公営企業委員会(交通局)事務事業質疑

公営企業委員会事務事業質疑

今日は交通局の質疑
私からは
◯都営バス等の運転手不足について
◯地下鉄浸水対策について
◯交通局の広告事業について
◯構内営業について都営地下鉄工事での談合疑惑について
それぞれ質問しました。

以下、質問概要を掲載いたします。

【都営バス等の運転手不足】

都営バスでは「約2,000名」のバス運転手で、126系統を運行しているとのことです。
最近、運転手不足を理由に“206便の減便”を実施したという報道があります。

これは、都営バスだけの問題ではなく、全国でも、路線バス運転手数不足が深刻化しております。
運転手不足を引き起こしている背景として、以下のような要因があるといわれております。

(1) 労働条件・魅力度の低さ
路線バス事業全体として運転士の労働条件が他産業に比べて魅力度が低いという指摘があります。

(2) 働き方・制度面の課題
「改善基準告示改正(いわゆる2024年問題)」の影響で、これまで以上に運転手数が必要になっていますが、確保が難しいという構図があります。
これを踏まえ、都営バスでは必要に応じてバス乗務員の出勤時間や退勤時間を変更するなど勤務シフトを見直し、改善基準告示に対応するためのダイヤの調整を実施してきたとのことであります。

また、女性や子育て・介護対応など多様な働き方を望む人材に対して、「短時間勤務」「柔軟シフト」の導入が始まってはいるものの、十分とは言えないという指摘があります

(3) 需要側・事業環境の変化
利用者数の変動・観光需要の変化・都心部・住宅地部での路線構成変化など、バスを取り巻く環境が変わっており、運転手確保・人件費確保の前提が厳しくなっています。
 
運転手確保策の一つとして、免許を持たない応募者の受け入れ、養成型選考の取り組み状況について、引き続き、養成型選考をはじめとした応募者の裾野を広げる取組を一層進め、バス乗務員の確保に努めていくことを要望する。

Q1,都営バスの乗務員は約5割が50代以上と聞いており、高齢化する中、特に女性・若年層の人材確保の取り組みについて伺う。

○交通局では、女性や若年層に都営バスの仕事に興味を持っていただけるよう集客イベントや動画配信等でバス乗務員の仕事の魅力を紹介するほか、ホームページにおいて女性職員がみずからの体験を語り合う座談会や、仕事と育児の両立を支援する休暇制度などを紹介
○また、有給休暇の取得のほか育児や介護などに関する休暇や勤務制度についても利用しやすいよう、職場の風土づくりを進めている
○さらに、庁舎の大規模改修などの機会を捉えて女性職員向け施設などの整備にも取り組み
○今後も、女性や若年層を含めた多くの方が都営バスを志望していただけるよう、取組を進めていく

いろいろと女性の人材確保に取り組んでいるとのことですが、まだ都営バスでの従業員の中で20人程度の女性比率であります。
更なる人材確保策が求められます。

Q2, 乗務員の負担軽減、乗務員不足の解消などバス事業の課題解決に向けて、自動運転やAIを含むデジタル技術を積極的に活用すべきと考えるが、取り組み状況を伺う

○バス乗務員の確保が厳しさを増す中、乗務員の負担軽減等を図る上で、デジタル技術を有効に活用していくことは重要
○都営バスでは、現在、外国語による問い合わせに円滑に対応できるようAI通訳機を試験的に導入しているほか、将来的な乗務員不足への対応も見据え、自動運転について実証実験に向けた検討・準備を進めている
○引き続きデジタル技術も積極的に活用しながら、バス事業の持続可能な運営に努めていく

自動運転などデジタル技術を事業運営に活用していくとのことであった。
東京都は自動運転社会を見据え、公共交通(バスなど)での自動運転を導入する方向で実験を行っているとのことです。
人手不足の中で今後自動運転は切り札になってくるものと考えます。
実証実験の実施に向けた取り組みを推進することを求めます。

【地下鉄浸水対策について】

2024年8月21日夜、都心部で1時間あたり約100 mmの猛烈な雨が降り、都営地下鉄の駅でも浸水被害が発生しています。

この時、駅出入口や構内に雨水が流れ込み、階段・改札・エスカレーター付近で浸水・故障が発生しました。

東京都交通局は、「浸水対策施設整備計画」を令和5年2月に策定し、浸水対策を着実に進めることとしております。

Q3,東京都交通局浸水対策施設整備計画を策定した経緯と計画の概要について改めて伺います。

○これまで交通局では、東海豪雨規模の降雨を想定した都市型水害の対策を完了させるなど、浸水対策を推進
○その後、集中豪雨等の頻発・激甚化を受けて水防法が改正されたことに伴い、浸水予想区域図等について浸水が想定される区域や深さが拡大するなど、見直しが行われた
○こうした状況を踏まえ、従来の都市型水害に加え、荒川氾濫や高潮といった大規模水害による浸水被害についてもシミュレーションした上で対策を検討し、施設整備の方向性や具体的な整備手法、手順を取りまとめた「東京都交通局浸水対策施設整備計画」を令和5年2月に策定

この計画は、「お客様の安全確保」「早期運行再開」「地下鉄ネットワーク全体の減災」を目的とし、駅出入口への止水板・防水扉の設置や、通風口への浸水防止機整備、トンネル内への防水ゲート設置などを進めるとしております。

Q4, 交通局浸水対策施設整備計画に基づいた都営地下鉄の浸水対策のハード整備の進捗状況について伺う

○交通局では、地上からの水の流入の防止に加え、地下鉄ネットワークを通じた浸水被害の拡大を防止するため、浸水対策施設整備計画に基づき対策を推進
○これまでに、計画に掲げた整備箇所のうち、駅出入口2か所の止水板等を改良したほか、通風口14か所において浸水防止機の設置等の対応を完了
○今年度は、東銀座駅出入口などへの防水扉等の設置や戸越駅から五反田駅間などの通風口での浸水防止機の改良、さらには大江戸線蔵前駅付近のトンネル内にある防水ゲートの改修を完了する予定

ハード対策だけでなく、発災時における迅速な対応など、万一に備えた対策も重要です。

Q5, 本計画に沿った地下鉄における訓練などソフト対策の取組状況について伺う

○交通局では、地下鉄の浸水を想定した各種訓練を毎年行っている
○具体的には、出水期前に各駅において、お客様の避難誘導訓練や駅出入口の止水板設置訓練を実施
○また、大規模水害の発生を想定し、トンネル内の防水ゲートを操作する訓練や車両を避難させる訓練等を行っている
○加えて、駅や保守、指令等の職員が参加する自然災害対応訓練において、今年度は最新の防災情報を早期に入手するため、駅に配備したスマートフォンのプッシュ通知を活用するシナリオを組み込んだ
○今後も多様な訓練を積み重ね、職員の対応力向上を図っていく

【広告事業について】

交通局が所管する交通事業会計、高速電車事業会計、電気事業会計の令和6年度決算は、3会計合計の営業収益が約2,002億円、経常損益が約238億円となりました。
乗車人員については、4事業の合計で12億4,830万人(対5年度比5.5%増)となりました。
リモートワークの定着や、少子高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少などにより、長期的には乗客数の大きな増加は期待できず、加えて、事業の担い手の不足や世界的な気候変動、物価高騰による経費の増加など、事業環境は一段と厳しさを増しています。

そのような状況下で、東京都交通局にとって広告事業は、交通収入だけでは補えない財政基盤を強化するための安定した収入源として、また自社の資産を有効活用する重要な手段として必要です。
現在、交通局の広告事業には、車内広告、中吊りポスター、ラッピング広告、駅デジタルサイネージなど多様な媒体を扱っているとのことです。

Q6,最初に、広告事業収入の推移について、コロナ禍前の平成30年度とコロナ禍中、直近の令和6年度の広告料収入額の状況について伺う。

○コロナ禍前の平成30年度における交通局の広告料収入は約34億円
○その後の感染拡大の影響により乗車人員の減少が長期化したことなどから企業の交通広告への出稿意欲が低下し、広告料収入が最も落ち込んだ令和4年度には、平成30年度と比較し約25パーセント減の約25億5千万円となった
○ 新型コロナウイルス感染症の5類移行後、外出に伴う移動需要が回復したこと等もあって、企業の交通広告への出稿も増加に転じ、令和6年度は約29億1千万円となった

既存の中吊り・ポスターだけでなく、ラッピング、駅構内デジタルサイネージ、車内音声・動画など多チャネル展開が望まれるところで、
駅構内・構外、バス停留所 上屋付きベンチなど広告可能な場所を整理していくことが必要と考えますが、

Q7, 広告事業においてさらに収入を確保するため、どのような取り組みを行っているか伺う

○広告料収入のさらなる確保のため、広告代理店とも連携を図りながら広告媒体に応じた販売促進策を実施するほか、従来からの広告主への営業展開や新たな広告主の開拓に努めている
○さらに、広告主のニーズが高いデジタル広告などに対応し、地下鉄の車両更新に合わせ、車内液晶モニターを順次設置するとともに、駅構内のデジタルサイネージについてもさらに販売を促進
○今後も、新たな需要の掘り起こしや広告媒体の充実など、様々な方策を検討しながら広告事業を展開

【構内営業について】

交通局では、お客様の利便性の向上と収益確保を図るため駅構内のスペースを有効に活用し、コンビニエンスストアをはじめとする店舗、飲料自動販売機やコインロッカー等のサービス機器、期間限定で食品等をワゴン販売する催事を展開しているとのことです。

Q8, 構内営業について、コロナ禍前の平成30年度とコロナ禍中、直近の令和6年度の構内営業料収入の状況について伺う

○コロナ禍前の平成30年度における交通局の構内営業料収入は、約9億7千万円
○コロナ禍中の乗車人員の減少や、店舗の撤退などもあり、構内営業料収入が最も落ち込んだ令和3年度には、平成30年度と比較し約21パーセント減の約7億6千万円となった
○その後、乗車人員の回復等に伴い構内営業料収入も増加し、令和6年度ではコロナ禍前と同水準の約9億6千万円となっている

Q9, 構内営業においてさらに収入を確保するため、どのような取り組みを行っているか伺う

○構内営業料の増収を図っていくには、変化するお客様のニーズを的確に捉えていくことが重要であり、お客様の声や事業者等とのヒアリング結果を踏まえ、新たな店舗の誘致やサービスの導入に努めている
○具体的には、空き店舗情報をホームページに掲載するとともに、事業者への営業活動を強化
○また、働き方の多様化に合わせた個室型ワークブースや全国の地下鉄駅で初となる様々なアニメキャラクターとコラボレーションした冷凍スイーツ自動販売機などニーズを捉えたサービス機器の設置等を進めてきた
○今後も、こうした取組を積極的に進め、構内営業のさらなる推進に努めていく

【都営地下鉄工事での談合疑惑】

 11月11日、公正取引委員会が東京都交通局と、工事を受注している6社に対して立ち入り検査に入りました。
競争原理の崩壊、信頼の失墜、公正取引ルール違反等、あってはならない重大問題です。

問題になっているのは都営地下鉄の軌道(レール)保守工事。具体的には三田線、浅草線、新宿線、大江戸線などです。

疑われている談合の手口として
 数年にわたって「路線や管区ごとに受注予定先の調整」をしていた疑い。
また、一部工事で予定価格の最大 99.9% というほぼ満額落札があった。ともマスコミに取り上げられております。
公取委が独禁法(不当な取引制限)違反の疑いをもって調査中とのことです。

Q10 軌道保守工事というのは具体的にどのような内容の工事なのか、一般的にどのような難しさがあるのか伺う。

○交通局では、都営地下鉄4路線、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーにおいて、安全運行を確保するため、必要な技術力を有する事業者に、軌道を保守する工事を発注
○具体的には、レールやまくらぎ等の補修・交換のほか、傷んだレールの表面を削って整える削正工事などを実施
○作業に際しては、レールの高さや幅をミリ単位で調整する技術が求められ、例えば地下鉄では、終電から始発までの送電が停止されているおおむね午前1時半から午前4時までの限られた時間内に、レールやまくらぎの交換を行う必要

軌道保守工事とは、鉄道の安全、正確さ、快適な乗り心地を確保するために、線路(レール、まくらぎ、道床など)の点検・整備・修理を行う重要な業務であることです。

Q11 交通局における昨年度までの5年間の軌道保守工事の入札案件の件数と契約総額について伺う。

○令和2年度から6年度までの都営地下鉄、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーにおける軌道の保守に関する工事の入札契約件数と契約総額は、年度ごとの平均で、約34件、約28億円

1契約平均約82百万円、決して少ない金額ではありません。

小池都知事は「都の職員が受注調整に関与した可能性もあるとのことで、事実であれば重大な事態だと述べられており、特別調査チームが設置されました。

都営地下鉄は公共インフラであり、入札における公正性は都民の信頼を大きく左右します。
今回の談合疑惑は、本来あるべき競争をゆがめ、特定企業への利益の偏り、税金の無駄遣い、行政への信頼失墜を招く可能性があります。

詳しい事実関係(誰が・いつ・どの工事で・どのように談合したか)は、今後の調査の進捗によって明らかになると思いますが、全容解明に都としてもしっかりと取り組んでいただきたいことを要望いたします。

Q12,最後に公正取引委員会の立ち入り検査を受けて、局長の決意を伺います。

○皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを心からおわび申し上げる
○交通局の委託契約に関し、公正取引委員会からの検査を受けたことについて、重く受け止め
○局においては、すでにヒアリングや契約関連資料の精査を進めており、事実関係と原因を明らかにし、再発防止策も含め、できる限り早期にご報告したい
○お客様に信頼され、支持される都営交通の実現に向けて局一丸となって取り組んでいく