第四回定例会 一般質問で登壇

第四回定例会二日目
本日、一般質問で登壇させていただきました。
質問は
1、保険者努力支援制度について
2、不育症について
3、暮らしの保健室についてです。

質問概要を以下に掲載いたします。

1、最初に保険者努力支援制度について伺います。
2015年に成立した「医療保険制度改革関連法」により、「保険者努力支援制度」が創設されました。
この制度は、国保保険者による医療費適正化への取組など、保険者機能の強化を促す観点から、適正かつ客観的な指標に基づき、都道府県や区市町村ごとに保険者としての取組状況や実績を点数化。それに応じて国から交付金を交付するもので、国保の財政基盤を強化する目的で施行されました。
今年度の交付金は都道府県分500億円、区市町村分500億円で合計1000億円の予算額になっております。
直近の保険者努力支援制度における当区の実績は995点満点で323点。全国1741自治体中1676位、東京都62自治体中49位で、それに対する令和2年度交付額は2億1千3百万円になっております。
最初に、保険者努力支援制度における当区の順位は何故このような下位になっているのか。区の認識をお聞きいたします。

この制度では、特定健診受診率や糖尿病の重症化予防、個人インセンティブ、後発医薬品の取り組みなどが主な評価項目となっております。
今日は、点数が低く、今後点数アップを図ることが必要とされる3項目について順次質問いたします。

一点目に特定健診受診率・特定保健指導実施率等の実績ですが、190点満点でマイナス35点となっております。
当区として、この点数を引き上げるための取り組みをどのようにすすめていくのかお聞きいたします。
二点目に、後発医薬品の促進の取組・使用割合についてです。
当区ではジェネリック医薬品の希望シール配布や差額通知案内を実施しているとのことでありますが、ジェネリック医薬品利用率について、平成30年度は全国平均で78%であるのに対し、世田谷区では67%にとどまっており、130点中10点と極めて低い水準であります。
例えば、ナッジ理論によるオプトアウト方式を活用し、処方箋に医師が先発品を指定しない限りジェネリックを使用するような取り組みは検討できないでしょうか。見解を伺います。
三点目に区民の予防・健康づくりの取組や成果に対しポイントを付与し、そのポイント数に応じて報奨を設けるなどの個人インセンティブ・分かりやすい情報提供についての実績は、110点中20点であります。
例えば、大阪府では特定健診を受けた人に3千円相当の電子マネーを付与する事業を昨年度からスタート。医療費を抑えて国民健康保険の負担減をめざすため、健康に努める人に「キャッシュバック」を行うものです。
代表質問でも取り上げましたが、当区においても、健康ポイント制度を導入し、特定健診やがん検診を受信した際のポイントの付与や運動機能向上の取り組みへのポイント付与など、個人インセンティブの取組を本格的に導入することを求めます。見解を伺います。

2、次に不育症について伺います
私は以前、不育症の方からご相談をいただき平成22年に不育症について質問をしました。
不育症とは妊娠はするものの流産や死産、早期新生児死亡などを繰り返す状態をいい、厚生労働省によりますと患者数は約140万人に上るとのことです。
現在不育症の症状があっても、適切な治療をすることにより8割以上の人が出産に結びついているとの研究結果もあります。
子どもを授かりたいと願う夫婦の経済的負担を少しでも軽減し、出生率の向上につなげていくことは、子どもを持ちたい人に希望を与えることになります。
その意味からも不育症に対する支援は極めて重要なことと認識いたします。

現在国でも不育症対策に関するプロジェクトチームを立ち上げ、支援にあたる関係団体への聞き取りを実施し、早ければ年内にも支援策を取りまとめ、来年度予算に反映させることを目指すとしております。
しかし、不育症の検査や治療は一部を除き保険適用されず、高額な自己負担がかかっております。各自治体では不育症に対する支援をすすめており、現在多くの自治体で何らかの助成事業を行っております。

例えば東京都では不育症検査助成事業を今年度よりスタート。
夫婦一組で検査費用1回5万円を上限に支援しております。
現在3か月間で267件の申請が来ているとのことです。
また神奈川大和市では30万円の検査・治療費の助成を行っております。
同市では平成23年10月から平成27年の3月までの3年半の間、延べ27件の補助金拠出。そのうち85%は出産に至ったとの報告がありました。

ここで質問いたします。
不育症支援について、まずは国において全国一律の助成制度を目指すべきと考えますが、国の助成制度ができるまで、当区としても少子化対策の上から、また子どもを授かりたい人に希望を与えていく上からも、不育症の検査・治療費に対する区独自の支援策を早急に検討すべきと考えます。見解を伺います。

3、最後に暮らしの保健室について伺います。
身近な場所で、だれでも予約なしで医療や介護、健康など、暮らし全般の相談が無料で受けられる施設として有意義な活動をしているのが暮らしの保健室です。
 以前、会派で視察に伺った新宿区の都営戸山ハイツに開設された「暮らしの保健室」では、高齢化率50%を超える団地の中で、医療相談に対応できる看護師が常駐し、気軽に立ち寄れるスペースとして高齢者の孤立、孤独化の防止にも大きな役割を担っておりました。

我が会派では、身近な場所で看護師などの専門家に医療や介護、生活に関する悩み事をいつでも気軽に相談できるだけでなく、ふらっと立ち寄れ、お話できる場として暮らしの保健室を、特に高齢化率が高く、単身者高齢者が多く暮らす都営、区営住宅や公社など公的集合住宅に整備すべきと求めてきましたが、区ではあんしんすこやかセンター、まちづくりセンター、社会福祉協議会の三者連携による身近な福祉の相談窓口で様々な相談を受けていること、また区民からの相談ニーズに対しては、アウトリーチをして対応しているとのことなどの理由で整備には否定的な見解でした。
しかし、28か所の地区には高齢者人口の地域偏在もあり、福祉の相談窓口まで出向いて相談に行くのは困難な高齢者もおります。更にあんしんすこやかセンターの職員が多くの業務を抱えながら訪問活動を行うのにも限界があります。その意味からも身近な場所で気軽に相談できる常設の暮らしの保健室の整備は必要であると考えます。

さて、暮らしの保健室に関する調査報告によりますと、暮らしの保健室の運営母体は病院・診療所と訪問看護を合わせ持っている医療法人や学校法人等の民間事業者が主な運営事業体となっているようです。
例えば、医療系大学が運営している愛知県内の事業所では、学生が暮らしの保健室のスタッフとなり、多世代の人との交流を築き上げ、大学が地域包括ケアシステムの一つの資源として、地域共生社会に向けて大きな役割を担っているとのことです。
また、区内においては現在、医療法人が暮らしの保健室を運営し、民間主導による新たな取組も始まっております。
当区としても、このような医療法人や学校法人などの民間事業者が、区内で新たな取組を推進していけるよう支援していくことが必要と考えます。

ここで2点質問いたします。
一点目に、暮らしの保健室の必要性についての区の認識を伺います。
二点目に、あんしんすこやかセンター等と連携しながら、暮らしの保健室で区民が医療や介護、健康など暮らし全般の相談を無料で受けられるよう、例えば民間事業者にプロポーザルで提案して頂き区の施設を貸し出すなど、区として民間事業者による新たな取組を積極的に支援していくことを求めます。見解を伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。