本日は予算特別委員会の6日目です。文教領域の質疑で公明党より河村委員、岡本委員と私が代表で質問席にたちました。
私の質問内容は、
1.こどもの生活習慣病予防検診での血液検査について
2.不登校対策について
であります。約27分の質疑応答をしました。
以下、質問概要を掲載いたします。
【こどもの生活習慣病の予防検診―血液検査】
現在、小中学校で、法定義務になっている検診は定期健診、心臓検診、腎臓検診などがあります。
学校での生活習慣病予防検診は、法定検診ではなく、血液検査は任意検査になっております。
健康診断の血液検査は、身体に隠れた様々な問題などを発見することができ、血液検査は私たちの健康を調べるうえで極めて有効な手段の一つである。
公明新聞の記事で、香川県三木町(みきちょう)(人口約28000人)では小中学校で血液検査を実施とでておりました。
三木町の校医であった医師が、体調を崩し、診察にやってくる生徒の血液を検査したところ、血糖値などに異常が目立っていたそうでした。
いずれも食生活や生活の乱れ、運動不足によるものだと推測された。また、肥満傾向の生徒が増えていることに危機感を持っていた。
学校検診では血液検査は対象外であったが、「こどもの異常を見つけ、改善するには客観的なデータが得られる血液検査が必要である」として、独自に町で血液検査を初めたものである。(1987年からで30年続いております。)
血液検査は、小学校4年生と中学校1年生全員に実施、生活習慣病の予防はこどもの時代からすべきとし、健康指導や早期受診に結び付けておりました。
健康面の改善実績としては小学校4年生時、肥満と診断された22名の肥満度の平均値が34.1%であったものが、中学校1年生になった場合、肥満度は27.1%に改善して肥満、糖尿病、動脈硬化ともに成果を上げているとでておりました。
二年前に視察に行った松本市では、こどもの生活習慣改善事業として血液検査の実施をしている
こどもの時の生活習慣が将来の健康づくりの基礎となる
生活習慣病対策は、おとなでは遅い
こどもの時期に望ましい生活習慣を形成することを目指すべきである。
このような意義づけで平成10年より血液検査を導入しました。
現在、松本市では小学校4年と中学校2年で、同意をして確認した児童生徒で、現在90%の児童生徒約2200人が実施しているとききました。
昨年視察に行った上越市でも生活習慣病の発症予防と重症化予防のために、小学校5年生と中学校2年生に対して血液検査を希望制で行っておりました。
児童生徒の生活習慣病対策としての血液検査の必要性について文科省に見解を聞いてきました。
学校検診の在り方に対する検討会でも血液検査は課題になっているものの、血液検査を全国一律に学校で行うことは困難であるとのことで、あくまで学校の検診は学校生活を送る上で支障があるかどうかが判断である。
質問1、こどもの生活習慣病予防に血液検査が有効であることについての認識を問う
世田谷区の生活習慣病予防検診での血液検査の実施状況
世田谷区での区立小中学校における児童生徒の生活習慣予防検診
対象者 肥満度30%以上の小学校2.4年、中学校1年、前年度管理区分が「一年後再検」及び「要精密」で専門医療機関未受信のもの、その他学校が受診勧奨したものの内受診希望者
検診
① 医師による検診 血液検査 血圧測定、計測、医師の問診
② 栄養士による栄養指導 食事診断、計測、個別指導
世田谷の学校保健によりますと平成26年の集計では
肥満度30パーセント以上の児童生徒は、小学校中学校合計で884名(2.1%いる)
小学校2,4年、中学校1年の対象者335人で検診希望者169人 で
148人が血液検査を行いました。その結果は 67.6%が異常ありとなっておりました。
質問2、335人のうち148人しか血液検査しない理由、対象者のうち半分しか血液検査をしていない。
質問3.例えば小学校4年が、中学校1年でついてどのくらい改善されているのか
この約68%の方の時系列での改善状況を教えてください。
改善状況は統計的に把握できていない。何年も前からやっている事業なら評価検証をしっかりすべきである。
質問4.そもそも、68%で3分の2の児童生徒が血液検査で異常の数値がでていることに対して、何とかしなければ、何とかしようとは思いませんか。884人の対象者では約590人が異常となると想定されます。この590人をどう考えますか
質問5、一般的には、20%以上から軽度肥満と言われている。30%の血液検査で約68%という高率の異常値が出ているならば
30%でなくても20%以上の軽度肥満から血液検査の対象にしてもいいのではないか。分母を広げる分、幅広い児童生徒の健康調査が可能となるわけです。(2%から5%に対象者が広がる)
世田谷区で30%以上血液検査としている根拠はどこにあるのか。20%以上の軽度肥満児童も対象にすべきと思います。
血液検査を実施した場合の1件あたりのコストはどのくらいかかるか。例えば、小学校4年生全員に検査した場合のコストはどのくらいかを調べてもらったところ、1件当たり7441円かかっているとのことです。また小学生4年生全員とすれば(5342名)約4000万円かかることになる。
質問6、小学校2、4年、中学校1年の全児童生徒に対する血液検査を病院、大学、医師会などと連携し、まずは、小中学校でモデル実施すべきと考えますが、見解を伺います。
生活習慣病からこどもを守る。生活習慣病は大人では遅い、こどものときから望ましい生活習慣を作るべきで、その基礎調査が血液検査になる
モデル実施を求めます。
【不登校対策】
不登校の児童生徒数は、世田谷区では平成24年度まで横ばいだったが、現在増加しているとのことです。
最新の東京都学校基本調査では世田谷区での不登校数は、小学校185人、中学校336人とのことで、支援に向けての取組が一層必要とおもいます。
不登校になる原因は、小学校では不安など情緒的な混乱、無気力、親子関係、また、中学校では遊び非行なども原因とされております。
また、家庭状況の影響、発達障害や虐待ということに起因するケースなど要因や背景も複合的であるとのことです。
不登校状況が長引くと社会的、職業的に自立ができない若者いわゆる引きこもり状態が生み出されることになってしまい、社会的にも大きな問題となります。
私は、学校では不登校の未然防止、予兆の早期発見及び発見した課題への早期対応に努めるとともに、児童生徒が不登校になってしまった場合は、迅速に支援を開始し、児童生徒が学校に戻っていけるように全力を尽くすことが何よりも重要であると思います。
不登校に対する取り組みについて何点かお聞きいたします。
学校における取組
不登校の児童生徒に対しては、学校の担任が指導相談し、登校の働きかけをしております。また、学級担任だけでなく、管理職や擁護教諭なども一緒に取り組みしております。
また、保健室など教室とは別な場所に登校させるなど個々別々な学習支援も行われております。
質問1.不登校生徒を、担任や学校任せにしないで、不登校児童生徒に対する支援体制をあらゆる組織を活用していくことが重要と考えます。
不登校支援では、今後ますます、外部機関との連携が必要になってきております。その連携調整が円滑にできるように更なる体制整備をすべきと考えますが見解を問う
外部人材の活用
スクールカウンセラーは世田谷区では平成15年年度までに全校に配置しました。スクールソーシャルワーカーは22年から配置して、27年から4名体制で行っているとのことでありますが、
質問2.スクールソーシャルワーカーについては、近年の社会、家庭環境の変化に伴い、経済困窮や病症、非行や福祉的課題を抱えた児童生徒が増加しており、スクールソーシャルワーカーは福祉と教育をつなぐ橋として更なる増員が必要と思います。見解を伺います。
学校外における支援
世田谷区では現在2か所のほっとスクールで不登校支援を行っております。また、フリースクールなど民間団体において不登校の児童生徒に居場所の提供、学習支援活動も行われております。
質問3、今後、三か所目のほっとスクールが旧希望ヶ丘中学校の跡地に整備されることになります。
先般、新教育センタ―構想が示されましたが、三か所目のほっとスクールの整備にあたっては、これまで取り組んできた不登校支援を強化・拡充していくための果たすべき役割を踏まえ、その必要な機能や民間活力の活用を視野に入れた運営手法を検討すべき考えます。
これから「仮称不登校支援アクションプラン」の中でとりまとめていくとのことですが、どのように検討を進めていくご予定でしょうか。