、言語障害についての支援を担うのは都立ろう学校とお聞きしています。しかし、ろう学校は都内に4校で、地元にろう学校がない地区の中学校の先生方からすれば、気軽に相談しにくい状況があります。特別支援学校側から、言語障害についても、センター的機能の一環として相談を受けることを、中学校に向けてより積極的に周知を図っていただくことを要望いたします。

❼【産休・育業 代替教員の確保について】
 次に、産休・育業代替教員の確保についてお伺いします。
教員が安心して出産や育児に専念できる環境を整えるためにも、そして、子供たちが安心して学べる環境を確保するためにも、代替教員の確保は教育委員会が最優先で取り組むべき課題の1つであります。
しかしながら、学校現場からは、特に、年度途中で産休や育業を取得する教員の代替教員を確保することに苦労をしているとの声を多く聞きます。
Q1 そこで、令和5年度の産休・育業の取得者のうち、学校から代替教員について申請があった件数及び、臨時的任用教員等の任用に向けた取組と状況についてお伺いします。
A1,昨年度の年間を通じた産休・育業取得件数のうち代替教員の補充申請の件数は
約6,900件
○産休・育業の申請は、取得の時期や期間
 が様々で、臨時的任用教員等の任用は随時行われ、申請案件ごとの補充状況は確認していない。
○各学校が、都の採用情報マッチング支援システムや、東京都教育支援機構による候補者の紹介などを活用し、任用につなげている。これらにより、昨年度に任用した臨時的任用教員等の数は約6,700件
途中で代替教員が見つかり、任用された場合でも、見つかるまでの間、副校長等が通常の業務とは別に、担任業務を担っているわけであり、その間の苦労は、この数字には表れていません。
そこで、教育委員会は学校の負担軽減を図るためにも、臨時的任用教員の候補者数を増やす取組を加速させるべきと考えます。
Q2 そこで、産休・育業代替教員等の候補者の増加に向けた、令和5年度の都教育委員会の取組及び成果についてお伺いします。
A2,「TOKYO教育フェスタ」の場を活用し、来訪した教職志望者に臨時的任用の仕組みをきめ細かく紹介
○約2,200人の来訪のある民間の大規模な転職フェアにおいて、臨時的任用の個別相談を実施
○教員養成系大学等で説明会を開くほか、転職サイトでの募集も行った。電車広告や地域の掲示板を活用し、教員免許を持つ方に対する学校への就業の働きかけを実施
○令和5年度末時点で候補者名簿に登録があった数は7,151名で令和4年度末時点と比べ、1,834名増加
今、答弁にありました通り、都教育委員会が様々な工夫をしていることは理解しておりますが、代替教員が見つからない状況が、一人でも発生しますと、その学校は、毎日毎日、子ども達の学びの環境を確保し、無事に下校させるまで、想像を絶するような苦労を重ねながら、日々の教育活動を進めていくこととなります。
この毎日の激務が、どれほどの苦労であるかということを、今一重、考えていただき、教育委員会の皆様には、例えば学校訪問の際には、学校のニーズに耳を傾けていただいたり、学校が人探しをしなくても済む対策を再度構築するなど、学校の力になる取組を確実に進めていただきたいことを強く要望しまして、次の質問に移ります。

❽【児童生徒の心のケア】
次に児童生徒の心のケアについて伺います。
都教育委員会におけるSNS相談は、都議会公明党の平成30年第1回定例会での提案を受けて、同年夏からスタートしました。
そして、令和2年予算特別委員会で、教育相談全体の質を一層高めるために、SNS、電話、面接などの教育相談窓口の一体的な運用を求め、教育相談センターに高度な専門性を有するSNS教育相談支援員が配置されました。
Q1.そこで、この間のSNSやチャットによる教育相談の充実について、教育長の答弁を求めます。
A1,都教育委員会は、子供の悩みへの対応に関する高い専門性を持つ人材
を支援員として配置し、生徒などからの様々な相談を受け止め助言する
SNS等相談員のサポートを行っている。 SNS等相談員は、この支援
員からの助言により、子供たちからの相談への対応の力を着実に高めて
いる。
昨年度より、相談を受ける対象を、これまでの高校生等に加えて小
学生にも拡大した。
これらの取組により、昨年度の相談件数は6,394件となり、前年度
から458件増加し、子供の悩みにより適切に対応をする成果を挙げて
いる。
都議会公明党は令和3年第1回定例会において、コロナ禍の中で、多くの児童生徒が問題を抱え込んでいる可能性を指摘し、精神不調や自殺リスクを発見するITツールを活用し、児童生徒の心をケアする体制を強化すべきと提案しました。
これを受けて、令和3年度からシステムの実証研究が開始されたところ、令和5年第1回定例会では、早期に全都立高校に導入することを訴えました。
Q2.そこで、都教育委員会が開発したメンタルヘルスのオンラインシステムの令和5年度の利用実績と対応について、教育長の答弁を求めます。
A2.都教育委員会は、昨年度から、全ての都立高校生等を対象に心身の変化を早期に確認できるオンラインシステム「コンディシ’ヨンレポート」を導入し、対応の強化につなげている。
この利用実績は約百八万八千件で、そのうち、教員からの声掛けなどの対応が必要な案件、約一万七千件について、生徒の状況に応じ教員が対応を行った。
また、とうした「コンディションレポート」からの情報と教員による対応の状況について、福祉などの部署と連携した専門的な支援にもつなげることができた。
Q3.潜在的なリスクを抱える生徒を教員が見過ごすことなく、適切な支援に繋げていくには、生徒の状況を継続的に把握することが重要と考えますが、教育長の見解を求めます。
A3,都教育委員会は、都立高校等において、年に三回、「コンデイションレポート」を生徒が活用する期間を設けるとともに、その継続的な利用を行うよう勧めた。
これに合わせ、同レポートについて、教員が活用するための工夫や要望などに係るアンケートも実施した。
その内容を踏まえ、生徒が入力した継続的な記録を教員が一覧で見ることのできる仕組みを導入するなどのシステム改修を行った。
このレポートやSNS等による教育相談など、デジタルの力を活用し子供の心のケアを効果的に進めた。

❾【農の風景育成地区】
次に、農の風景育成地区制度について質問します。
農の風景育成地区は減少しつつある農地を地元自治体が農家や住民等と連携して守っていくための制度で、私の地元世田谷区喜多見地域も育成地区に指定されております。
Q1.あらためて、この制度の概要とこれまでの指定状況についてお伺いいたします。
A1.都技監答弁骨子
・平成23年度に「農の風景育成地区」制度を創設
・区市町が候補地選定し、都が指定した地区で、将来に引継ぐべき農のある風景を保全するもの
・これまでに7地区、計約366haを指定
 導入から10年以上が経過したわけですが制度の主旨である農のある風景を保全していくためにもさらなる指定に向けた取組みが重要であると考えます。
Q2.本制度は、候補地の選定から運営まで地域が主体となりますが、令和5年度における都の区市町に対する支援の状況について見解を求めます。
A2.都技監答弁
・区市町との連携が重要
・候補地選定や指定後3年間の普及啓発等経費を補助
・令和5年度は、八王子市及び町田市対し指定に向けた補助を、江戸川区に対し指定後の補助を実施
育成地区に指定されている練馬区南大泉地域では、南大泉農の風景育成地区実行委員会を立ち上げ、今週末に農フェスタと題し、収穫体験やマルシェを行うなど積極的な活動を進めております。
一方、育成地区に指定されているある農家の方からは、地域住民に対し育成地区の意義をもっと都がPRすべきとの声や、指定後の展望が見えず、都のビジョンを示してもらいたいとの意見が聞かれます。
地域や農家による自立的、継続的な取組みにつなげ、農の風景の保全・育成をさらに進めていくためにも、今後、支援の強化を図っていくことを要望します。

❿【地域公共交通】
次に、持続可能な地域公共交通実現に向けた都の支援について伺います。
高齢化が進む中、地域住民の足となり、住民が自由に移動できる手段を確保するためにも、公共交通の役割は重要です。
今後の少子高齢化・人口減少社会を見据え、鉄道ネットワークを活かしながら地域の特性に応じた効率的な地域公共交通ネットワークの形成を促進し、移動しやすい利便性の高い都市の実現に向けた取組が必要とされます。都内でも持続可能な地域公共交通の実現に向け、多くの区市町村による取組が進められています。
Q1 区市町村が主体となった地域公共交通の取組に対する都の役割をお伺いいたします。
A1(都技監答弁)
・人口減少、少子高齢社会の進行など都民を取り巻く環境が変化する中においては、地域公共交通の利便性を高め、日々の生活を豊かにしていくことが重要
・都は、令和3年度に策定した「東京における地域公共交通の基本方針」に基づき、地域公共交通の確保、充実に向けて、区市町村が主体的に地域の交通課題の解決に取り組めるよう、技術的、財政的に支援する役割を担っている
 都の役割を確認できました。私の地元の世田谷区においても、交通不便地域での移動手段を確保するため、昨年度より、区が主体のデマンド交通の運行が行われており、そこに都も財政支援をしています。こうした都の支援は非常に重要であると考えます。
Q2 区市町村が主体となったデマンド交通の導入支援に関する都のこれまでの取組と、令和5年度の区市町村への補助件数についてお聞きいたします。
A2(都技監答弁)
 ・地域に適した移動サービスを構築するためには、区市町村が関係者と緊密な連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要
・デマンド交通は、利用者のニーズに応じて、柔軟に運行する手段であり、都内各地で導入が進んでいる
・都は、導入時の車両購入費や運行経費の一部について補助。令和5年度は、世田谷区を含む3件のデマンド交通の運行経費補助を実施
・引き続き、こうした支援を通じ、区市町村への取組を一層後押しし、地域公共交通の充実に取り組んでいく
東京都の運行経費に対する補助事業は3年間の期間限定であります。現在、世田谷区で運行されているデマンド交通は、東京都からの財政支援がなくなった場合、区の単費で経費をねん出していく必要に迫られます。
継続していくためには、区として経費削減やスポンサーを募るなど収入増への独自の取り組みが、求められるところですが、都の更なる継続的な支援を求め次の質問に移ります。

⓫【モニタリング分析等】
次に、モニタリング分析等について伺います。
○新型コロナウイルス感染症の法令上の位置付けが 令和5年5月8日から五類に引き下げられた。
しかし5類移行後もコロナがなくなったわけではなく、昨年夏と冬には感染者数が大きく増加した一方で、患者数が定点把握になったことで、感染状況のリアルタイムでの把握や、傾向と対策が難しくなったとも言われています。
Q1.都は、五類移行前の最後のモニタリング会議において、引き続きモニタリング分析を続けていくとしましたが、具体的にはどのようなことを行ってきたのか伺います。
・A1.都は、5類移行後もモニタリングを継続
・ 具体的には、定点医療機関当たり患者報告数により感染動向を把握す
るとともに、機関定点医療機関当たり入院患者数などから医療提供体制
の負荷を確認。さらに、病原体サーベイランスとして変異株の発生等を
監視
・ これらについて、毎週ホームページで公表するとともに、必要に応じ
て感染症対策連絡会議などを活用して、都民に注意喚起
○患者数の把握だけでなく変異株の解析を行うなど、様々な手法で新型コロナの感染状況を把握してきたことは分かりました。
○ところで、病原体サーベイランスには、下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランスという手法もあります。
現在、都が実施しているモニタリング分析に含まれていませんが、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標として、活用が期待されています。
Q2,先の定例会で、我が党より下水サーベイランスへの迅速な対応を求めたところですが、あらためて都のこれまでの取組を伺います。
A2.下水サーベイランスは、地域における感染状況を把握する手法の一つ
都は令和二年度から、健康安全研究センターにおいて調査を試験的に進め、令和五年度においても、都内全20か所の水再生センターを対象に調査を継続
今年度、下水サーベイランスが予防接種法に基づく感染症流行予測調査に位置付けられたことから、これに基づく調査を開始。今後、都民や関係機関等に対する情報提供や感染拡大時の注意喚起に活用