決算特別委員会(教育庁)

決算特別委員会第2分科会
今日は教育庁所管の決算審査が行われました。
私の方からは
○都立通信制高校について
○チャレンジスクールについて
それぞれ質疑を行いました。

以下質問概要です。

【都立通信制高校】について質問します。
都立の通信制高校は一橋高校、新宿山吹高校・砂川高校の3校あります。

通信制高校では、仕事をしながら目標をもって通信制に通学される生徒、中学時代に不登校状態にあり、通信制を選んだ生徒、また、人間関係、成績、体調不良、家庭の事情等で全日制高校を辞めざるを得なくなって通信制に入学するケースや学業以外の活動を行うため通信制に入学するケースなど様々な理由があるかと思います

・昨年3月の文教委員愛で、通信制高校について質問しました。
・通信制高校の生徒は全国的に増加傾向で、高校生の約10人に1人は通信制に通っていて、通信制を希望する中学生も増えていると聞いている。
・そのような中で、都立の通信制課程に入った生徒の令和4年度の退学率は15.3%と聞いた。全日制課程の退学率は0.9%と聞いており、全日制に比べて、通信制はかなり高い水準です。

【質問骨子】①
Q1,通信制高校の退学率の算出方法と最新の退学率について、伺う。

【指導部長答弁】①

〇退学率の算出方法は、当該年度の4月1日に在籍する生徒数に対する、当該年度に退学した生徒数の割合
〇最新の退学率は、文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、令和5年4月1日に在籍する生徒数1,688人、退学した生徒数214人であり、退学率は12.7%

・少し改善しているものの、まだ高い状況です。
・通信制課程には、仕事をしながら、通学する人もいれば、中学校時代に不登校状態にあり、通信制を選んだ生徒など様々な生徒がいると思う。

【質問骨子】②
Q2,あらためて、通信制高校の設置趣旨として、どのような生徒を対象にしているか、伺う。

【教育改革推進担当部長答弁】②

〇 国の令和4年の通信制高等学校の在り方に関する会議では、「通信制高等学校は、当初は勤労青年を主たる対象としていたが、近年は、不登校経験など多様な入学動機や学習歴を持つ生徒が入学するなど、自立して自学自習を行う生徒を対象としてきた制度の前提が変化している」とされており、都においても同様の傾向

・通信制課程では、スクーリングとして通学するのは週1回よりも少なく、自宅で教科書を使って学び、レポートを提出して、テストも受ける、と聞いている。
・規則正しい生活習慣を送り、自分で自分をコントロールする力が無いと、なかなか難しい学び方だと思う。

小中学校は義務教育で、不登校のお子さんや様々な困難を抱えた児童生徒の卒業に向けてはご家庭も、学校も行政も、そして地域も全力で卒業できるよう取り組んでいます。

しかし、中学を卒業して義務教育段階を終えたとたん、行政からの支援も少なくなり、困難を抱えた若者への伴走型支援の仕組みも少なくなくなってしまいます。
そういう意味からも、学校だけではなく、行政はもとより、福祉や医療やあらゆる分野と連携して通信制の高校生への支援をすすめていく必要があるかと考えます。

通信制高校で、生徒が学業に励み、退学しないよう、学習面、生活面においてでもしっかりとサポートすべきとの昨年3月の文教委員会での私の質問に対して東京都は
 「年間二十四回登校して学ぶ規定となっておりますスクーリングに加えまして、生徒が主体的に登校する機会に、教員が対面での指導や面談等を行うとともに、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーが心理面や福祉面からの相談に応じております。
 こうした様々な取組を通して、生徒の学力の定着や社会的自立に向けたきめ細かな支援の充実を図っているところでございます」との答弁でした。

【質問骨子】③
Q3,さまざまな事情を抱える多様な生徒が退学しないよう、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカー、また外部機関とも連携してフォローしているとのことですが、どのような取組状況か、伺う。

【教育改革推進担当部長答弁】③

〇都教育委員会は、全ての都立高校の通信制課程において、生徒の学びを支援するため、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーによる相談体制を構築するとともに、インターネットを活用したレポート提出等、多様な学び方に対応した環境整備を進めてきた。

〇また、子供、若者支援の実績があるNPOと連携して、学校生活に困難を抱えている通信制課程の生徒等に対して、学習支援や就労に向けた支援、進路相談、生活相談、生徒同士の交流機会の提供等、幅広い支援によって、個々の生徒に応じてきめ細かく対応しており、令和6年度は、718人の参加
 
教職員をはじめ、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーなどあらゆる手を尽くし退学防止に取り組んでいただきますよう要望したいと思います。

 また、通信制高校を退学してしまった場合においても、その後、フォローしていけるような仕組みづくりを、全庁的にしっかりと進めていくことを求めて、次の質問に移ります。

【チャレンジスクール】について質問します。

チャレンジスクールは、主に小・中学校での不登校の経験や高校での中途退学の経験により、これまで能力や適性を十分に生かしきれなかった生徒が、自分の目標を見つけ、それに向かってチャレンジする高校です。

昼夜間の定時制・総合学科・単位制の高校で、自分のライフスタイルや学習ペースに合わせて各時間帯(午前・午後・夜間の三部)を選んで入学できます。

学力検査や中学校からの調査書によらず、生徒の学習や学校生活への意欲を重視した入試を行います。
・ 基礎・基本を重視した学習を行うとともに、総合学科の特性を生かし、職業系を含めいろいろな専門科目を設置しています。
・ボランティア活動などの体験的な活動を通じて、豊かな人間性を育成します。
・カウンセリングや教育相談の充実など、心のケアに配慮したきめ細かい指導を行います。

Q1,令和7年度入学選抜におけるチャレンジスクールの倍率を伺う。

立川緑高校が開設など、新たなチャレンジスクールに取り組んできたことは理解いたします。
 不登校児童生徒の増加に伴い、チャレンジスクールへの入学を希望する生徒が増えており、新たなチャレンジスクールへの生徒や保護者、関係者の期待は高まっております。

今までいろいろな理由で不登校状態になっている生徒さんが再チャレンジをすべく希望をもって受験されています。
全員が学べるようチャレンジスクールの整備をすべきと考えます。

Q2,チャレンジスクールの拡充の状況を伺います。

今お話にあったチャレンジサポートプランでは、チャレンジスクールの拡充に加え、令和8年度から深沢高校を、柔軟できめ細かな教育課程等を備えるよう改編していくとも聞いている。

今後ともチャレンジスクールを拡充して、今後も様々な困難を抱える生徒の多様なニーズに応えていくため、教育環境の整備を進めて欲しい。