【公明新聞6月2日 1面】
公明党の人生100年時代構想本部(本部長=石田祝稔政務調査会長)は1日、衆院第2議員会館で、幼児教育無償化の対象範囲に関する政府の有識者会議が5月31日にまとめた報告書について、政府から説明を受けた。政府は既に、幼稚園や認可保育所、認定こども園の利用について、3~5歳児の全世帯と0~2歳児の住民税非課税世帯を無償化すると決めているが、報告書では、保育の必要性要件を満たす場合、一定の上限額を設けて、幼稚園の預かり保育や「認可外」なども無償化の対象にするとした【別掲】。無償化の開始は2019年10月開始とした。
政府報告書に公明の主張反映
席上、石田政調会長は、報告書には公明党の主張が反映されているとの認識を示し、「幼児教育を無償化して良かったと国民の皆さまに喜んでもらえるよう、円滑な実施へ地方議員と連携して取り組みたい」と強調した。政府側は、報告書の内容について、今月中に閣議決定する予定の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に、与党の了承を得て盛り込みたいと述べた。
報告書によると、「認可外」などが無償化となるのは、保護者の就労状況などに基づき、市区町村が保育の必要性を認定した子ども。無償化の上限額は3~5歳児で月3万7000円、住民税非課税世帯の0~2歳児で月4万2000円。いずれも「認可」の保育料の全国平均額に当たる。幼稚園の預かり保育を利用する場合、幼稚園保育料(最高月2万5700円)を含めて、上限額までが無償化される。
障がい児が、幼稚園や認可保育所、認定こども園と障がい児通園施設の両方を利用した場合は、両方とも無償化の対象となり、上限額は設けない。
なお、幼児教育無償化の開始時期について、政府は19年4月と20年4月の2段階で設定していたが、報告書は、事務負担や消費税率10%への引き上げによる増収分が財源になることなどを踏まえ、税率引き上げと同じ19年10月の開始に一本化すべきとした。
また報告書では、既に独自の負担軽減策を実施している自治体について、今回の無償化によって浮く財源が生じた場合、地域における子育て支援充実などに活用するよう求めている。
公明党は、幼児教育無償化の範囲について、認可保育所に入れない待機児童が多い現状を踏まえ、「認可外」などを幅広く含めるよう主張。これを受け政府は、今回の報告書をまとめた有識者会議を設置し、保育の利用者や事業者などの意見を聞いて検討を重ねてきた。
| 報告書で示された無償化の対象
一、認証保育施設、ベビーホテル、ベビーシッター利用などの認可外保育施設・サービス
一、幼稚園の一時預かり
一、子ども・子育て支援法に基づく小規模保育、家庭的保育(保育ママ)、居宅訪問型保育、事業所内保育などの地域型保育
一、同法に基づく一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業
※ 当初5年間は、経過措置として、上記以外も対象とする
※ 幼稚園、認可保育所、認定こども園、障がい児の通園施設は既に対象として決定済み