決算特別委員会3日目
今日は区民生活領域所管の委員会
公明党を代表して質問席に立ちました。
質問内容は
1、小田急線上部利用について
2、平和資料館について
3、事業承継について
それぞれ質問しました。
質問概要は以下のとおりです。
【1】小田急線上部利用について
本年3月末に連続立体交差事業及び複々線化事業が完了し、いよいよ小田急線上部の施設整備が本格化していくことになります。
先月9月24日に「下北線路街 空き地」のオープニングセレモニーが下北沢の小田急線上部で開催されました。
そこでは、小田急電鉄社長より、東北沢駅から世田谷代田駅までの区間約1.7㎞の線路跡地を開発して生まれる新しい街のコンセプトの説明がありました。
「地域とつながる保育園、チャレンジや個人の商いを応援する長屋、心安らぐ温泉旅館、洗練された個店が集まる商業施設」など魅力的な街づくりの説明が行われました。
さて、5月10日に小田急電鉄が開発するために行う「下北沢上部利用地区計画 下北沢~東北沢間の上部利用計画」の地元住民に対する説明会が開催されました。
これは、「世田谷区特定商業施設の立地に伴う生活環境保全のための要綱に基づく説明会」を開催する必要があり、小田急電鉄が実施したものです。
この説明会では、下北沢一番街商店街入り口近くの茶沢通りの交番のあたりから東北沢駅のところまで、29の小売店や飲食店、そして客室50部屋の都市型ホテルが小田急線の上部にできるとの説明がありました。
営業時間についても、届け出上では朝7時から午前0時まで、マックス午前3時までとなっておりました。
ホテルや飲食店等が建築される上部スペースの用途地域は一部は近隣商業地域、また一部は第一種住居地域、また一部は第一種中高層住居専用地域になっております。
かなりの地域が住居地域となるこの上部空間。静かな住宅地であるこの小田急線上部は、完成予定の2020年12月ごろには今までの環境とは全く異なった商業施設が立ち並ぶことになり、住民の方々からは今迄の生活環境が大きく変わり、騒音等の問題が発生するのではないかとの懸念を訴えられております。
世田谷区としては、区民の不安解消につとめ、快適な生活環境が維持できるように取り組む必要があると考えます。
「世田谷区特定商業施設の立地に伴う生活環境保全のための要綱」の第一条では要綱の目的として
「この要綱は、世田谷区における特定商業施設の立地に関し、その周辺の地域の生活環境への影響の事前の把握、その他必要な事項を定めることにより、地域における商業及び地域社会の健全な発展並びに快適な生活環境の保全及び創出を図ることを目的とする。」としており
また、第四条では区長の責務として
「区長は出店予定者に特定商業施設の設置及び運用にあたり、出店予定地周辺の生活環境に与える影響について、あらかじめ十分な調査及び予測を行わせ、適切な対策を執らせることにより、快適な地域の生活環境の保全及び創出につとめさせるものとする」とされております。
今回示された小田急電鉄の上部利用計画を見る限り、地域住民の快適な生活環境を維持することが、今後とも継続できるのか大変不安を感じます。要綱で、快適な生活環境の保全及び創出を図ることを目的とするとしているのであれば、区はしっかりと対応すべきと考えます。
また、区長は小田急電鉄にあらかじめ十分な調査および予測を行なわせ、適切な対策を執らせるようすべきと考えます。区の見解をお聞きいたします。
小売り店、飲食店など小田急線上部に小田急自らが店舗を出店することには法的に問題はありません。下北沢の街のにぎわいの創出の観点もあります。しもきたの50年100年先を考え、いかに地域住民と共生できる生活環境を創れるのか、その点をよくよく小田急側に申していただきたいことを要望して、次の質問に移ります。
【2】平和資料館について
世田谷区では、平和を愛する区民の願いと区議会の「平和都市宣言に関する決議」の採択を受けて核兵器の廃絶と世界に平和の輪を広げていくことを誓い、40回目の終戦記念日にあたる昭和60年8月15日に、国の内外に向けて平和都市宣言を行いました。
その後、平成7年に玉川小学校に平和資料室を開設、
平成27年に世田谷公園内に23区では区立施設しては唯一の平和資料館をオープンさせました。
(2)平和資料館を開設した役割は
「世田谷区の地域特性、地域資源等を踏まえ、戦争の悲惨さと平和の尊さについて理解を深め、区民利用者に恒久平和の実現に向けた意識を醸成することを役割とする」とされております。
(4)運営目標
戦争の悲惨さと平和の尊さを分かりやすく伝え、こどもから大人まで幅広い利用者に親しまれる施設となることを目指すとしております。
質問1、最初にお聞きします。
平和資料館は本年3月にリニューアルオープンしました。
リニューアルの目的は何か、またリニューアルによって目的にかなった来館者数になっているのかお聞きします。
私もリニューアルされてから2度ほど現地に伺い、内容のある戦争資料の展示を拝見しました。しかし残念なところでは、二度とも来館者は私以外に誰もおりませんでした。
リニューアルしても一日平均20数名程度の来館者。大変厳しい数字です。これでは今までと同じにようになってしまうのかと大変危惧しております。もっともっと活力があり、人が集まる魅力ある資料館であるためにはどうしたらいいのか、何点か提案したいと思います。
1点目は機能拡充です。
平和資料館の機能の一つには資料の収集展示がありますが、私は、
平和資料館では単に資料収集にとどまらず、世田谷から恒久平和に向けた取り組みを世界に発信していけるような機能を付加すべきと考えます。
例えば、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)や化学兵器禁止機関、国際原子力機関などの平和団体や世界の平和研究所等と積極的な交流を進め、世界の平和活動、平和貢献につながっていくこと、またその世界との交流の果実を世田谷区民に還元することはできないでしょうか。
質問2、平和資料館が平和構築の中心軸となって世界の平和団体等とつながり、また世田谷発の平和活動を世界に発信していくことを求めるところです。区の見解をお聞きいたします。
世田谷の平和資料館が平和構築の拠点として全国から注目されるレベルを目指していただきたいと思います。
2点目に情報発信です。
平和資料館だよりを年4回発行しているとのことですが、区民にはほとんど知られておりません。
質問3、もっと区民に周知できるように、例えばface book, ツイッター、ホームページなどSNSを活用、またデジタルミュージアムなどを活用し活きた情報を発信していくべきと考えます。見解を伺います。
3点目に平和教育についてです。
23区では唯一の平和資料館。世田谷区内の子どもたちにこの施設を見学してもらい、子どもたちに戦争は絶対にあってはならないという意識を醸成させること、そのためにこの平和資料館の存在意義があると思います
世田谷区以外の平和資料館、例えば、埼玉県平和資料館(ピースミュージアム)では平和教育のために見学、出前、貸し出しの三つの特徴ある取り組みを行っております。
見学は70分、100分、120分コースがあり、ピースガイダンスとしてミニ授業を資料館で開催しております。
出前では平和資料館の職員がピースキャラバンとして、実物資料や写真を持参し、社会科だけでなく国語や総合的な学習の時間もサポートして平和教育に当たっており、年間100校以上で出前講座を実施しているとのことでした。
質問4、世田谷の平和資料館では今年度から夏休みの自由研究用の資料を作成し提供をスタート。また中学校での巡回展を毎年9校から10校実施しているとのことではあります。
しかし、出前講座においては昨年度、わずか2校とのことです。もっと学校の要望にも応えることができるように、実施校をふやす努力をすべきと考えます。見解をお聞きいたします。
質問5、資料館に来てくれたこどもたちにわかりやすい企画やイベントも検討すべきと考えます。見解を問う。
戦争の悲惨さ平和の尊さを後世に伝えていくために、多くの方に平和資料館に来ていただき、この平和資料館から世田谷区民に平和の意識を醸成していくこと、そして世田谷から世界に平和構築の取り組みを推進していくことを強く求め次の質問にうつります。
【3】事業承継の取り組み
区内事業者の方から後継者がいないために現在の会社を継続できずに廃業せざる負えない状況にあるとの相談をいただいております。
国では中小企業の経営者のうち、約245万人が2025年までに70歳を迎え、その内127万人は後継者が決まってなく、廃業が増えれば2025年までに約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる恐れがあると推定しております。
現在でも後継者不在により年間約7万社が廃業になっておりそれによって約30万人の雇用が失われているとのことであります。
事業承継できない理由は、後継者不在の要因が一番といわれています。
もう一つの要因は相続税や贈与税に係る税負担が重いことでありましたが、国での事業承継税制の拡充を行うことにより、円滑に事業承継ができる税制改革が行われました。
一昨年、世田谷区産業基礎調査が行われました。
事業者アンケート調査の中で、現在の困りごとでは、商業サービス事業者では売り上げの伸び悩み(41.1%)、人材不足(26.7%)そして、事業承継の問題にかかわると考えられる経営者の高齢化(19.6%)後継者確保(6.5%)となっておりました。
また建設・製造その他の業種では後継者の確保か課題であるとしているのは11.4%にもなっておりました。
アンケート調査結果からしても、事業承継、後継者不在の課題は区内の事業者には大きな問題であり、いかにこの課題に取り組むかが重要なことと考えます。
質問1、産業ビジョンの中でも区内産業全体の経営支援と事業承継を強化する必要性がのべられております。
最初に、区として事業承継の課題をどのようにとらえているのかお聞きいたします。
現在、国においては、後継者がいないなどの悩みを抱える中小企業者の事務引き継ぎや事業承継を円滑に進めるために、都道府県に「事業引き継ぎセンター」を設置してマッチング支援事業を進めております。
東京都事業引き継ぎセンターではセンター開設から6年半で1500社以上の譲受相談を受け付け、МアンドA、従業員承継等では2018年で年間61件の成果をあげているとのことです。
他区での事業承継の取り組みですが、品川区では平成27年度に区内事業者にアンケートを取った結果、後継者不在が大きな課題として浮き出てきました。
同区では、この課題を極めて重要な課題と認識し、悩みの見える化を進めていく上で、「品川区事業承継支援事業」をスタートさせました。
同区では、弁護士や中小企業診断士などの専門家を有している民間事業者に委託することによって、事業承継セミナーの開催や事業承継の相談に対応する事業承継専門家派遣、後継者塾、事業承継あっせん融資など行っているとのことです。
墨田区でも平成25年に実施した区内3000社を対象とした産業調査で今後廃業する意向を持つ事業者が約560社いることが明らかとなり、区内の事業承継の取り組みが急務との判断になりました。
平成29年度にすみだビジネスサポートセンターを開設し、企業からの経営相談をワンストップ窓口として支援をおこなっております。
相談内容が事業承継等に係るものについては、事業承継支援事業として、事業資産マッチング支援および後継者候補支援事業(未来の社長応援団)で支援をしております。
質問2、現在の世田谷区での事業承継の取り組みはどのように行っているのかお聞きいたします。
また、品川区のように事業承継に向けた事業をしっかりと立ち上げて区内産業を守っていくべきと考えます。見解を問う。
事業承継の手法には親族間や企業内における承継や第三者による承継もあります。親族間の事業承継の比率は以前の9割から6割に下がり続けており、現在では、МアンドAなどの第三者によるマッチングを促進し、事業を承継したい側と事業を受けたい側をいかにつないでいけるかが、課題となっております。
質問4、世田谷区として事業を譲渡したい事業者と事業を譲受したい事業者とがマッチングできるように、区内に事業マッチングセンター機能の創設を検討すべきと考えるが見解を伺います。