平成24年度第3回定例会で公明党を代表し代表質問に登壇しました。
1.区長の区政運営について
2.行財政改革について
3.自立都市世田谷について
4.まちづくり先進都市せたがやについて
5.環境都市せたがやについて
6.福祉先進都市せたがやについて
7.教育都市せたがやについて
以下、代表質問の概要について掲載いたします。
公明党区議団を代表し質問いたします。
日本の大手電機メーカーのシャープの経営危機が連日マスコミに取り上げられております。シャープといえば「世界の亀山モデル」と言われた液晶テレビの大ヒットで2006年度では売り上げが3兆円を超すほどで、業績は飛ぶ鳥を落とす勢いでありましたが、液晶の主力事業に集中しすぎたため、世界の価格競争に勝てず経営危機に追い込まれている現状であります。
このように、一刻一刻と変化する社会経済において、いかに企業を守り、また、勝ちつづけていけるか、トップの判断がきわめて重要なものになります。
同様に88万区民を要する世田谷区においても、どのように自治体運営をするのか区長の判断は極めて重要と認識いたします。
23年度決算が確定し、これから決算特別委員会が始まります。また、25年度予算編成が本格的にはじまるところでありますが、区長は現在の厳しい財政状況の下での区政運営をどのように進めていくおつもりかお聞かせください。
最初に、小田急線上部利用についてお聞きいたします。
7月4日の都市整備常任委員会に「小田急線上部利用計画区案の追加修正」が報告されました。これは昨年の3・11の東日本大震災を受けて防災と緑の基軸としてコンセプトをまとめたもので、この構想自体否定するものではありません。しかし、東京都、小田急側との調整をせずに公表したため、現在、両者との関係性が非常に悪化していると聞いております。自治体経営者トップとしての手続きの手法の見直しを行い、修復改善を強く求めるものであります。
ここで二点区長の考えをお聞きいたします。
一点目に、何故、今までのように連続立体交差事業協議会関係者との合意をすることなく公表をいそいだのか。
二点目に、今後、東京都・小田急などの連立事業協議会関係者とどのように関係修復を図り、推進していくおつもりかお聞かせください。
次に世田谷区の行財政改革について、伺います。
我が会派では適正な受益者負担については区民が区政を担う上でも必要であると訴えてきておりました。
6月の第2回定例会で私どもは、施設使用料などの料金の一部は施設の老朽化による建て替えやバリアフリー化に充てるための基金として積み立てるようにできないか提案しました。
例えば、今回、施設使用料を引き上げするならば半分は施設維持に充て、残り半分は建て替えの資金とするなど、引き上げ根拠、資金使途を明確にしていかなければ区民に対する説明が果たせないものと思います。
区民利用の公共施設では30年から40年経過の老朽化した施設も多く、バリアフリー化されていない設備も多数存在しております。そんな中で老朽化した施設を一定年限ごとに利用者負担導入指針の論理で施設利用料を引き上げしていくやり方では限界にきており、区民の理解は得られないのではないかとおもいます。今後、個別施設の老朽化にたいしてのファシリティマネジメント、また、公会計制度を活用し、一つ一つの施設の負担率の判断をすべきとおもいますが見解をお聞きいたします。
次に公会計制度改革についてお聞きいたします。
先日、会派で新公会計制度の導入を先駆的に実施している浜松市へ視察にいってきました。同市では平成18年度に企業会計的手法の本格的導入に向け、「公会計改革アクションプラン」を策定。総務省改定モデルの財務諸表作成公表。平成21年度から基準モデルについても実施し、現在、予算、決算策定に新公会計制度を活用した行政コスト計算書等を反映させております。
世田谷区においては、今まで、企業会計手法による財務諸表を作成することにより、財政の見える化を推進し、自治体経営の透明化をはかっているところではあります。
我が会派は、現在日本の抱える「資産更新問題」つまり、「高度成長期を中心として形成された公共資産が、今から一斉に更新時期を迎えるにあたり、その資金的準備がほとんどできていない」という問題について、財務計画を公会計制度で作ることにより、公会計のマクロ的活用、ミクロ的活用で資産の計画的な更新・改修による延命化を検討することが可能となると考えます。
ここで3点伺います
一点目に、世田谷区においては、新公会計制度を活用した、決算・予算策定への活用を行っているとのことですが、新しい施策・新しい事業についても、財務諸表を活用し、予算編成の過程で区民に見えるようにすべきとおもいますが、見解をお聞きいたします。
二点目に、世田谷区の新公会計制度構築に際し、①庁舎等の公有財産②橋、道路などのインフラ社会資本③物品を管理する資産管理システムと財務会計システムは連携されているのかどうかお聞きいたします。
3点目に、世田谷区では財務事務の電子決済、電子文書化を平成26年度に導入する予定とのことですが、今後2年間の公会計制度改革の進め方についてお聞きいたします。
次に梅ヶ丘病院跡地利用についてお尋ね致します。
先般いただいた中間報告によれば、梅ヶ丘病院跡地利用基本構想・調整プラン(案)について、この9月の区議会報告へ向けて鋭意検討中とのことであり、高齢者・障碍者・子育て等の分野別に、あるべき理想の姿を追求していくとの区の姿勢を良とするものであります。
ところで想定されるスケジュールでは、31年度の施設開設を目指すならば、今年度中に事業化決定を急がなくてはならないわけであり、そうであれば必然的に跡地の取得判断は遅くとも今年中に結論付けなければならないと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
次に都区財政調整制度の問題であります。3月定例会でのわが党の代表質問に対して、保坂区長は、都区間、23区間の相反する利害を解決するためにも、世田谷区として積極的にその役割を果たしていきたいと述べておられます。
そうした中、橋下氏率いる大阪維新の会による大阪都構想が持ち上がり、先の国会で「大都市地域特別区設置法」が成立を見ました。こうした状況を奇貨としてとらえ、改めて特別区の制度的課題の解決に向け、区長の言われる23区区長全員が、それぞれのしがらみを乗り越え、結束し、団結をするその中心軸として保坂区長の役割は大変重大であると考えますが、区長のお考えはいかがかおきかせください。
さて、以下具体的にわが党の示す5つのビジョンに沿って具体的な質問をさせていただきます。
初めに「自立都市世田谷」について質問いたします。
まず、産業政策についてであります。日本経済の先行きの不透明感が強まる中、世田谷区内の産業もきわめてきびしい状況下に追い込まれております。区内産業の活性化、活力ある区内産業を構築させていく上からも、産業政策部の改革、産業振興公社の改革が今こそ必要とされるときであります
産業振興公社の役割については、まずスピード感を持って現在の経済活動に臨機応変に対応できる柔軟性が何よりも必要と認識しております。その意味から民営化、株式会社化を含めて公社のあり方を抜本的に考えるべき時にきていると認識いたします。区の見解を求めます。
また、区内観光事業を推進するには、民間の柔軟な発想力が不可欠であります。観光協会の創設を含めて観光の産業化を考えるべきとおもいますが区の見解をお聞きいたします。
次に、地域行政制度について質問します。
このたび区は、地域行政担当部を作り、88万区民を支える世田谷区の行政制度を本格的に検討することを始めたと認識しております。もっと身近に、打てば響くまちづくりと区民参加を掲げた世田谷の特色ある地域行政は20年の歴史の中で、社会環境も大きく変わり、区民生活も意識も大きく変化してきました。区も変革の時であり、検討を開始したことは大いに評価します。そこで、お伺いいたします。3層構造である本庁、総合支所、出張所・まちづくりセンターのそれぞれの役割、何を本庁で行なければいけないのか、何が住民に必要なのか。今回は、どのような判断基準で3層構造の見直しを行うつもりなのかお聞きします。
私どもは住民に最も近い地区の改革を何よりも重要視しております。わが党では、再三にわたって、地区を強くすること、管理職配置などを訴えてまいりました。特に、高齢社会の孤立・孤独において地区高齢者見守りネットワーク構築を提案しモデル実施しているところであります。
さて、ここで申し上げたいことは、地区の仕組みであります。地区では多くのテーマごとの会議体が存在し、防犯・防災やごみ・リサイクル、高齢者、青少年、見守りなど様々な切り口での議論は必要ですが、参加メンバーが兼務していることが多くあります。
地区での仕組みが膠着状態であれば、4層目の町会・自治会が活性化するはずがありません。地区の整理と再構築が必要な時であると考えます。基本構想と地域行政制度を作り上げるこの時が好機であります。地区再構築へ課題を整理し、区がリーディングしルールと仕組みづくりを行うべきと考えます。見解を求めます。
次に公契約制度と入札制度について伺います。
昨年9月、当区において公契約のあり方検討委員会が設置され、現在4回にわたり入札制度、契約制度等について議論されており、総合評価競争入札の試行における地域貢献度評価の導入やプロポーザル方式の実施に関するガイドラインの見直しなどもおこなわれていると聞いております。
そこでお聞きいたします。現在の公契約のあり方検討会での議論の状況、また、条例化への道筋、そして、区内産業活性化のために公契約をどのようにつなげていくのか区の見解を求めます。
次に、入札制度についてであります。この入札制度は先の公契約条例とセットの議論と考えます。入札制度改革と区内事業者育成などの産業政策、社会政策は一体不二の関係でもあり、入札制度で行うのか、公契約の中で取り組むのか契約のあり方全体を含めての詳細な検討が必要と思います。
いずれにしても、私どもは、災害対応等も含め官公需適格組合の活用や地元企業の活用、区内事業者の発注を基本として区内事業者の活性化に努め、区内で地域貢献されている企業に対して積極的に後押しすべき体制をつくっていく必要があると思っております。区の見解をお伺いいたします。
次に「まちづくり先進都市」を目指す観点からお聞きします。
初めに東京外かく環状道路についてお聞きします。今月5日に関越道から東名区間の「着工式」が行われ、2020年の完成を目指していよいよ工事が始まった訳ですが、この外環道全体計画の中で特に世田谷区民の関心事は、東名以南の整備です。
今後の対応としてわが党が求めるのは、まさに区長のリーダーシップであり、区民の代表として区長自らがその東名以南の必要性を強く主張し、国や東京都に早期事業化を要望することです。今後、東名以南の議論をどのようにすすめるのか、国、都へのはたらきかけをどうするのかお聞かせ願います。
次に「財団法人世田谷トラストまちづくり」についてお聞きします、平成18年4月に設立・発足した「世田谷トラストまちづくり」ですが、まちづくりの観点から考えたとき「住宅の管理」を今後も指定管理者として続けていくべきなのか、疑問があるところであります。
例えば港区では平成21年度から特定公共賃貸住宅等の指定管理者を公募し、区内17団地920戸と駐車場6施設260区画を民間に委託をしています。その結果、5か所の防災センターを中心に24時間体制での区民サービス対応が可能となり土・日の対応も可能となったそうです。
世田谷区では公的住宅64団地1592戸を、本年4月より5年間の指定管理者として当財団に再指定しておりますが、民間委託でも可能ではないかと思います。「財団法人世田谷トラストまちづくり」は、「まちづくり」と環境保全を図る「トラスト運動事業」を切り離し、トラストはファンド等トラストにしかできないことに特化し、大胆なスリム化を図ってみてはいかがかと思いますが、見解をお聞きいたします。
次に防災・減災の観点からお聞きします。
先日、南海トラフ巨大地震の被害想定を国が発表しました。東海・東南海・南海地震などが同時に発生する、マグニチュード9クラスの巨大地震です。被害想定では死者が最大で32万人と想定されております
東京は首都直下型地震が30年以内に70%の確率で起きるとされております。防災・減災の観点から区民の命を守る社会資本インフラの整備は待ったなしの状態です。
しかしその社会資本の多くは、1950年代後半からの高度経済成長期に整備され、コンクリート構造物の寿命が50~60年といわれることから、老朽化による更新時期を迎えます。公明党は命を守る防災・減災ニューディール政策を発表し、社会資本の整備を進め、この10年間で集中的に投資をすることにより新たな雇用の創出と景気の回復を目指すものです。そのためにも橋梁、河川、道路等社会資本の総点検を早期に行うべきであると思いますが、見解をお聞きいたします。
さらには、区民の財産を守るために必要なのが地籍調査です。昨年3.11の津波の被害を受けた地域では地籍調査の進捗率が高く、被災地の復興支援に大きく役立っております。しかし、世田谷区においては今だ2%程度であります。今後の震災に備え、地籍調査を着実に進めておくことを求めます。区の見解を聞きます。
次に「環境都市せたがやを目指す」について、提案並びに質問をいたします。
近年、経済発展と環境対策の両立に向けて「スマートシティ」という視点が注目を集めています。
そこで世田谷区においても、地域特性を生かした持続可能な地域社会の構築を目指す「せたがやスマートシティ」構想を区民へ示すべき時だと考えます。そこでわが党がその実現へ向け、重要と位置付ける3つの観点についてお伺いいたします。
第一に「エネルギー創出について」質問いたします。
現在、日本は東日本大震災の影響による当面の電力供給安定のため、火力発電フル稼働を支えるべく再び膨大な化石燃料を使用する事態に陥っており、地球温暖化の進行を抑制するこれまでの政策に逆行した火力依存から一刻も早い自然・再生可能エネルギーへの転換を推進しなくてはなりません。
世田谷区の地域特性を生かせる自然・再生可能エネルギーへの転換へ向け、今後は議論から構想へ踏み出すべきだと考えます。そこで2点質問いたします。
一点目は、持続可能なエネルギー社会をもたらすには、地域の潜在的な資源を含め、どう活用できるのか、エネルギーの地産地消への道筋と共に、雇用の創出も含めた地域経済活性化への波及効果まで生み出すべきと考えます。その可能性をどう探るのか、区長の認識を伺います。
二点目は、電力自由化で新規参入した特定規模電気事業者からの電力供給についてであります。世田谷区では、入札によりPPS事業者との契約が成立していますが、その一方、他自治体における今年度の入札は不調が続出しております。そうした現状を踏まえ、環境面にも配慮しつつ来年度以降のPPSとの契約についてどう考えているのか、区の見解を伺います。
第二に「世田谷版CASBEEの導入について」質問いたします。
先日、会派にて福岡市へ「CASBEE福岡」建築物環境配慮制度について視察してまいりました。この自治体版CASBEEの導入につきましては、平成20年第3回定例会代表質問でも取り上げましたが、CASBEEとは、建築物を環境性能で評価し、格付けする手法で、産学官で共同開発された全国共通の評価システムを言います。
こうした民間建築物における環境配慮の可視化、自主的な取り組みへの啓発と促進、さらには地球温暖化対策に配慮、貢献した建築物が市場で評価させる仕組みをつくることは大変重要だと考えます。そこで質問いたします。せたがやスマートシティ構想への第一歩として「CASBEEせたがや」導入への契機だと考えますが、区の見解をお伺いします。
第三に「環境配慮型リノベーションの推進について」質問いたします。
先に述べたCASBEEを実効性のある制度へと展開するには、新築のみならず、既存の住宅ストックの有効活用を図り、再生させ、産業廃棄物の発生等を抑制する必要があると考えます。そこでこれまでわが党が何度も提案している「環境配慮型リノベーション制度」の創設が不可欠となります。
特に民間住宅については、良質な中古住宅市場の形成を図るため、その性能評価、リフォーム履歴の提供等の条件整備が必要であり、その上で環境配慮という観点を加えた政策でエネルギー負荷軽減への道筋を定めるべきと訴えます。
そこで質問いたします。既存ストックの活用策としてリノベーション手法の重要性については、世田谷区の大きな命題あることは言うまでもありません。
民間住宅への普及について今後どのように推進していくのか、改めて区の見解をお伺いします。
次に、福祉先進都市せたがやについて質問します。
1点目は、生活保護についてです。生活保護自立支援プログラムを積極的に取り組んでいる釧路モデルのことは、前回の代表質問でも述べましたが、経済的な自立に加え、中間的就労として地域のNPOなど事業者と協力し、ボランティア活動などを通じて受給者の居場所づくりに取り組まれています。生活保護費の中でも医療扶助費が約40%であることを考えると、自立とは就労しかないという考え方から、自立とは全面的な福祉の受け手からの脱却を目指すことも重要であると感じました。高齢者や稼働年齢等、ケースによって就労だけでなく、自立へのステップアップの仕組みが必要です。就労や福祉、医療など横断的な連携できる自立支援プログラムを作成、推進する部署を本庁に置き、総合支所の国の事務として行っている生活支援課から自立支援へつなげられるシステムが重要と考えます。区の見解を求めます。
また、生活保護予備軍へのセーフティーネットへの対策も喫緊の課題です。引きこもりやニートの状況で、主たる収入が親の年金であるという家庭が多くなってきていることも見逃せません。近い将来、このような状況は最後のセーフティーネットである生活保護への道を辿ってしまいます。
自立支援プログラムとは、このような生活保護予備軍に早めに手を打ち、確たる生活環境を築きあげられる支援を行うことも必要です。あわせて、見解をお聞きします。
2点目に、保育について質問します。
世田谷区の保育需要は今後も引き続き増加傾向にあり、今後の伸びを考えれば、計画を大幅に見直し、更なる整備をとの認識に立つ必要性を前回も申し上げたところであります。
区は、量的な手立てを進めるとともに、保育の質にこだわりを持って独自の保育を保ってきた歴史もあります。その視点に立つとき、保育室、保育ママの制度を世田谷区の保育制度にどのように位置付けていくのかが大切であると私どもは重要視しています。
保育については国でも、「子ども・子育て3法案」が3党合意のもと社会保障・税一体改革とともに修正され可決成立。小規模保育等への給付、地域型保育給付の創設など地域の子ども・子育て支援の充実が柱となっています。
今後、詳細が詰められていくと思いますが、地域の特色ある独自保育の支援の可能性が大いに期待されます。
江戸川区では、0歳児は保育ママでと207名の保育ママが子育ての最前線を担っています。世田谷区も身近な地域で、小規模な質の高い保育が展開されている特色が区の魅力でもあると考えます。保育室は、ここ10年以上、保育料や補助金が変わらず、保育士の確保に支障をきたしている状況があります。また、区からは老朽化による移転も認められず保育室が続けられないという悲鳴も上がっています。保育料の見直しが進められる中、量的措置だけでなく、独自の小規模保育の確たる位置付けと支援を行うべきと考えます。区の決断を求めます。
3点目は、こころの健康についてです。
精神疾患の患者数は他の4大疾病よりも多く年間323万人。重大な社会的損失を重要視して、私どもは重点課題として取り組んできました。特に、思春期から25歳の青年期での発症が70%を超えていることをとらえて、早期発見早期ケアの仕組みづくりに絞り、成人期での重症化を防ぐ予防を訴えてきたところであります。
世田谷区でも思春期青年期対策協議会で検討を重ねていますが、そろそろ具体的な対策に踏み出す時期であると思います。区の考えを伺います。
私どもは、思春期での早期ケアは何より小学校高学年から中学生の現場にあると訴えてきました。学校での教師や児童・生徒に対するアプローチを始めることを求めますが見解をお聞きします。
こころの健康基本法制定に向けて国においても動きがあります。こころの病全般に対する正確な知識の普及と偏見を取り除き、地域で支えられる社会づくりが求められます。
世田谷区はこころの健康モデル地域として、区役所・区民が意識を高めていけるよう、「こころの健康先進都市せたがや宣言」を打ち立てることも、いつ起こるかわからない疾患に立ち向かい寄り添う社会づくりになると提案します。区の前向きな見解を求めます。
最後に、教育都市世田谷を目指すについて、三つの観点から質問いたします。
第一に、子どもの人権擁護の新たな仕組みについて伺います。
わが党は本年第二回定例会で、札幌市の「子どもの権利救済機関子どもアシストセンター」の取組を具体的に例示し、子どもの人権擁護、権利救済を主眼とした、独立性ある第三者機関の設置の重要性を強く求めてまいりました。今般、子どもの人権擁護の新たな仕組みについて示されたことは、評価すると同時に、いじめや虐待、不登校、子どもの貧困など様々な事柄がなくなることに大いに期待するものであります。
その重要な役割を担うのが教育委員会であると思いますが、今回示された、子どもの人権擁護の新たな仕組みについて、教育委員会とのかかわりが見えてきません。教育委員会の責務は何なのか、連携はどうするのか、教育長の見解を伺います。
第二に、「区立幼稚園のあり方に係る具体的方針」について伺います。わが党は10年来一貫して、将来の世田谷における豊かな人間性をはぐくむ幼児教育の実践、充実には、根幹を担う役割の機能を有した拠点、すなわち幼児教育センター機能の必要性を提案してまいりました。
会派で7月に、京都市子育て支援総合センター「こどもみらい館」を視察しました。こどもみらい館は,乳幼児の子育て支援を総合的に推進するため,保育所・幼稚園,私立・市立・国立の垣根を越えた「共同機構」としての取組を行う全国に類のない子育て支援の中核施設として平成12年末に開館されました。以来、相談,情報発信,子育てネットワークの構築,研修,研究の5つの機能を柱とし,親子のふれあい,親同士の交流,ボランティア養成等の多彩な事業を展開する中で,家庭・地域の教育力の向上,保育士・幼稚園教諭の資質向上,乳幼児の子育て支援の推進,さらには関係機関とのネットワークの形成に大きな役割を果たしていました。
そこで、今般の「区立幼稚園のあり方に係る具体的方針」が示されてことを受け、改めて幼児教育の主軸は教育委員会が担うべきと主張させていただきますが、就学前教育について区の見解を求めます。また、区立幼稚園の用途転換を議論する際、配慮を必要とする子どもへの支援は避けて通れません。配慮を必要とする子どもが安心して地域の施設に通える体制をどう構築するのか、合わせて見解を伺います。
第三に、小学校の適正規模化について伺います。
今回の素案で初めて小学校5校の統合が示されました。示された学校は何れも小規模校であり、統合により学習や生活面、また学校運営面において教育上の効果が期待されるとしています。しかし、世田谷区では何れの学校も長年地域コミュニティーの重要な核として、また防災拠点としての大きな役割を果たしてきました。
小学校を核として築き上げてきた地域コミュニティーが統廃合により、大きく組み替えられてしまうことが懸念されます。世田谷の目指す地域が支える学校との視点からも教育委員会は統合を機に地域コミュニティーをどのように生かし発展させるつもりかお聞きいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。