決算特別委員会(生活文化局)

決算特別委員会第2分科会が行われ、
「都民安全総合対策本部」と「生活文化局」所管の質疑を行いました。

②生活文化局では
○私立高等学校海外留学推進助成事業および教員の海外留学支援
○結婚支援事業
○演劇などの創作環境の整備
○東京都消費生活センターの役割
について質疑を行いました。

【私立学校のグローバル人材育成に向けた支援】
【私立高等学校海外留学推進助成事業及び教員の海外留学支援】について伺います。

国際的な視野と多様な価値観を備えた人材の育成は、今後ますます重要性を増しています。

土地もない、資源もない日本において、これからも発展し続けるためには人材育成こそがすべてであると思います。
特に高校生のころから海外における交流を経験し、国際感覚を醸成することは、将来世界で通用する人材の育成に繋がるものと考える。

私は、昨年「都立高校生の海外派遣研修」成果報告会に参加しました。
海外に派遣された都立高校の生徒さんからは
○多文化共生を学んだ。
○世界には多くの価値観があり、それを体と心で知ることができた。
○言葉は通じないものの新しいことに挑戦する勇気をもらった。
などの報告がありました。

都は、都内の私立高校に在籍する生徒が海外に留学する際に、私立高等学校海外留学推進補助により支援をしている。

Q1 本補助制度の意義と内容について改めて伺う。

A1(私学部長答弁)
〇 都内私立高校の生徒が、豊かな国際感覚や語学力を身につけ、世界で活躍す
る人材として成長することを目的
〇 私立高校が実施する海外留学プログラムに生徒が参加する場合に、参加費用の一部を助成

本補助については、1校当たりの補助上限額を令和6年度に従前の660万円から800万円に引き上げており、これによって、制度を活用する学校が増えたのではないかと思う。

Q2 本補助の昨年度を含む過去3か年の利用学校数と人数の実績を伺う。

A2(私学部長答弁)
○ 過去3か年の利用学校数と人数は、
令和4年度 106校748人
令和5年度 131校828人
令和6年度 143校984人

令和6年度に1校当たりの補助上限額を引き上げたことで、補助を利用した生徒が大幅に増加したことがわかった。今後も私立学校の声を聞いて、補助の充実をお願いしたい。
 あわせて、海外留学補助の私立中学への拡充も要望する。

Q3 都は、私立学校教員の海外研修への補助も行っている。補助の内容と過去
3か年の利用学校数と人数の実績を伺う。

A3(私学部長答弁)
○ 教員の指導力向上を目的に私立の小学校、中学校、高等学校を対象に、海外
派遣研修に要する経費の一部を補助
○ 過去3か年の利用学校数と人数は、
令和4年度 1校1人
令和5年度 7校7人
令和6年度 8校8人
〇 今年度からは、より多くの教員が海外で先駆的な教授法を学ぶことができ
るよう、私立学校の現場の声を踏まえ、補助の要件を緩和

これからのグローバル化社会のなかで、教員が海外で先駆的な教授法を学び、生徒への指導力を強化することは、たいへん重要である。

(令和7年度からの補助要件の緩和について)
Q4 令和7年度から、補助要件を緩和したということだが、その内容について
伺う。

A3(私学部長答弁)
○ 対象教科をこれまでの主要五教科から全ての教科に広げ、研修先についても、
英語が公用語等である国以外も可能とした
○ 夏休みなど長期休暇での利用がしやすくなるよう、派遣期間を最低4週間
程度から最低2週間程度に短縮
○ 昨今の物価高騰を踏まえて、補助限度額を教員一人当たり100万円から
150万円に増額

補助要件のさまざまな緩和をしたということであり、このことをしっかりと周知して、より多くの私立学校教員に補助を活用してもらえるように努めてもらいたい。

【結婚支援事業】について伺う。
2024年の日本の出生数は68万6,061人で、統計開始以来、初めて70万人を下回り、過去最低を更新しました。合計特殊出生率も前年の1.20から低下し、過去最低の1.15となりました。これは、少子化対策にもかかわらず、少子化が加速している状況を示しています。

少子化の要因には未婚化、晩婚化、子育てにお金がかかるなど要因は様々あると考えております。
 要因の一つである未婚の課題について、内閣府が実施した調査では、未婚者に結婚していない理由を聞いたところ、男女とも、適当な相手に巡り会わなかったが五七%と過半数を占めておりました。

あくまでも結婚というのは、個人が自分の人生観に基づいて決定するものであり、するしないというのは個人の自由であります。
 
わが党は、結婚を希望しながら、もう一歩踏み出せないでいる方への後押しをするということは重要なことだと考え、これまでも応援してきた。
私は、令和5年3月の予算特別委員会では、東京都ならではの出会いのきっかけとなる交流イベントの実施についても求めてきたところである。
その結果、令和5年度には、出会いの機会を広げる取り組みとして、10月に交流イベントを実施するとともに、12月にはAIマッチングシステム「TOKYO縁結び」が開始された。

(AIマッチングシステム「TOKYO縁結び」の実績について)

Q1 これらの取組は好評を得ていると聞いているが、まずは、令和6年度のAIマッチングシステム「TOKYO縁結び」の実績について伺う。

A1
〇 「TOKYO縁結び」は、都内在住・在勤・在学の18歳以上の独身の方を対象。独身証明書等の提出を必須。面談も行っており、安全・安心な仕組みを提供
○ 令和6年度末の時点で、申込者は約2万人を超え、26組が成婚

結婚を希望する都民の出会いの機会は広がっており、多くの方にお申込みいただいていることがわかりました。

一方、結婚を希望されている方にとって、リアルな出会いの場である交流イベントも重要であると考える。

(交流イベントの実績について)

Q2 令和6年度の交流イベントの実績と参加した方の声について伺う。

A2
〇 令和6年度の交流イベントは、10回開催、約800人の参加に対して3500人を超える応募
〇 都ならではの特色ある企画で開催、浅草・花やしきを会場とした約400人が参加する大規模イベントも実施
〇 参加した方からは「いろいろな人と話せてよかった」等の声

応募実績や参加者の声からも、より多くの出会いの機会の提供が必要とされていると考えられるので、引き続き、交流イベントの開催にしっかりと取り組んでいってほしい。

より多くの方に出会いの機会を提供するためには行政だけでなく、民間の活力を活用することが有効であると考える。

Q3 令和6年度に民間とどのような連携を図ってきたのか伺う。

A3
〇 マッチングアプリ、結婚相談所、式場・婚礼関係の各事業者からなる4つの団体と官民連携会議を開催。
〇 行政と民間団体が一堂に会する全国初の取組。連携し社会全体の結婚気運を醸成していくことを確認。
〇 有楽町で開催した気運醸成イベントでは、民間団体と連携し、お試し結婚相談所やマッチングアプリのセミナー等を実施。

今後、社会全体の結婚気運を盛り上げるためにも、様々な事業展開で、民間とも連携しながら、結婚支援事業を続けていってほしい。

【演劇などの場所の創出】

(創作環境の整備について)
東京の芸術文化を振興していくためには、その担い手となる、アーティストや芸術文化団体等が継続的に活動できるよう支援することが重要である。芸術関係の団体からは、創作活動の場が不足しているとの声も寄せられており、特に、若手アーティストが創作活動を継続するための活動の場の提供が求められている。都は、そうしたニーズを受けて、都営住宅などの空きスペースを活用して創作環境を提供する「START Box事業」を行っている。

Q1 そこで、利用実績など、START Box事業のこれまでの取組について伺う。

A1(デジタル推進担当部長 答弁骨子案)
○ 若手のアーティストを支援するため、START Box事業として、ササハタハツに6室、お台場に1室開設、これまで63名が利用
○ アーティスト同士や地域住民と交流する機会や作品発表の場を提供
〇 利用アーティストは、個展や海外のコンテストなど、利用後も精力的に活動

若いアーティストにアトリエの提供を始めたことは、いい取組である。これに加えて、都議会公明党は、演劇等の稽古場等の創作場所を提供する取組をさらに拡充させていくべきと主張してきた。昨年の第4回都議会定例会での我が党の質問に対し、アトリエに加え、稽古場の整備も検討していくとの答弁をいただいた。

私も地元の下北沢地域の演劇関係の多くの方から、演劇に必要不可欠な稽古場が不足しているという声が届いています。特に若手アーティストや小規模劇団等に対しては、継続的な創作活動を支援するため、低廉な料金での創作活動の場の提供が求められています。
2024年3月の文教委員会で都有施設や都営住宅などの空き施設を活用した、創作環境の提供を求めたところです。

Q2 稽古場の整備に向けた取組について伺う。

A2(デジタル推進担当部長 答弁骨子案)
○ 稽古場を提供することは重要
〇 墨田区にて、来年1月の稽古場開設に向けて準備

引き続き、創作環境の整備を進めていただきたい。

(舞台芸術活動への助成について)
舞台芸術活動を行っている方からは、活動の維持継続が経済的にも容易ではなく、アルバイトをしながら何とか活動を続けているとの話をよく聞く。
舞台芸術がコロナ禍で大きな打撃を受けたことを受け、都が「アートにエールを!東京プロジェクト」での支援を皮切りに、コロナ禍終了後も舞台芸術分野への助成に力を入れてきたことは承知している。

Q3 そこで、令和6年度に都が舞台芸術活動に対しどのような助成を実施したのか、その実績と成果を伺う。

A3(文化振興部長答弁骨子案)
○ 中小団体の舞台芸術活動を支援するため、「ライブ・ステージ応援助成」で、公演に係る対象経費の2分の1を、100万円を上限に助成
○ 令和6年度は、553件の申請、316件を採択。予算額3億5千万円に対し、決算額は3億4千9百万円余り
○ 助成団体からは、「活動継続への意欲が向上した」、「観客増加に繋がった」等の声

都が、このように舞台芸術団体に寄り添った支援を行っていることを、心強く感じる。

東京の芸術文化の魅力は、常に新たな表現を生み出している様々な
舞台芸術団体の力により支えられているとも言える。こうした団体か
らは、多様な表現にチャレンジし活動を継続発展させるためには、支
援が不可欠と聞いている。
都民が身近に多様で豊かな芸術文化に触れることができる環境を維持・
向上させていくためにも、ぜひ支援を継続していっていただきたい。

【東京都消費生活センターの役割】
〇経緯
「ネットによる詐欺まがいの不動産ビジネスで、被害にあった青年が東京都消費生活総合センターに相談、相談員が法テラス、警察との間に立って交渉をあっせんし、最終的にお金を取り戻すことができた。」との報告を市議会議員からお話頂きました。

〇質問目的
点検商法、通販トラブル、架空、不当請求、電話勧誘トラブルなど様々なトラブルに対して、消費者生活総合センターがしっかりと詐欺等の消費生活トラブルで役立つようにすべきである。

(消費生活センターについて)
Q1 都消費生活センターの役割について伺う。
A1
○ 都消費生活総合センターは、消費生活行政の第一線の事業所として、都民の主体的かつ合理的な消費生活を支援するため、消費生活相談、消費者教育、消費生活情報の提供等を実施
○ 都内全体に及ぶ広域的な事業を展開するとともに、区市町村の消費生活行政を支援し、連携を深め、センター・オブ・センターズとしての役割

近年、SNSやインターネットを利用した悪質な手口が増加していると聞く。私のところに情報提供のあった被害もアプリを通じて勧誘を受けたものであった。
(消費生活相談について)
Q2 都内の消費生活センターに寄せられた相談の実績、傾向について伺う。
A2
○ 令和6年度に都内消費生活センターに寄せられた相談件数は、前年度比2.2%増の132,542件
○ 特徴として、インターネット通販が全体の24%を占めており、そのうちSNSの広告をきっかけとした契約トラブルなどの相談の割合が増加、医療脱毛事業者の破産手続きに関する報道に関連して美容医療の相談が大幅に増加、「害虫駆除サービス」等の緊急時レスキュー関連の相談が増加傾向、など
 
私のところに情報提供があった被害では、事業者から数十万円の請求があった、とのことである。
(被害救済・未然防止)
Q3 悪質商法の被害者への対応、被害防止に向けて、消費生活センターではどのように取組んでいるのか伺う。
A3
○ 都消費生活総合センターでは、専門の相談員を配置して、トラブル解決のための助言、あっせん及び情報提供等を実施
○ 都内全域の相談窓口で適切な対応が図られるよう、都と区市町村で毎月情報連絡会を開催し、高度専門的な知識を要する相談事例などを共有
○ ホームページやSNSなどを通じて、被害の事例や被害に遭わないための情報を都民に広く発信し、注意を喚起

悪質な事業者の裏にはトクリュウなどの組織が関与している可能性もある。詐欺的な被害から都民を守るためには、警察との連携が必要である。
(警察との連携)
Q4 警察との連携について、どのように取り組んでいるのか伺う。
A4
○ 詐欺などの犯罪が疑われる事例については、地元警察署への相談を促すほか、警視庁とは適宜、情報を共有し連携