第三回定例会 公明党代表質問

9月16日より第三回定例会が始まりました。
公明党の代表質問は二日目の17日に板井議員が登壇して30分の質問を行いました。
以下、代表質問の概要を掲載いたします。

公明党世田谷区議団を代表して質問並びに提案をいたします。
始めに「区長の区政運営について」うかがいします。
この4月より「世田谷区基本構想」を踏まえ、今後10年間の区政運営の基本的指針となる基本計画及び、具体的な取り組みを示す4年間の新実施計画がスタートしました。
それを補完する、今般示された、図書館ビジョン、環境基本計画、本庁舎等整備や地域行政の展開、地域包括ケアの地区展開などは、わが党のこれまでの主張が反映されておらず、甚だ残念としか言いようがありません。各課題については以下論じてまいりますが、ここでは、「環境基本計画」に絞って、区長の区政運営についてお尋ねいたします。
まず、区長にとって全政策の中における環境政策の位置づけとは、一体いかなるものなのかを問わなければなりません。東日本大震災を経験した私たちにとって、環境政策とりわけエネルギー政策は生命の根幹にかかわるテーマであると考えております。勿論、保坂区長はその点を、誰よりも痛切に認識しているはずです。であればこそ、私は環境基本計画に区長としての「こだわり」を求めたいのであります。しかし、“その片鱗すら見られない”と感じるのは、果たしてわが党だけでありましょうか。確かに環境基本計画に示されている各項目はそれなりに必要であります。しかし、保坂区長は東日本大震災の悲惨さを二度と繰り返してはならないと決意され、それを原点として政策形成に臨まれているはずです。
例を挙げれば、区長は「水素エネルギー」について、招集あいさつでも言及されていますが、肝心の環境基本には、「国のエネルギー計画に水素社会の実現に向けた取り組みが示された」との一文のみに留まっています。確かに一自治体でその実現に取り掛かろうというのは無謀なことかもしれません。しかし「何が何でも私がやる」との、その強烈なエネルギーこそが国を動かすのだと言うことも、区長自身が一番ご存じではないでしょうか。
区長はこれまで区政の各課題において、有識者会議とかシンポジウムを開催し多くの方の意見を聞いてこられたかと思いますが、最後に決めるのがリーダーとしての区長の責務であり、区長以外にはいないのであります。なぜ決断すべき時に決断できないのか、「シンポジウムは踊る、されど決まらず」では、議会とは「両輪」にはなれません。区長自らのリーダーシップ論、信念とは何なのか、環境基本計画とあわせて率直におうかがいいたします。

次に、「大介護時代にどう備えるのか」について、3点質問いたします。
はじめに、認知症対策についてうかがいます。わが党は、6月から7月までの2か月間で「介護実態アンケート調査」を実施し、幅広い世代約1万人から回答を得ました。現在、分析を行っていますが、集計では35%の方は何らかの形で認知症の方との接点があることが分りました。また、望まれる認知症対策として、約25%の方が早期発見早期診療体制づくりを、約18%の方がグループホームなどの施設整備の必要性を、約10%の方が徘徊行動などに対する福祉サービス制度の充実を求めていることが分りました。
区は、認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業を受託し、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせる地域社会の実現に向け、梅ヶ丘病院跡地に「認知症在宅生活サポートセンター」構想を策定していますが、小規模多機能型居宅介護サービスなど多岐にわたる認知症対策が必要と考えますが、今後進めていくうえで、重点を置く政策を改めてうかがいます。
次は、地区における高齢者の見守りとニーズ調査についてです。先のアンケートでは「高齢者の見守り」についても調査しました。望まれる見守りの施策として約22%の方が「ひとり暮らしの高齢者への援助」を、約17%の方が「家族などの介護者に対する援助」を、約13%の方が「高齢者向け住宅の整備」を挙げていました。わが党はこれまで、地域包括ケアシステムの構築には、地域の実態とニーズを客観的に把握する必要があると訴えて参りました。
今後一人暮らしや高齢者のみ世帯が増え、介護サービスや生活支援等の必要性が増すと考えられます。地域包括ケアシステムの構築にとっても、高齢者を地域で支える高齢者の見守りはますます重要と考えます。世田谷区においても、10月からモデル実施する砧地域に加え、来年度から実施する4地域においても、見守りの必要性などのニーズを把握することが重要と思いますが、あわせて見解をうかがいます。
第3に、地域包括ケアシステムの地区展開に伴う諸課題についてうかがいます。
地域包括ケアシステムは、言うまでもなく、介護が必要になった高齢者も、住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられるように、「医療・介護・介護予防・生活支援・住まい」の五つのサービスを、一体的に提供することであります。したがって、この体制を現場レベルで実効ある形で推進するためには、多職種の専門性を活かしレベルアップが図れる体制を築くことが重要であります。
10月より砧地区でスタートするモデル実施では、あんしんすこやかセンター、まちづくりセンター、社会福祉協議会が同居しただけで、地域資源の再編や開発などのサービスを有機的に生かすコーディネーター役が不在です。改めて訴えます。まちづくりセンターがその役割を担えるよう、モデル事業に反映させ、検証すべきです。見解をうかがいます。

次に「本庁舎整備について」質問いたします。
本年3月に本庁舎等整備方針が打ち出され、今後この整備方針に基づき、2年間かけて基本構想策定を策定するとしています。しかし、検討項目である整備手法については、本庁舎配置等を全部改築のパターン、一部を残して他を改築するその他のパターンと複数のシミュレーションが示されました。率直に言って、この段階にきて、まだ一部改築を模索していることに自体に疑問を呈するところであります。
さらに、区民会館の収容規模についても500名規模と1200名規模が併せて報告されていますが、「文化都市せたがや」として必要とされる規模、また有事には災害時の避難場所、物資集積場所として必要とされる規模は明らかであります。明年2月に本庁舎整備基本構想中間まとめを提示する予定とのことですが、現在本庁舎が抱える、老朽化、狭あい化、分散化、災害対策を前提に整備を進めるのであるならば、更なるスピード感を持って結論を見出すべきです。全部改築への方向性を決断すべきです。区長の意思を明確にお示しいただきたい。

次に「幼児教育センター設置に向けた取り組みについて」うかがいします。
これまで、わが会派は、京都市の「こどもみらい館」が先進的に取り組んできた就学前教育の事例を取り上げ、本区としての幼児教育センター設置の必要性を再三訴えて参りました。この間、東京都教育委員会においても、就学前教育と小学校教育との円滑な接続のための保育所や幼稚園等と小学校との連携の具体的な方策を示した「就学前教育プログラム」と、発達や学びの連続性を考慮しながら0歳児から5歳児の発達に応じて確実に経験させたい内容を明らかにした保育・教育課程を示した「就学前教育カリキュラム」を開発し、モデル地域において効果の検証等を経て、昨年度、その報告書が都内の保育所・幼稚園・認定こども園に配布されたとうかがっております。
何れにせよ、今回示された区立多門幼稚園の用途転換の基本的な考え方には、区立幼稚園が初めて認定こども園になることから、教育・保育カリキュラムなどの実践を及び検証の場とすることが明確にうたわれています。教育委員会が就学前教育に全力をあげる姿勢を積極的に打ち出したと歓迎するものでありますが、幼児教育センターの開設にシッカリつなげる意味でも、区独自のカリキュラの開発を視野に入れた就学前教育の充実に、一刻も早く踏み出すべきと申し上げますが、教育長の見解をうかがいます。

次に「危険ドラックに対する取り組みについて」であります。
わが党は平成18年より、若者の薬物に対する防止イベントを定期的に開催し、乱用防止を訴え、意識啓発と根絶に取り組んで参りました。その背景には、夜回り先生で有名な水谷修氏より閑静な住宅街である世田谷が六本木、八王子に次ぐ薬物売買の温床となっている、との指摘を受けたことに始まります。
都内のあるボランティア団体が実施した、10代から30代を対象にしたアンケート結果でも、薬物使用経験者は6.9%、身近で使用している人がいるとの回答が17.1%と驚くべき結果となっており、薬物汚染は低年齢化という危険ゾーンに陥っていると指摘をしています。
6月に発生した池袋脱法ハーブ暴走事故に代表されるような薬物を原因とする事件が各地で発生していることを考えると、世田谷区としても「危険ドラッグ」をどう排除していくのか、「薬物を許さない」意識啓発のネットワークをどう拡げるのか、明確な意思表示が不可欠であると考えます。東京都は警察官に調査権を可能とする条例改正をめざしていますが、世田谷区として、義務教育期間における教育を通した普及啓発、さらには地域における流通実態など、警察をはじめとする関係機関との連携の強化が求められます。現状での「危険ドラック」を含めた薬物乱用防止に対する取り組みと、今後の薬物乱用防止教育への取り組みについてうかがいます。

 次に、「土砂災害に対する措置について」うかがいします。
先ごろ発生した広島市における土砂災害では死者73人、行方不明者1人、今なお約900人の方が避難生活を余儀なくされています。改めて亡くなられた方々、被害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
また東京都では、大雨で土砂災害の危険性が高まったとき、迅速で適正な避難行動がとれるよう、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定を進めており、現在、22か所の自然崖の基礎調査が進められています。指定された場合、区はハザードマップの作成や警戒避難体制の整備に取り組まなければなりません。
また、国は広島市の土砂災害や過去に類を見ない集中豪雨が多発する現状を踏まえ、土砂災害警戒区域の指定を促すために土砂災害防止法の改正に言及し、加えて、都道府県が警戒区域などの指定の際に行う基礎調査の結果を公表する事を明らかにしました。そこで2点質問いたします。
 1点目は、土砂災害防止法に基づく区域指定に向けて都が行っている調査の状況、ならびに今後の予定についてうかがいます。また、都の調査にあわせ、区も独自調査を行うと聞いていますが、現状をうかがいます。
2点目は、国が警戒区域などの指定の際に行う基礎調査の結果を公表する事を明らかにしました。対象となるのが、斜度30度以上高さ5㍍以上の急傾斜地であり、区内には、対象となる土砂災害危険個所が57あるとうかがっています。何らかの現実的な対応が必要と考えますが、区の見解をうかがいます。

 次に、「第2次図書館ビジョンについて」うかがいします。
今般、素案が示されましたが、依然として従来型の公立図書館運営に留まる内容ばかりで、図書館改革への踏み込みが甘いと言わざるを得ません。わが党はこれまで、武雄市や海老名市の例を挙げ、今こそ、図書館から街のにぎわいと市民の活力につながる改革への道筋を示すべきと提案してきました。図書館改革で問われているのは自治体の経営手腕であり、行政トップのリーダーシップであります。
党で、各区立図書館の来館者の推移を調べたところ、中央図書館と経堂図書館の2館しかデータがなく、かつ両館とも来館者は平成22年度よりゆるやかに減少しています。百歩譲って、今回の図書館ビジョンを貫くというなら、来館者数など、改革の指針を具体的な数値目標をもって示して頂きたいものであります。
改めて申し上げますが、わが党は、区立図書館改革の第一歩は中央図書館の改革にあると認識しています。目的外使用も含め、知と学びと文化のテーマパークとして大きく変わる機会と捉え、民間経営の知恵に勇気をもって委ねるべきと訴えますが、区の決断を求めます。

 次に、「公契約条例について」うかがいします。
平成21年の3月議会の予算特別委員会で、わが党より、区が発注する公共工事は区内産業の活性化につなげなければならないとして、①元請けである区内事業者の現場従事者がほぼ区外在住者であること、②事業者としても低価格による請負が区外事業者へと転嫁する要因になっているとのアンケート調査で判明した実態を取り上げ、公契約条例の必要性を指摘しました。議論を経て、現在の条例制定に至ったことは一定の評価をいたします。
しかしわが党は、区内産業、中小・零細の建設従事者を元請企業が積極的に活用できるよう総合評価制度など入札改革を進めることを求め、区内企業や従事者を活用するインセンティブを付与する手法を公契約制度と入札改革の中で一体的に明示するよう訴えてきましたが、この点があまりに弱いと言わざるを得ません。区内産業の活性化を区は、真剣に取り組む決意と姿勢が感じられません。さらに、いつの間にか労働問題に特化した議論に変遷していったのは甚だ残念であります。そこで、4点質問します。
1点目は、建設従事者が減少し工期が遅れるという事態も発生していますが、条例制定による建設従事者の増加をどのように誘引するつもりなのか、おうかがいします。
2点目は、商工農に限らない区の産業政策として、中小・小規模の建設産業に対する活性化をどのように進めるのか、見解をうかがいます。
3点目は、元請け事業者が下請け事業を、区内事業者へ発注する場合に評価するシステムを構築すべきであります。現在の状況を正確に掌握し、数値目標を立てて推進すべきであります。決意をうかがいます。
4点目は、区内事業者への直接発注をいかにして増やすかであります。そのためには、発注形態を従来の業種ごとに分離発注することによる区内産業活性化へとつなげるべきです。具体的な数値目標も含めた取り組みを求めます。

 次に、「公共施設の指定管理について」質問いたします。
区民利用施設は、幅広い区民活動を保障する中心拠点として、重要な役割を担っています。その区民利用施設を継続的に維持・運営するためには、現行の指定管理者制度の中で、適正な利用料によって公共施設のマネジメントが図られること、また、指定管理事業者の知恵と工夫によって、収益が上げられ、官民協働による収支バランスのとれた安定的な公共施設運営へと転換していくことが、施設の長寿命化につながる重要な事だと考えます。
そこで、世田谷区民ホールなど区内5カ所のホールの昨年度の利用状況を調査したところ、世田谷区民ホールで年間利用数700回のうち公用利用が355回、実に半数を超える50.7%。北沢タウンホールでは利用数563回のうち、公用が186回で33%。成城ホールでは利用数808回のうち公用175回で21.8%。玉川区民ホールでは利用数316回うち公用67回で21.2%。烏山区民ホールでは利用数365回のうち公用101回で26.2%となっています。このように公用利用という名目のもとに、無料で公共施設が数多く使用されている実態が明らかになりました。
今、述べた公用利用分を一般利用の金額に換算すると、5施設の合計は約5千百万強になります。言い換えれば、本来収入となっても良いはずの5千万円が無料で使用されていることになります。さらに言えば、公用で押さえ使用しないケースも散見するのです。現行、指定管理事業者は利用料の見込めない公用利用は区との契約上、成立しているとはいえ、常識ではあり得ない制度です。同じようなことが集会室系の区民利用施設でも行われており、公用利用の在り方について、適正な維持管理の面から見直す必要があると考えます。そこで2点質問いたします。
1点目は、公共施設における公的利用に伴う無料扱いの見直しです。区の見解をうかがいます。特に、公用利用で指定管理者の努力の余地がまったくない象徴が、がやがや館です。収益をもたらすはずの多目的室と特定の会議室が10月だけでの無料扱いとなる公用が8割を占めており、異常と思いますが、区の見解をおうかがいします。
2点目は、指定管理事業者を単なる業務委託に留めるのではなく、指定管理事業者の自由度を高め、施設の有効利用の工夫を促すための仕組みづくりであります。そのためには、条例改正や成果手法も導入すべきと考えますが、見解をおうかがいします。

 次に、「がん対策推進条例について」質問いたします。
今般、区はがん対策推進条例を発表しました。特に条例の中で「がん患者及び家族に対する支援」として、がんに関する信頼することができる情報が得られるよう支援する「がん相談窓口」の設置を決定したことは、一定の評価をいたします。今後は、明春の条例施行に向けて、具体的な取り組みを示す「がん対策推進計画」の策定が大変重要であることは言うまでもありませんが、医療技術が進展する中、がん検診受診率の更なる向上や、がん患者が安心して暮らし続ける為に、がん診療連携拠点病院とのネットワークや在宅診療体制の構築、治療を受けながら就労継続できる職場環境の整備など課題は山積しており、がん患者のQOLを高める具体的な計画策定が求められます。そこで、2点質問いたします。
1点目は、がんになっても就労継続できる職場環境の整備であります。例えば、産業部門と連携し、区内事業者への労務相談等を通じ、がん患者に対する職場環境の整備や理解促進、そして職場全体でがん検診を受診するよう働きかけることが必要であります。また、高額ながん治療費をサポートする仕組みを区内の信金などと連携し構築するなど、具体的なアプローチも必要です。区の見解をうかがいます。
2点目は、がんと診断された患者及び家族の支援であります。今後の治療、在宅療養等様々な不安を少しでも軽減するために、在宅療養をサポートする情報を適切に提供できるよう、区は、がん診療連携拠点病院と世田谷区医師会、薬剤師会、介護事業者等、医療、福祉等の細やかな連携を図り、「がん相談窓口」の一層の充実が求められますが、区の見解をうかがいます。

 次に、「都市農業の更なる振興策について」うかがいします。
近年「食と農」への関心が高まり、身近な都市農業に注目が集まる一方で、東京などの大都市圏の農地は、担い手の高齢化、後継者不足、税負担などにあえぎ年々減少を続けています。国においては、5月に「都市農業・都市農地基本法案」の中間とりまとめを行い、秋の臨時国会において、都市と農業の共存に向けた本格的な政策議論の展開に期待が集まります。
さて、都内の農地は2013年現在7400haで、1985年の12500haから4割以上も減少しており、全域が市街化区域内の23区内に至っては607haとなっています。しかし、こうした厳しい状況下おいても農地を現在まで維持してきた大都市近郊の農家の方々の「農地を守らなくてはならない」との強い思いが地域に浸透し、農とのふれあい、さらに災害時の防災空間などその多面的な機能が見直され、まちづくり政策としても農地保全の必要性が強く認識されるようになってきました。
そこで、「都市農業・都市農地基本法案」の成立へ向けて、この契機を捉え、区として新たな振興策につなげていけるのか、その可能性をおうかがいします。
また、自然循環や涵養、潤いややすらぎなどの心理的効果のほか、災害時におけるオープンスペースとしての機能など多面的な要素をインセンティブとした負担軽減策も考えられますが、区の見解をうかがいます。
次に、「保育待機児解消への取り組みについて」うかがいします。
子ども・子育て支援新制度に向けて、世田谷区が定めるべき条例が、今定例会に示されました。新制度になっても幼児教育、保育、地域の子ども・子育て支援の質・量の拡充を図ることは言うまでもありませんが、当区において何より重要なのが待機児解消に向けた取り組みであります。
今年4月の待機児数は、1109人と過去最悪を更新しました。保護者から来年度の入園に関し心配の声が早くも聞こえています。区は、待機児解消のために今年度1400人分の保育園増設、今後5年間に7千人分の保育園増設を確実に実行することが強く求められますが、待機児解消について、公有地を活用した認可園整備については着実に進めることは勿論ですが、わが党は従前より、なりふり構わず、あらゆる手法を駆使して拡充策を具体的に検討すべきと訴えてきました。目標達成への道筋を具体的にお示し願いたい。また、これまで保育サービスとして高い評価を得てきた、保育室・保育ママが新制度へ着実に移行するための支援も必要と考えますが、区の見解をうかがいします。

 次に、「迷惑空き家等の対策について」お聞きいたします。
今般、空き家等の対策の推進等に関する条例の骨子が示され、条例制定に向け一歩前進したと評価いたします。
また、秋の臨時国会においては「空き家対策の推進に関する特別措置法案」提出される予定であり、自治体に「撤去」促す権限の付与も検討されているようであります。わが党がこれまで提案してきた空き家活用と併せて、管理不全な建物の対応策が具現化されるものと、大いに期待しております。
しかし、課題となるのが「いわゆるごみ屋敷」についてであります。ごみ屋敷は、老朽空き家とは異なり人が居住しているため、単にゴミを処分すれば解決するという問題ではありません。居住者の精神疾患や認知症などがある場合、福祉的な支援が必要であり、しかも個別事案ごとにきめ細やく、粘り強い対応することは求められます。
区では、保健福祉関係所管や関係機関と連携し、居住者に保健福祉サービスの利用を促すなどの対応をするとのことですが、現在、進めている地域包括ケアシステムの構築に合わせ、ゴミ屋敷対策等も枠組みに組み入れた検討が必要と考えますが、区の見解をうかがいます。

最後に「映像発症のまち・せたがや」についてお尋ねいたします。
現在、ハリウッド版の映画「ゴジラ」が大ヒット中であります。NHKも7月に「ゴジラ誕生60周年記念特集」を組み、生みの親である「円谷監督」を紹介するなど、数々の懐かしい作品に子ども時代に見たゴジラを懐かしく思い起こしました。
ゴジラは砧の東宝撮影所で撮影されたことは有名ですが、「特撮で名高い」ウルトラマンも世田谷が生み出した大ヒーローです。さらにアニメ・サザエさんも桜新町が生み出した世界一温かい家族像と言えましょう。このように世田谷は「映像発症のまち・せたがや」「特撮のまち・せたがや」としての歴史を歩んできているのであります。こうしたヒーロー、ヒロインは世田谷区にとって大変貴重な地域財産であります。その得難いキャラクターは間違いなく産業活性化へ向けての起爆剤となり、世田谷の文化・芸術をさらなる高みへと誘ってくれる気流となるはずです。世田谷美術館では来年度「東宝展」を企画しているともうかがっています。そこで質問いたします。
1点目は、これまで幾度となく提案してきました「世田谷ナンバー」導入を契機とした産業振興策についてです。2か月後に迫った今、コラボすることはできないものか、改めてうかがいたいと思います。
2点目は、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催は、「映像発症のまち・せたがや」「特撮のまち・せたがや」を世界中の人々に知って頂く又とない機会であります。世界の人々が「ゴジラ・ウルトラマン・サザエさん」を求めて、世田谷を訪れる有り様を想像することは、大きな楽しみであります。そのためにも、今から新たな官民共同体を組織し、創造性溢れる新しいコミッションを展開すべきと考えますが、区の見解をおうかがいいたします。