第4回定例会で一般質問

一般質問に立ちました

今回の質問通告は

(1)低炭素社会への転換について

(2)緊急経済対策について

以下全文を掲載いたします。

平成20年度第4回定例会 高久則男

 

質問通告に基づき、はじめに低炭素社会への転換について質問いたします。

現在、地球規模で問題となっている温暖化問題は世界的危機であり、低炭素社会への転換に向けて世界そして日本も国家的プロジェクトとして取り組む必要があると思います。

今年7月に開催された洞爺湖サミットでは、世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに半減させる目標が主要国間で共有されました。議長国である日本は同年までに現状から6割から8割削減するという積極的な目標を掲げました。

その達成に向けて、政府は「低炭素社会づくり行動計画」を策定し、太陽光発電の導入量を2020年に10倍、2030年に40倍とすること、3年から5年後に太陽光発電システムの価格を現在の半額程度にすること、また、家庭・企業・公共施設等への太陽光発電の導入拡大することが、明示されました。

 

先日、私は、北海道・稚内市へ太陽光発電施設および、風力発電施設の視察にいってまいりました。稚内市ではNEDOの委託事業で大規模な太陽光発電を平成18年から5年間にわたる研究事業として行われております。このプロジェクトでは出力5MW級の一般家庭約1700世帯に相当する世界最大規模の太陽光発電モジュールの設置を予定しております。発電所の敷地面積は14haで東京ドーム3個分の広さで、全国での実用化に向けて、積雪、寒冷、強風の気象条件下で研究開発をしております。

また、風力発電は現地では年間平均風速が7mで風速10m以上の日が90日以上もあることより、1998年にはじめての施設が建設され、現在では74基、76355KWの発電量を稼働しているとのことでした。この発電量は稚内市の電力需要の約3分の2を占めるとのことです。

 

そこで4点質問いたします。

一点目は、まず、低炭素社会づくりへ向けての区のご決意をお聞かせください。

二点目は太陽光発電についてです。

太陽光発電は太陽電池に当たった太陽の光エネルギーを直接電気に変えるシステムです。導入費用が高めな代わりに、昼間の電気需要のピークを緩和し、温室効果ガス排出量を削減できるなどの特長があります。近年の競争によって性能が向上し、設置や保守が容易であり、低炭素社会の成長産業として将来性を買われ、需要が拡大しております。

もし、世田谷区内の建築物すべての屋上に太陽光発電システムを設置したと仮定した場合、世田谷区で1年間に使う電力の40%程度賄うことができるとの試算もあります。

国においては、住宅用太陽光発電導入促進対策費補助金補助事業制度が再導入されました。

東京都では、来年度から太陽光発電システム設置について、標準的な家庭で30万円程度の高額補助制度を導入し、制度導入で年間1万件以上増やす計画であるとのことであります。代表でも質問させていただいたように、先駆的な環境都市、世田谷区でも是非とも太陽光発電システムに対する補助制度を導入すべきであると思います。さらに集合住宅の多い当区においては、集合住宅用の太陽光発システム導入支援策の推進が必要であるとおもいますが、区の見解を伺います。また、世田谷区環境配慮公共施設整備指針が打ち出されましたが、その中で、今後、太陽光発電をどのように推進していくかお聞かせください。

 

三点目は、区の制度融資である省エネルギー対策資金についてです。この資金は、太陽光発電設備の購入設置費用・ハイブッリド車の購入・買い替え費用のいずれかの資金としておりますが、昨年1年間の実行件数は0件、今年度の9月までの実行件数は1件と、非常に低調であります。これは、ひとえに投資資金に対して、投資回収期間が15年から20年とあまりにも長すぎることが原因と思われます。これだけ利用が、少ないならば、資金使途を増やすなど、制度を見直して、利用しやすい制度に改善する必要があると思います。今までの状況と今後の推進に向けてどのように考えているかお聞かせください。

 

四点目は、自然エネルギーについてです。

現在、グリーン電力が注目を集めております。これは自然エネルギーを広く普及させる狙いから、1990年代初頭のアメリカで、消費者運動を背景にうまれました。自然エネルギーによる電力は、電力会社が供給する電力に比べて割高になる欠点があります。そこで、電力の購入者がグリーン電力のエネルギーとしての価値に加え、環境価値部分を評価して追加料金を払うことで、市場競争力を高めるという仕組みです。グリーン料金制度やグリーン電力基金、グリーン電力証書取引などのプログラムがあります。このようなグリーン電力によって自然エネルギーを普及させていくことについて、区としての見解をお聞きいたします。

 

次に、緊急経済対策について伺います。

政府は、10月30日に、緊急経済対策をまとめました。その中で生活対策の最終的な目的は国民生活と日本経済を守ることであるとし、5つの基本視点として政策展開を発表しました。具体的な施策としては、家計緊急支援対策、雇用セーフティネット強化対策、生活安心確保対策を重点施策として決定しました。

東京都においても東京緊急対策IIとして、中小企業支援・雇用確保対策、都民の不安に応える生活者支援、中小企業活用による都市インフラの整備を中核に早期に都民が自ら危機克服に向けた施策を発表しました。20年度から21年度までの期間で15項目にわたり、事業規模は2000億円程度の大きな緊急対策であります。

国や都の最終的な決定は各々補正予算等の推移をみる必要があろうかとおもいますが、特に、今一番重要と思われるのが、悪化する雇用環境への対応であります。

9月の全国失業率は4.0%でありました。南関東での失業者は前年同時期と対比し、10万人増加しております。今後雇用情勢はさらに悪化するものと推測されております。私の周りでも、「失業したとか、こどもが内定取り消しにあった」との切実な相談が飛び込んできております。

東京都では緊急対策で50万人の公的雇用を生み出す緊急雇用対策を新規実施することを予定しており、道路、公園、河川における樹木剪定や除草・緑地管理など、専門技術等がない求職者の当面の雇用につながる事業を追加実施し、都直接で延べ20万人の雇用創出効果をだすとしております。

都内の倒産件数は20年9月に297件で昨年同月の194件に対して、1.5倍に増加しております。さらに会社倒産や失業者の増加に伴い、生活困窮者は、これから大幅に増えることが推測されます。

東京都では、本年8月に一定の所得以下の生活安定に向けた緊急総合対策として、区市町村に生活相談等を行う窓口を整備し、生活相談に応じるとともに、就職支援や一定の要件を満たした方には資金の貸付を実施することを始めました。

また、東京緊急対策では離職者支援資金を拡充し、無利子での融資を実施する予定でもあります。

ここで2点質問いたします。

一点目は、東京都は区市町村との連携で30万人の雇用創出効果を実施することを予定しておりますが、この事業で世田谷区も都と連携し、区直接の緊急雇用政策を早期に実施すべきと思いますが見解をお聞きいたします。

二点目は、当区においても区内の生活困窮者への緊急自立支援策を推進していく必要がありますが、生活困窮者への支援策を、今後どのように推進していく予定か見解をお聞かせください。

以上で壇上よりの質問を終わります。