公営企業会計決算特別委員会で質疑を行いました。(10月29日)
下水道事業会計について公明党を代表して質疑
質疑概要を掲載いたします。
下水道事業会計決算(下水道局)
令和2年度東京都下水道事業会計決算について伺います。
東京の下水道は、24時間365日休むことなく日々の暮らしや経済活動によって汚れた水を浄化し、川や海に戻すことで、快適な生活環境と都市の水循環を支えております。
さらに、宅地や道路等に降った雨水を速やかに排除して、市街地を浸水から守る役割を担っており、都民生活や東京の都市活動になくてはならない重要な基幹インフラであります。
一方で、現在の下水道事業は時代の大きな変化に伴い、震災対策や浸水対策など解決すべき課題が顕在化しています。
特に、今月7日、千葉県北西部を震源とするM5.9、最大震度5強を観測した地震が東京の23区で10年ぶりに発生し、改めて東京の地震に対するリスクの高さを認識しました。
首都直下型地震が今後30年以内に発生する確率は70%の高確率と言われており、これら地震時にも下水道の機能を維持するために、平時から地震対策を着実に進めていくことは欠かせません。
そこで、
Q1 最初に、下水道管の耐震化の基本的な進め方について伺う
下水道管の耐震化については、都民の生命と衛生環境を守るとともに、速やかな救助活動や復旧を支えることにつながる重要な取り組みであり、
着実に取組を進めていただきたいと思いますが、
Q2 下水道管の耐震化について令和2年度の取組状況と経営計画2016の目標に対する達成状況を伺う
下水道管とマンホールの接続部の耐震化とマンホールの浮上抑制対策については、令和2年度までに、それぞれ経営計画2016の目標を達成しており、下水道管の震災対策についてはしっかりと進められていることを確認しました。
過去の震災では、避難所でトイレが使用できない事態が発生したとの報道があり、震災時のトイレ対策は急務です。
トイレが使えないという深刻な事態を防ぐために、震災時にも下水道がしっかりと機能することが必要であることから、
Q3 世田谷区内の下水道管の耐震化の取組状況を伺う
世田谷区内における下水道管の耐震対策は着実に進められているとのことでした。
引き続き、下水道管の耐震化について、継続した取組をお願いいたします。
次に、浸水対策について伺います。
宅地や道路などに降った雨を速やかに排除し、浸水から都市を守る下水道の機能については、災害に強い強靭な都市を実現していくために、極めて重要であります。
これまで、下水道局が浸水対策に果たしてきた役割は非常に大きいと実感しているが、決算特別委員会として、事業の進捗状況等、改めて下水道の浸水対策について確認してまいります。
まずは、
Q4 下水道局における浸水対策の基本的な進め方について伺う
浸水対策については、地区を重点化し、効率的に取り組んでいるとのことでありました。
事業規模が大きい浸水対策は、施設の完成までに時間がかかるが、その分、地域へのメリットも大きいと考えます。
重点化した地区などの施設整備を進め、着実に効果をあげていただきたいと考えていますが、
Q5 重点化して進めている地区のうち令和2年度に完了した地区について伺います。
これまでに、57地区中25地区が完了するなど、浸水対策を充実させてきているとのことでありました。
令和3年度では世田谷区野毛地区や目黒区自由が丘・世田谷区奥沢地区など新たな重点地区が3か所追加されました。早期に工事着手できるよう求めます。
次に、私の地元である世田谷区の浸水対策事業についてでありますが、
平成25年には区部で豪雨が頻発し、世田谷区でも弦巻地区や深沢地区で甚大な被害が発生しました。
被害が発生した弦巻地区には、下水道の幹線として蛇崩川幹線がありますが、昔は名前の通りに川が流れており、地形的に水が集まりやすい場所であります。
これまでも、こうした状況に対し、下水道局では、弦巻地区にある小泉公園に貯留施設を整備し、本地区の浸水対策を進めてきたと思いますが、
Q6 小泉公園に整備した貯留施設の平成25年の豪雨時における雨水の貯留状況について伺う
平成25年の豪雨時には、このような施設があったにもかかわらず、蛇崩川幹線流域全体で、床上浸水と床下浸水あわせて60件以上の浸水被害が発生したということであり、いかに降雨の規模がおおきなものであったか、うかがい知ることができます。
またその後、平成30年8月の集中豪雨では、世田谷区内で床上浸水が284件、床下浸水が24件発生し、蛇崩川幹線流域で90件近い浸水被害が発生したと聞いています。
こうした経緯を受け、下水道局では弦巻地区や深沢地区を時間75ミリ降雨に対応する施設整備を行う重点地区に位置付け、弦巻地区では、蛇崩川増強幹線の整備を進めてきた。
住民の要望は強く、早期に施設を完成させていただきたいと考えている
そこで、
Q7 弦巻地区の整備状況について伺う
事業効果を早期発現させるため、整備区間を分けて効果的に工事を進めているとのことで、令和8年度まで工事がかかると聞いておりますが、一刻も早い施設の完成を望みます。
次に、もう1つの「75ミリ施設整備地区」で整備している深沢地区について
Q8 深沢地区の整備状況について伺う
事業効果を早期発現させるための取組を実施しているとのことを確認いたしました。
今まで、浸水対策について伺ってきたが、下水道事業の大切な役割の一つに、快適な生活の実現に向けた公共用水域の保全がある
下水道事業は、水を流す下水道管と水をきれいに処理する水再生センターが一体となって、システムとして機能している
東京都の水再生センターでは、毎日約570万立方メートルもの下水をこの水再生センターで処理しているが、処理水を放流している河川やその先の東京湾の水質が改善されており、都民に喜ばれております。
一方で、東京湾ではいまだに赤潮が発生するなど、水再生センターの処理水質については、更に改善していくための取組が必要と考えている。そこで、
Q9 水再生センターの処理水質を高めるためにどのような取組を行っているのかを伺う
既存施設を活用しながら、水質の改善についてスピードアップを図っているということは理解しました。
昨年度も我が会派のうすい都議が決算特別員会において確認しましたが、決算の質疑として水質改善の進捗状況を改めて私も確認したいと考えている。そこで、
Q10 高度処理の令和2年度の整備状況ついて伺う
高度処理について、着実に取り組んでいることを確認した。引き続き処理水質の改善をお願いする
最後に、下水道施設における臭気について確認いたします。
以前、地元世田谷区の商店街で、地元の方から臭気の苦情を受け、下水道局に防臭キャップをつけるなど防臭対策の対応をしてもらったことがあります。
その時に下水道局の職員に聞きましたが、こういった臭気の苦情は必ずしも下水が原因というわけではなくて、地下室にあるビルの排水槽が原因のことが多いとのことでした。
23区全体をみれば、繁華街を中心に多くのビルが立ち並んでおり、臭気苦情が多いと思いますが、
Q11 令和2年度の下水道からの臭気の苦情件数とビルの排水槽が占める割合について伺う
やはり、臭気苦情の多くが、ビルの排水槽、ビルピットが原因と考えられるものであるということである
このような臭気に対して、一義的にはビルオーナーが対処すべきものであるものの、下水道局も積極的に対策に取り組んでいくべきと考えるが、
Q12 ビルピットの臭気の発生原因と局の取組について伺う
ビルピットの臭気については、ビルオーナーの理解や協力が必要なこともあり、対策に時間がかかると思うが、今のこのコロナ禍、マスク生活が日常となった現在でも、臭気対策は大切。真摯に対応している下水道局に感謝する
下水道局は都民の生活と東京の都市活動を支えるため、浸水対策をはじめ、良好な水環境の創出に向けた高度処理、そして地域の課題解決まで、幅の広い役割を担っている
引き続き、取組を積極的に進めていただくことを望み、私の質問を終わる