本日は予算特別委員会の4日目
福祉保健所管の質問席に立たせていただきました。
質問は
1、障がい者のグループホームの整備について
2、放課後デイサービスについて
3、障がい者の成人期の余暇活動の推進について
それぞれ質問しました。
質問概要を以下に掲載いたします。
【障害者のグループホームの整備】
世田谷ノーマライゼーションプランの基本理念は「障がいの有無にかかわらず、誰もが住み慣れた地域で自分らしい生活を安心して継続できる社会の実現」であります。
この理念にそって「障害に対する理解や配慮の促進」「共生社会実現のための区民、事業者、区の連携、協働」「ライフステージを通じた支援の仕組みづくり」が方向性として示されております。
このノーマライゼーションの理念から、障害者が安心して地域で自立した生活を送れるための住まいの場の確保は重要であります。
現在、障がい者の高齢化がすすんでおります。高齢の親と暮らす障害者の方は多くなっており、障害者のお家族の方からも、親亡き後の生活の場として身近な入所施設やグループホームを整備してほしいとの要望をたくさんいただいております。
梅ヶ丘拠点整備において来年4月に民間施設棟が完成し、定員60名の障がい者の地域生活支援型の入所施設ができることは区の障害福祉施策において前進でありますが、その入所期間は約3年間というもので、梅ヶ丘の障害者入所施設からの地域への移行先を見据え、障がい者の入居できるグループホーム等の整備をスピード感をもって促進する必要があると認識いたします。
グループホームの現状ですが、現在障害者の住まいは、持ち家6割、民間賃貸住宅2割、グループホームは2%程度といわれております。グループホームの数は現在、身体、知的、精神等あわせて区内で39カ所とのことです。
整備目標についてですが、第五期世田谷区障がい福祉計画でのグループホームの整備目標は、平成32年度まで370名とのことです。
いままでの整備数は274名分とのことで96名が目標数値となっております。
平成30年~31年の二か年では7カ所の目標としております。
現在決定しているところでは都有地の上北沢1丁目8人、民有地の上用賀4丁目7人とのことです。
グループホームの整備手法については、既存のアパートや住宅等を改修して整備するケースや区有地や民有地に新たに整備するケースがあります。
現在、区内にあります39棟のグループホームのうち、住宅やアパート等の民間物件を活用したケースは34棟、民有地活用は1棟、公有地活用は4棟で、
大半は民間物件活用による整備と聞いております。
Q1 既存アパートや戸建て住宅の活用、また空き家等の活用によりグループホームの整備誘導を図ることは今後も重要な視点と考えます。空き家活用における課題と推進方法についてお聞きいたします。
Q2また、民有地を活用して立てる場合、オーナーに立てていただいて整備費助成するケースもあれば、定期借地権で社会福祉法人が立ててそれに助成する手法もあります。
それぞれのメリットデメリットについてお聞きいたします。
Q3 公有地を活用したグループホームの整備を計画的にすすめることも必要です。特に多機能型施設整備にあわせて行うことが有効な手法であると考えます。国有地の活用、また、例えば大蔵団地や祖師谷団地など都営団地の建て替えにあわせグループホームの整備を都に働きかけをしたり、公営住宅以外でも例えばUR住宅等も活用し、その方策を事業者と検討することも必要と考えます。見解を問う
世田谷区ではみずほ銀行と官民連携の包括協定を締結する予定とのことです。銀行がもつ強みを生かしてこれまで以上に多岐にわたり連携を強化することで区が抱える様々な課題の解決や公共サービスの向上を目的としております。
みずほ銀行主催の不動産活用セミナーでは民有地活用の保育園整備の普及啓発を図っているとのことです。同様に障がい者グループホーム整備の普及啓発を図ることもできるのではないかと考えます。
Q4 官民連携の手法にて銀行などのネットワークを活用し障害者グループホームの整備促進につなげていくべきと考えますが見解を伺います。
合わせて、ハウスメーカーとの連携や宅建協会等の不動産業界との連携も生かしてグループホームの整備を推進することも必要かと考えます。
引き続きグループホームの計画的な推進をお願いして次の質問に移ります。
【放課後デイサービスについて】
放課後デイサービスの定義は、放課後や夏休みなど生活機能を向上するために訓練を継続的に行うことで学校教育と共に障害を持つ児童の自立を促していく目的と放課後の居場所を確保するという目的で創設されました。
具体的には学校授業終了後及び休業日において、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進、その他の便宜の供与をするものです。
平成24年に児童福祉法で位置づけられ、全国では5年間で4倍以上増えております。
世田谷区では現在36施設で420人、重心2施設10人とのことです。
さて、2月7日の毎日新聞に次のような記事が出ておりました。
「障害のあるこどもが利用する放課後デイサービスで事故が急増している。毎日新聞が都道府県など67自治体にアンケートしたところ、2016年度に少なくとも965件発生。17年度も11月時点で691件と1000件を超えるペースだ。背景には、新規参入事業者が相次ぎ、サービスの質の確保が追いついていない状況がある」と出ていました。
私が、区内の放課後デイサービスを実施している複数の事業所に伺ったところでは、きめ細やかに療育をされておりそのようなことは全く見られませんでしたが、全国ではこのような事故が発生しているとのことです。
Q1 世田谷区ではこのような事故の報告をうけているかお聞きいたします。
また、放課後デイサービスでは、障がいのある子どもの療育施設であるべきところが単なる居場所だけになっているとの声も聴きます。
子どものしっかりとした療育支援と安全確保のために万全を期すべきであると認識しますが、区の見解を伺う。
Q2 現在、区内で重度の障害児を受け入れている放課後デイサービスは多くありますが、国の制度では重度加算がありません。
利用者の安全と充実したサービスを提供する上では、国基準である10人の利用者に対し職員2名の配置以上の職員を配置しているのが現状であります。
事業者からは人件費がかなり経営を圧迫しているとの声も聴いております。区としてこの件について見解をうかがいます。
30年度の報酬改定では加算されるものもあれば減額されるものもあるとのことです。その増減による事業者への影響もよく見ていただきたいと思います。
そうした状況を鑑みて、国では支援の一定の質を担保するための全国共通の枠組みが必要であるため、障がい児への支援の基本的事項や職員の専門性の確保等を定めたガイドラインの策定を行いました。
各事業所では、このガイドラインの内容を踏まえつつ、各事業所の実情や個々のこどもの状況に応じて不断に創意工夫を図り、提供する支援の向上に努めなければならないとしております。
平成29年4月に省令改正において、運営基準の見直しがあり放課後デイサービスガイドラインの遵守及び自己評価結果の公表が義務付けられました。
Q3 区としても各事業者がガイドラインをしっかりと遵守されるよう取り組むべきと考えますが、具体的な方策を考えているのかお聞きいたします。
ガイドラインには
① 放課後等デイサービスの基本的役割
② 放課後等デイサービスの供給に当たっての基本的姿勢と基本活動
が示されています。
これらのガイドラインが遵守されるよう取組むことを求めて次の質問に移ります。
【障害者の成人期の余暇活動の推進】
東京都議会では、障害のある人が地域の場で文化活動等を行うことは、心身の健康保持、他者との交流による社会活動の拡大、生きがいづくりなど、さまざまな効果があるとし、平成28年2月に「障害のある青年・成人の余暇活動充実を求める意見書」を全会派一致で採択し、障害者総合支援法に余暇活動を明記することと、必要な予算措置を求める意見書を国へ提出されました。
しかし、まだ国においては青年・成人の余暇支援が制度的に位置づけられてはおらず、具体的な予算措置も講じられず、公的な支援は不十分な状況であります。
一方、東京都では意見書の採択もあり、障がい者施策推進区市町村包括補助事業「青年・成人期の余暇活動等支援事業」がスタートしました。
私は、昨年の第二回定例会の一般質問で東京都の補助制度の活用を視野に入れ、当区においても、より多くの障がい者が参加できるよう区内5地域での展開を念頭に青年・成人の障害者の余暇活動等への支援を積極的、本格的に推進すべきであると提案させていただきました。
今後、区の障害者施設の管理者や障害者団体とも意見交換しながら、場の提供や活動の協働など、障害者の余暇活動の充実に向け、地域の視点も含め、具体的な取り組みを検討してまいります。」とのことでした。
Q1障害者の成人期の余暇活動についての見解。現在の進捗状況を伺います。
ノーマライゼーションプラン一部見直しの中で「障害者施設の開放等による休日の居場所の確保や団体と連携した活動の充実など障害者の余暇活動の支援に努める」と記載されている。
プランの中で、青年・成人期の余暇活動等の必要性を認め、支援すると記されたことは一歩前進と評価する
Q2障害者施設に限らず、区内で休日等に障害者も障害者でない方も含め集える施設を確保していくべきと考えます。前回申し上げましたように区内5カ所を目指して障害者の余暇活動の場を展開することを求めるところですが見解をお聞きいたします。