各会計決算特別委員会で質疑①

2022.10.19
今日は令和3年度各会計決算特別委員会(第1分科会)が開催されました。
会計管理局、議会局、子供政策連携室、財務局それぞれの決算認定の質疑が行われ、私は財務局所管の質疑を行いました。
質問項目は
1️⃣契約制度について(総合評価制度、官公需適格組合、最低制限価格制度など)
2️⃣新公会計制度について
それぞれ質問致しました。

以下質問概要を掲載いたします。

【総合評価方式】
私の方からはまず、契約制度の総合評価方式での活用について伺います。
契約制度はいわゆる価格競争が大原則ではありますが、価格と価格以外の技術的な要素を総合的に評価し、落札者を決定する仕組みとして、総合評価方式があります。
この方式の活用によって品質の確保、向上、長期的なコストの削減などの効果が見込まれます。
Q1,このような総合評価方式は東京都の令和3年度の契約での実績はどのくらいあるのかお聞かせください。
総合評価方式は、先ほど申し上げたほかにも、総合評価における災害協定や緊急工事の実績への加点措置などにより、受注機会を確保し、地域を支える中小企業の育成を図ることは地域経済活性化を図るうえでも重要な要素があります。
Q2,このような観点からも総合評価方式をより有効に活用していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
【官公需適格組合】
次に、中小企業の受注機会の拡大に向けて、官公需適格組合制度の活用について伺います。
都では、官公需における中小企業者の受注機会を確保することを契約事務執行上重要な施策と位置付けているとのことです。

官公需適格組合とは、中小企業庁が一定の条件に基づいて証明する組合であり、単体の中小企業では受注が難しい規模あるいは品質の発注案件について適正な履行体制が確保される面から、官公庁からの受注拡大を目的として制度化されたものでございます。
Q1,具体に、都内の官公需適格組合の団体数、令和3年度の官公需適格組合の受注状況がどのようになっているか、お聞きいたします。
 
官公需法では、国が物品の買い入れや工事の請負、役務の提供等の契約を締結するに当たっては、中小企業者の受注機会の増大を図るように努めなければならないこと、また、契約の相手方として組合を活用するように配慮しなければならないと官公需法で規定されており、その意味からも官公需適格組合には、都内での災害時の対応を含めて、緊急性、機動性ある業務を担っていければと考えます。
Q2,さらなる官公需適格組合を含めた中小企業の受注機会の拡大の場を求めるところでありますが、見解を伺います。

災害時等における応急復旧の担い手には、機動性のある地域事業者が必要です。その観点から官公需適格組合を含めた中小事業者の受注機会の拡大に取り組んでいただきたいことを要望して次の質問に移ります。

【次に最低制限価格について伺います】
品確法の趣旨を踏まえた総合評価方式の適用拡大など入札契約制度の活用とともに、公共工事だけではなく、業務委託においても過度な競争を招かないようにするうえでも、低価格入札防止の観点から最低制限価格制度を導入して、適格に工事が進むようにすることは必要と考えます。
私のところには、業務委託契約において、ダンピングといえるような低価格での入札で受注がなされているとの切実な声も届いております。
人件費比率が高い案件が、最低賃金も守れない価格での応札が常態化しているのではないかと考えます。委託契約についての改革は急務と思います。
2年前から東京都では、設計等委託については一部試行的に最低制限価格制度を導入したとのことを聞いております。
Q1,令和3年度は具体に何件の設計等委託での試行を行ったのかお聞きいたします。
低価格入札を防止し、品質確保や担い手の中長期的な育成、確保を図っていくことは重要です。こうした認識のもと、印刷請負においては、最低制限価格制度を平成28年度から六年間にわたり試行を続けてきたとのことで、令和4年から最低制限価格導入を本格的に導入させることになったとのことです。
Q2,本格的導入に至った経緯、その目的、意義についてお聞きいたします。

中小企業が多い印刷産業では、低価格入札が多く見受けられる中、印刷物の品質の低下、経営の圧迫や労働者へのしわ寄せが懸念されてのことで、品質の確保や担い手の中長期的な育成確保を目的として最低制限価格が導入が始まったと理解しました。
Q3,今後、最低制限価格制度を他業種への拡大を視野に検討を進めていくことが必要と考えます。見解を伺います。
業務委託においてはその種類や内容多岐にわたるために、各案件の性質により様々な積算手法が存在するとのことで課題があるとのと答弁でしたが、低価格入札を防止していくことや品質確保や担い手育成をしていくうえで最低制限価格制度は有効な手法です。
一つ一つ課題をクリアーして進めていくことを求めます。

【次に施工時期等の平準化について伺います。】
施行時期等の平準化にかかる取り組みは、技術者や資機材の効率的な活用を促進するとともに、繁忙期の解消による長時間労働等の減少に伴って、技術者労働環境が改善されるなど、建設業の働き方改革や生産性向上、中長期的な公共工事の担い手確保に資する重要な施策です。
建設業界では、一般的に繁忙期である年度末に工事が集中、この時期に従業員の休日出勤や残業が生じています。一方閑散期では人員や資機材に余剰が生じています。
この状況を改善するために、改正品格法では、公共工事の発注者には施工時期の標準化を図ることが責務として規定されました。
Q1,令和3年度の施工時期の平準化に向けての取り組み実績についてお聞きいたします。
ただいまの実績では、かなり平準化が進んできているのかと理解いたします。
Q2,それでは今後の庁内での平準化に向けた取り組みの検討についてお聞きいたします。

【新公会計制度】
最後に新公会計制度について伺います。
都議会公明党が推進し、都が全国に先駆けて導入した、複式簿記・発生主義に基づく新公会計制度は、それまでの官庁会計では把握できなかった資産、負債などのストック情報や、金利、減価償却費などを含む真のコスト情報を明らかにする画期的な制度であり、事業評価における分析ツールとしての活用や、未収債権の大幅な削減に繋げるなど、これまで大きな成果を上げてきました。
令和3年度東京都年次財務報告書では、新公会計制度による決算について、マクロ的な視点から分析されています。
一方で、これから本格化する令和5年度予算編成に向け、この令和3年度決算における個々の事業について、新公会計制度を活用した分析を行っていくことも重要であります。
Q1 そこでまず、決算における新たな公会計制度を活用した分析を踏まえた、令和4年度予算編成における具体的な事業見直しの事例について伺います。

我が党がこれまで育ててきた複式簿記・発生主義に基づく新公会計制度は、健全な財政運営を支えるための分析ツールとして、事業評価の取り組みの中でも活用されているとの答弁でありました。
このように事業別に財務諸表を作成し、分析を行い、収支の改善や都民サービスの向上などへと繋げていく、一つひとつの事業の見直しの積み重ねこそが、都の健全な財政運営を支えている訳であります。
Q2 平成18年に新たな公会計制度が導入されるとともに、財務局が事業評価を所管することとなった訳であるが、これまでの事業評価の取組の成果について、確認の意味も込めて伺います。

これまでの16年間で約7,600億円もの財源確保に繋げたとの答弁でありました。
東京は決して裕福な訳ではなく、今日の健全な都財政は、新たな公会計制度や事業評価の取組、基金や都債の戦略的な活用など、一つひとつの試行錯誤と努力の積み重ねにより勝ち得た成果と言える訳であります。
 引き続き、この令和3年度決算についても、新たな公会計制度を活用した分析などをしっかりと行い、無駄の排除を徹底し、都民にとって真に必要な取組を充実させる、そのための、一つひとつの事業見直しを一層強化していくことを改めて求め、質問を終わります。