予算特別委員会(文教委員会所管)で質問しました。

予算特別委員会6日目
今日は文教委員会所管の質問日
公明党を代表して質問席に立たせていただきました。
1、教員の働き方改革
2、外国籍の子どもの支援
3、中央図書館の機能拡充とタッチザワールド

以下質問概要を掲載いたします。

教員の働き方改革

教育は人なりと言われるように、我が国の将来を担う子どもたちの教育は教師にかかっております。その意味で教師とはきわめて崇高な使命をもった仕事であると思います。

教員の働き方改革の目的は、「教員の働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子どもたちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすること」であります。

しかし、社会の変化に伴い学校が抱える課題が複雑化、多様化する中、教員の長時間勤務が看過できない実態が明らかになって居ります。

私の家の近くの小中学校でも夜遅くまで職員室の照明がついているのが見受けられております。

昨年世田谷区で実施した勤務状況調査では平日の小学校教員の平均退校時間は

19:45から20:45分の間が全体の23%

20:45から21:45分の間が全体の13%との報告がでております。

長時間勤務の要因としては

○小学校では学級担任制であり一人の先生が担当する授業が多い。

○保護者との連絡、通学路の安全確保など様々な授業以外の事務もが多い

○心理や福祉など教育以外の高い専門性が求められる事案が増加。

○若手教員の増加

○授業総数の増加

○部活の指導時間の増加

などがあげられております。

今日は働き方改革に向けて3点伺います。

最初に人材バンク設置に向けた検討について伺います。

区内の小中学校では補助員や支援員等が学校に派遣されております。例えばスクールサポートスタッフは公募で教育委員会が直接募集するとのことで校長、副校長が自分達で探すという苦労は避けられていますが、令和元年度では補助員、支援員など45項目のうち18項目が学校で直接手配している実態です。

質問1、我が会派では以前から、学校独自で支援員など探すのに見つからない、探し切れない大変さを回避のために区で人材バンク制度を早急に構築することを求めてきました。区では教育総合センターにその機能をつくって推進していくとのことでしたが、人材バンク設置に向けた検討状況はどうか

来年12月に教育総合センターが開設するにあたり、教員の負担軽減につながるよう人材バンクの準備をお願い致します。

次に学校の夜間留守電体制について伺います。

学校の先生からは授業終了後の電話が多く、仕事に専念できないとの切実な相談をいただいております。

質問2-1、学校で放課後以降にどのくらい電話があるのか調査はしておりますか。

中央教育審議会での学校における働き方改革に関する総合的な方策についての答申でも業務改善の具体例として留守番電話の設置が提案されております。

例えば、武蔵野市では平成30年から留守電対応開始、小学校では18:30~朝の7:30まで中学校では19:00~7:30まで実施、緊急時は市役所教育委員会につながるようにしているとのことです。

質問2-2、本区でも他自治体で導入されている夜間留守電体制を早期に導入すべきと考えます。見解を伺います。

警備員による電話対応している学校にも行って伺ってきましたが、警備員も先生にどの電話を回していいか判断がつかず、最終的には教員につなげてしまっているようです。現在導入している他自治体での事例を参考にして、早期に夜間留守電体制を構築することを要望いたします。

三点目にICT化についてです。

質問3、現在、本区では校務支援システムを導入しICT化をすすめているとのことですがまだまだ現場では改善の要望が出ております。例えば保健室のICT化の環境整備はまだできてなく、保健室の環境整備をすすめてほしいとのお声をいただいております。セキュリティー保護をしたうえで早急に整備すべきと考えます。見解を伺います。

 

【2】外国籍の子どもに対する支援について

世田谷区に居住する子どもは国籍の有無にかかわらずしっかりと教育を受けさせる必要があると認識しております。

外国人労働者の受け入れ拡大を目的とした法改正に伴い、外国人労働者の受け入れは2019年10月時点で前年同月比13.6%増の約165万人と拡大しています。その中で不就学児童の増加も懸念されており、就学支援や日本語教育の充実が求められております。

昨年秋に発表となった文科省の全国調査によりますと「国公私立学校や外国人学校等に在籍していない可能性のある児童生徒」は全国で外国籍児童124049人のうち19654人が不就学の可能性があるとの報告でした。

世田谷区内の昨年の調査時点で学齢期相当の外国籍のこどもは828名、その内区立学校には385名、就学状況を把握できていないこどもは443名とのことでした。

何故把握できていないのか。外国籍のこどもについては、法令上の就学義務は課されていないためであります。しかし経済的社会的及び文化的権利に関する国際規約、いわゆるA規約に基づいて区立小中学校に就学の申請があった方には受け入れをしているのが実態であります。

質問1、本区でも就学申請があった方のみに区立小中学校の受け入れをしているのかお聞きいたします。

であれば、区内に転入届出を提出する際に、いかに就学に結び付けることができるかが大事になってくると思います。

すべての子どもに就学手続きを促し、教育機会の確保に努め、すべての子どもに就学案内を行うことが必要と考えます。

令和元年度の国の就学状況調査でも83%の自治体が就学案内を実施、その内就学希望の有無にかかわらず、すべての者に就学に関する説明をおこなっている自治体は51%との結果でありました。

質問2、くみん窓口や出張所等での住民登録手続きの際に、すべての対象者に就学説明をしているのか。また就学ガイドブックや案内は配布しているのか。お聞きいたします。

昨年3月15日の文科省の通知では「外国人のこどもについて、就学の機会を確保する観点から、教育委員会においては、住民基本台帳に基づいて学齢簿に準じるものを作成するなどして、就学に関する適切な情報の管理に努めること。その際、学校のみならず、外国人学校等も含めた就学状況を把握したり、相談者からの相談に応じるなど、継続して就学の機会の確保に努めること。」としております。

昨年の決算特別委員会で岡本委員から就学先の把握できていない方を把握すべきとの質問に対して、今年度中にアンケート調査を行い就学状況に努めるとのことでした。

質問3-1、就学状況の把握ができなかった区内の外国籍の443名の就学状況は把握できたのでしょうか。

約半分の返答で大半はインターナショナルスクール等に行っているとのことです。

どこにも就学できてない不就学児がいるのかいないか、本区から一人たりとも置き去りにされる子どもを出さないために区は責任をもって調査にあたっていただきたいと思います。

質問3-2、残り半分の就学状況の把握をどうするか再度お聞きします。

昨年11月に開催された「世田谷区子どもの虐待防止推進講演会」で講演されましたイラン出身のタレントさんは、イラン人とのことで日本の学校で大変ないじめにあったことを切々と語っておりました。

また、先日見たNHKでのニュースでは、親と共に来日された外国人の子どもが、日本語が全く分からず、授業についていかれなくなり、その内、学校でいじめにもあって、そのまま不登校になってしまったというニュースも出ておりました。

質問4、本区において外国籍の児童生徒が不登校になった場合はどのように対処しているのかお聞きいたします 

質問5、誰一人として置き去りにしないSDGsの観点から、また国際法上の観点から国籍に関係なくすべてのこどもに教育を受ける権利をしっかり保障することが重要と考えます。教育長の見解を伺います。 

【3】中央図書館の機能拡充とタッチザワールドについて

平成29年9月の定例会でわが会派は、中央図書館で唐突に多文化体験コーナーの整備計画が発表されたときに中央図書館の在り方について

「中央図書館を含めた現教育センターの在り方を発想から民間の知恵とノウハウに委ねるべきだと主張、民間活力を導入した新たな中央図書館の抜本的な検討をすべき」と申し述べました。

質問1、中央図書館全体の改革の中で、魅力ある中央図書館をどう構築していけるかを民間の知恵を頂きながら検討していれば多文化体験コーナー、タッチザワールドももう少し魅力ある施設になっていたかと思います。

本庁舎整備の一環で中央図書館の機能拡充は当分延長されることになったわけですが、中央図書館に多くの人が来館しにぎわいを創出するためには、区のゾーニングイメージに縛らてることなく、民間の知恵やノウハウをフルに導入して、中央図書館の機能拡充の方向性を抜本的に見直すべきであると考えます。見解を伺います。

タッチザワールドでは4年生は移動教室として、年1回バスなどでタッチザワールドにきて1時間程度活用しておりますが、それ以外では平日平均で29人、日曜日でも平均70人の人にしか利用されておりません。

私が時々立ち寄った時でもほぼ誰もいない状態でした。

このような利用実績からして、子どもたちや区民が楽しみながら英語を学び、多様な文化に触れることができる多文化体験事業としての目的は達成できているのでしょうか。

タッチザワールドの令和2年度の予算は約29M、小学4年生のバス移動の予算は約10M、利用者数とコスト面からの行政評価はどうでしょうか。

抜本的な見直しを求めて私の質疑を終わります。