平成21年度 予算特別委員会

都市整備領域の質問に立つ

本日、午後より予算特別委員会の都市整備領域所管の質問に立ちました。質問の内容は

1、耐震診断、耐震改修について

2、高齢者の住宅の確保について

3、公園のトイレの整備について

以下、質問の概要を掲示いたします。

平成21年 予算特別委員会 都市整備領域  高久 則男

【1】世田谷区耐震改修促進計画について

公明党より都市整備領域の質問をいたします。

最初に、耐震診断・耐震改修についてお聞きいたします。

国は、平成18年に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の改正により、都道府県への耐震改修促進計画の策定を義務付け、平成27年度までに住宅の耐震化率を90%とする目標をうちだしました。こうした中、世田谷区では「安全・安心のまちづくり」を最優先課題として独自に耐震化の目標及び施策を定めた「世田谷区耐震改修促進計画」を策定しました。

この計画は切迫性が指摘されている首都圏直下地震による被害・損傷を未然に防ぎ、区民の生命・財産を守ることを目的としております。この計画期間は平成19年度から平成27年度までとしております。3年を目途として計画の実施状況等に関する検証を行い、必要に応じて計画の改定を行うものとしております。

計画では、住宅に関する耐震化の目標が、現状77.5%でこれを平成27年度までに95%に耐震化率をあげるとの目標設定であります。

 

耐震化の促進への基本的な取り組み方針は、耐震診断、耐震改修は、原則として建物所有者自らの責任で行う。区は区民の生命・財産を守るため、建物所有者が主体的に耐震化の取り組みができるよう、技術的・財政的な支援を行うとしております。

国の基本方針も住宅・建築物の所有者等が、自らの問題・地域の問題として意識を持って取り組むことが不可欠。国や地方公共団体は、こうした取り組みをできる限り支援するというのが、基本方針になっております。

「つまり、耐震化は基本は、建物所有者の責任でやってください。自治体は耐震化ができるように支援してください。その上で目標はやりきってください。」というのが国の指示のようです 

Q1,国の方針では、基本は所有者任せ、しかし、責任は自治体任せのような感じもしますが、いかがでしょうか。 

住宅の耐震化の係数ですが、平成17年度の総住宅数、383千戸をベースとしております。昭和56年6月以降に建築された住宅、および、それ以前の耐震化済みの住宅は297千戸で77.5%ということであります。残り22.5%の総戸数は86300戸であり、これを基数として、5%分の残存未耐震住宅を除いて、27年度までに65800戸を耐震化する計画であります。

この65800戸の内、世田谷区の目標では、54200戸は自然更新(建て替え)で耐震化すると見込んでおります。それから、残り11600戸が世田谷区での直接支援、および、広報相談で耐震改修誘導分としております。

Q2,この目標設定でお聞きしたいのですが、耐震が必要な住宅65800戸のうち、54200戸は自然更新する、いわゆる(建て替え)するという根拠はどこにあるのでしょうか。19年度、20年度の建築実績も踏まえて教えてください。 

今年度の木造住宅の耐震診断は251件、分譲マンションの耐震診断は4件、それから、実際、耐震改修工事に行ったケースは木造39件、分譲マンションでは制度が始まったばかりでまだ0件とでております。

Q3,20年度予算では、木造住宅の無料耐震診断は600件、木造住宅の耐震改修助成は70件でありましたが、現在、計画よりかなり下回っております。住宅所有者が、耐震診断、耐震改修に躊躇してしまっている状況でありますが、どこに問題があるとおもいますが。

今のお答ですと、意欲はあるが、信頼できる業者かどうかわからない、改修費用の根拠がわからない、建て替えの方がベターなど要因は様々あるとのことですが、

先日の第一回世田谷区議会区長召集挨拶の中で、区長は住宅の耐震改修については、区の耐震診断を受け、耐震改修が必要とされていながら、耐震改修への不安などにより工事をされていない区民の方々がいる現状を踏まえて、専門家を無料で派遣して、よりきめ細かな説明などを行う、耐震改修無料訪問相談を開始するとの挨拶がありましたが、このような施策は、非常に重要であると思います。 

私は、問題の一つには、経済的側面が大きいのではないかと思います。やりたい気持ちでありながらお金のことで、躊躇してしまう方も多いのではないかと思います。

現在、世田谷区では、木造住宅の場合は耐震診断助成は無料であります。また、改修工事助成は、設計・工事監理・リフォームを含めて100万円の助成であり大変充実しております。改修工事費用を廉価で抑えるようにできれば、大きく進展することができるのではないかと思います。 

Q4,実際の木造住宅の改修工事の平均工事価格はどのくらいかかっているのでしょうか。

浜松市の場合、木造住宅の耐震改修率が非常に高いと聞いております。とくに、当地域は東海地震の想定される地域であり、地震に対する意識は非常に高い地域でありますが、木造住宅の耐震改修助成は世田谷区の上限100万円と比較して30万円と低い補助でしかないのに改修率が高いようです。行政、市民、地元建築業者が一体となって取り組んでいる成果ともきいております。

Q5,この様に、自治体・所有者・地元建築業者が一体となって耐震対策に取組んでいるところもありますが、区の見解はいかがでしょうか 

さて、次に、分譲マンションについてでありますが、実際、私も分譲マンションに住んでいるものの一人として、分譲マンションの耐震改修を進めるのは戸建住宅よりかなり複雑、かつ、困難であることと認識いたします。なぜなら、例えば、マンションの耐震診断をして、その診断結果のIS値が悪ければ、とたんに分譲マンションの流通価格が下落することが予想され、診断すること自体躊躇するマンションの管理組合もあるのではないかと思います。また、耐震改修をしようと思っていても、修繕積立金がない場合は、個々人の負担から費用の拠出になるわけでありまして、中には収入がほとんど年金しかない高齢者やローンに追われている世帯ではその費用を拠出できない世帯もあり、合意形成がきわめて困難であろうかとおもいます。いっそのこと建て替えるという手法もありますが、その場合も建ぺい率や容積率で充分上に高層化できるマンションならば建て替えも可能かと思いますが、既存不適格のマンションなどでは建て替え自体も大変難しいとおもいます。 

世田谷区には老朽化したマンションが多くあります。

平成20年度の調査ですが、築40年経過した分譲マンション77棟(3231戸)あるとのことであります。

今後、老朽化したマンションに対する取り組みをどうするのか民間のことではあるものの、世田谷区として十分取り組む必要があります。

Q6,そこで、提案したいのですが、世田谷区にはマンションの耐震改修アドバイザーの制度もありますが、例えば、世田谷区でマンション管理組合の理事の方とかを集めて、マンションの耐震診断、また、耐震改修、さらには建て替えをも含めて長期的、定期的に世田谷区と協議会をもって対応していくのはどうかと思います。区の見解はいかがでしょうか。 

Q7,最後に今後の世田谷区の老朽化マンションに対する取り組みについて区民の生命を守る立場からどうするのかお聞きいたします。

 

【2】高齢者の住宅確保

次に、高齢者の住宅確保について質問いたします。

議員になってより多くの区民相談をいただいておりますが、その中で多いのが、住居の相談です。特に高齢者の方が立ち退きでアパートをでることになったが入るアパートがみつからないとか、今まで、アパートの2階に住んでいたが、階段を登れなくなって一階のアパートを探しているがみつからないなど、多くの相談があります。 

都営住宅や区営住宅に応募するものの、世田谷区ではたとえば昨年の5月の都営住宅の一般募集においては世田谷区の募集戸数22戸に対して、応募は、1671件と倍率は76倍であります。公営住宅だけでは、全く高齢者の住まいの確保は難しいいのが現状であります。

しかし、世田谷区では、住宅土地統計調査によりますと、民間の住宅は約1割程度空いているといわれております。今後、この民間のストックをどのように高齢者のニーズとマッチングさせるかが今後の不足する高齢者住宅の大きな取組になると思います。

世田谷区では、一早く、19年の9月より住まいのサポートセンターを立ち上げました。ここでは区民の住まいに関する相談について、総合的に案内しております。特に、高齢者、障害のある方、ひとり親世帯の方の居住を支援する事業を実施するとともに、住まいに関する区の事業や施策、サービス、催し物等の情報を集め、提供しております。

この住宅サポートセンターの賃貸物件情報提供サービスに相談にされた件数を見ますと、相談件数393件、実際の成立までいった件数が174件であります。現在、火曜日と木曜日の週2回のペースで相談を実施しておりますが、なかなか予約を取るのも、2か月まちとか聞いております。

そこで何点かお聞きします。 

Q1、相談にいっても、成立に結びつかない要因はどこにあるのでしょうか。家賃の問題でしょうか、または、不動産物件のストックの問題でしょうか。また、相談体制の整備の問題でしょうか

次に、居住支援住宅認証制度についてお聞きいたします。

区内で一般に供給される民間住宅のうち、高齢者等の方の入居を拒まない住宅について「居住支援住宅」として、認証しております。

オーナーの方には、認証を受けた賃貸住宅に火災警報器を設置して頂き、そこに入居した高齢者の方には「定期的な安否確認 電話訪問サービス、住まいの安心訪問サービス」を行い、オーナーの方が安心して地域で暮らせる支援をしております。 

Q2,しかし、現在、この居住支援住宅認証制度は1年半経過しますが、まだ、実績がないとのことです。今後、どのように普及啓発を図っていくつもりかお聞かせください。 

やはり、高齢者の居住については、オーナーさんも不安があることは、事実であります。世田谷区では先程のソフト面での支援は理解できますが、今後、実行性あるものにするには、もう一歩踏み込んでいく必要があろうかと思います。

Q3,たとえば、居住支援住宅になったオーナーさんには経済的プライオリティを提示することも含めて検討することはできないものでしょうか。

 

【3】公園のトイレ設置について

次に、世田谷区の公園のトイレについて質問いたします。

社会の急速な高齢化と少子化の進展、障害者を含めたすべての人々の社会参加の要請の高まりの中で、ユニバーサルデザインの考え方が重要視されるようになり、平成18年6月、国は、交通バリアフリー法とハートビル法を一体化し、高齢者、障害者等の円滑な移動及び建築物等の施設の円滑な利用に関する施策を総合的に推進することを目的と「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」を公布し、平成18年12月20日に施行しました。

 世田谷区においても、ユニバーサルデザインに係る施策の推進を図るために「ユニバーサルデザイン推進大綱」が策定され、庁内の横断的かつ継続的な連携を示すとともにバリアフリーを継続・発展させるための新たな条例の制定が提案されました。これを受け、平成19年3月14日に「福祉のいえ・まち推進条例」を廃止し、「ユニバーサルデザイン推進条例」を施行しました。

 このような流れの中で公共施設も「どこでもだれでも自由に使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方を踏まえ、すべての人が便利で心地よく利用できる地域社会の実現に取り組むことになりました。

公園におけるトイレについてもユニバーサルデザインの意識にたって現在、設置されているとおもいます。

私の住んでいる近くでも大きな公園には、バリアフリー仕様のトイレが設置されていたり、例えば烏山緑道沿いや北沢緑道沿いのお散歩コースにもところどころにトイレが設置されたりして、歩行者には大変助かっておりますが、ところによっては一部トイレが公園になく、支障をきたしているとの声も聞かれます。

Q1,そこで、お聞きしたいのですが、公園や緑道のトイレの設置基準についてお伺いいたします。 

最近、大原1丁目と大原2丁目のところに、区立玉川上水緑道とその緑道にそってあるこどもの遊び場や大原GOGO公園などには近隣のこどもが遊びにきておりますが、近くにはトイレが全くなく、お子様連れの親から是非、公園や緑道にトイレを作ってほしいとの要望もあります。現状調べたところでは、緑道の下には水道管が下に入っており工作物を作るのはなかなか難しいとのことであります。  Q2,ユニバーサルデザインの観点からも何らかの取り組みができないものでしょうか見解をお聞きいたします。