第2回定例会 公明党代表質問(6月13日)


公明党から斉藤やすひろ議員(目黒区選出)が公明党の代表質問で登壇しました。
質問概要を掲載いたします。

【質問】
○六十一番(斉藤やすひろ君) 都議会公明党を代表して質問を行います。
 新型コロナの感染症法上の位置づけが五類へ移行し、三年半に及ぶコロナとの闘いが一つの節目を迎えましたが、この間の経験を基に、都民の命を守り抜く都の盤石な医療体制を構築していかねばなりません。
 また、昨今、全国で頻発している地震や先般の台風二号による東京における記録的な大雨等、待ったなしの災害対策の強化も重要です。
 都議会公明党は、都民生活の安全・安心に向けて、さらに全力で取り組んでまいります。
 初めに、子育て、教育施策について伺います。
 まず、高校授業料の所得制限を撤廃した実質無償化について質問します。
 二〇一七年に、都議会公明党の推進で、私立高校の授業料は、所得制限七百六十万円未満の世帯を対象に無償化がスタート。二〇一八年度からは、都認可の八校の通信制高校に対象を拡大しました。
 二〇二〇年度からは、私立高校の授業料無償化が全国制度として波及したのを受け、都の所得制限を都立高校と同じ九百十万円未満まで緩和。都内に百四校ある道府県認可の通信制高校も対象にし、また、多子世帯支援として、所得制限を超過していても、扶養する二十三歳未満の子が三人以上いる場合には、上限額五万九千四百円を助成するなど、次々に拡大してまいりました。
 しかし、授業料を一旦納付しなければならない仕組みは変わっていません。今年からオンライン申請で早まるとはいうものの、最短でも十月からの支給であり、依然として保護者の負担感は解消されていません。
 また、昨今の物価高騰下で家計急変となった場合の減免措置を行っている学校も、六割程度にとどまっています。
 子育て支援策は、子供の成長に合わせて高まる家計負担に応じたものでなければなりません。都議会公明党の試算では、所得制限を撤廃した高校授業料の実質無償化に必要な追加予算は四百三十億円であり、〇一八サポートの予算額一千二百六十一億円の三分の一相当です。
 都は、毎年、事務事業評価により一千億以上の新たな財源を生み出していますが、本年も、事務事業評価により一千百四十一億円の財源を確保しています。この事業評価の取組をさらに加速すれば、都立、私立共に所得制限を撤廃した高校授業料の実質無償化を実現することが可能であります。
 そこで、東京都は、二〇二四年度からの開始を見据えた都立、私立高校の授業料の所得制限を撤廃した実質無償化を実施すべきと考えます。知事の見解を求めます。
 次に、保育士の確保対策について質問します。
 都では、保育士確保のために、保育士のキャリアアップに取り組む事業者の支援や保育従事職員の宿舎借り上げ支援を実施してきましたが、引き続き、こうした支援を継続、拡充するとともに、保育人材を確保し、定着を図るために、職場環境の改善や処遇改善に取り組んでいくべきと考えます。見解を求めます。
 保育人材を確保する手段の一つとして、保育士修学資金貸付制度があります。これは、保育士養成施設に在学する方に対し、無利子で修学資金の貸付けを行う制度であり、人材確保策として効果的です。
 しかしながら、所得制限があること、貸付上限が月額五万円と少ないこと等が課題として挙げられております。保育人材確保の上で、修学資金貸付の月額上限の拡大や年収制限を撤廃し、希望する全ての人が対象となるよう取り組むべきと考えます。見解を求めます。
 次に、日本語教育の推進について質問します。
 都教育委員会が公表した令和三年度における都内公立中学校に在籍する日本語指導が必要な生徒は、日本国籍も含めると千二名であり、学年ごとの統計はないものの、一学年当たり平均三百名以上が在籍していることになります。
 これに対し、在京外国人枠を設ける都立高校の受入れ数は、八校で百六十名と少なく、現状では、多くの対象となる生徒が定時制高校等に入学しているのが現状で、対策が急務です。
 また、都内の日本語支援のNPO団体からは、ボランティアのため、財政支援もなく、高校進学ガイダンスで配布するパンフレットの作成等にも苦慮しているとお聞きしました。
 一方、都教育委員会では、例年秋頃、在京外国人特別枠を有する各都立高校において学校説明会を開催していますが、一般募集枠と一緒になっての開催のため、日本語指導が必要な生徒に対して十分な情報が届いていません。
 そこで、都が実施する合同説明会で日本語指導が必要な生徒に対する相談ブースを設けるなど、NPO団体等のノウハウを活用した丁寧な対応すべきと考えます。見解を求めます。
 次に、部活動の地域移行について質問します。
 昨年十二月、国において、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインが策定され、本年度からの三か年を改革推進期間として、地域連携、地域移行に取り組むとされています。
 公明党では、こうした取組を円滑に推進していけるよう、部活動の地域移行に関する検討プロジェクトチームを設置し、課題の調査研究を行い、先月二十五日には松野官房長官に対し、政府が進める部活動の地域移行について丁寧に進めるよう、七項目の提言を行ったところであります。
 また、先般、新たな部活動支援及び教員の働き方改革の推進に向けたモデル事業を実施している杉並区の区立高円寺学園をプロジェクトメンバーで訪問し、関係者と意見交換を行った際には、財政面や支援員を担う人材の確保等が課題として指摘されました。
 都も、本年度から地域移行に向けた取組を進めておりますが、都内各自治体が、生徒、教員、保護者等の声を聞きながら、地域の実情に応じた取組を進めていけるよう、財政支援や指導者の確保に向けた支援を一層充実させていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、東京都こども基本条例について質問します。
 本条例は、都議会公明党が原案を作成し、令和三年三月に全会一致で可決、成立しました。昨年の予算特別委員会の締めくくり総括質疑で、我が党は、分かりやすく的確なメッセージを発信すべきと提案し、本年三月、子供が主体となり、子供の視点で内容や構成を検討した東京都こども基本条例ハンドブックが完成しました。
 東京都こども基本条例は、子供の笑顔があふれる社会の実現に向けて東京都が取り組むべき施策の基本となる事項を定めたものです。大事なことは、条例制定時に込められた理念や思いに立ち返って、我々都議会と都が一丸となって、子供の幸せのためになすべきことを実践していくことです。そして、条例の理念を正しく伝え、子供をはじめ都民が正しく理解することが肝要です。ハンドブックを活用し、東京都こども基本条例の理念を、新たな手法も取り入れて発信すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、特別支援学校の職業教育について質問します。
 都立特別支援学校では、就業技術科や職能開発科を設置し、この十年間の平均就労率が九四・八%と、その成果は確実に現れています。また、社会のデジタル化を見据え、パソコンを用いての業務報告書の作成やメールを活用した業務実習等も進めています。
 しかしながら、デジタル技術は日進月歩のため、新しい業務、新しいソフトに関する情報を職業教育に取り入れていく必要があります。
 そこで、生徒たちの卒業後の業務の幅を広げていくために、地域の作業所や企業等と連携して、全ての特別支援学校でデジタル分野の職業教育をさらに進めるべきと考えます。教育長の見解を求めます。
 次に、風水害対策について質問します。
 気候変動の影響により、風水害被害が頻発しています。そのような中、浸水想定地域に居住する江東五区約二百五十万人の命を守るために、いかに早く安全な場所に避難させていくかの対策を示すことが大事です。
 現状、自治体が用意する避難所だけでは足らず、また、自ら広域避難先を確保できない方がいることから、都議会公明党は、都として広域避難先を確保すべきと求め、令和三年九月に、一か所目となる国立オリンピックセンターが確保されました。
 今後も、都が必要とする七十四万人分の確保に向け、早急に広域避難先の確保に努めるとともに、避難施設へ避難してもらえるよう、広域避難の実効性を確保する必要があると考えます。知事の見解を求めます。
 一方、警戒レベル四までにやむを得ず避難できなかった方への対応についても、我が党はこれまで、最後のとりでとして高速道路の高架部を利用できるよう提案し、避難者の安全対策の課題を一つ一つ解決し、ルールづくりに取り組むべきと主張してきました。
 そこで、高速道路高架部を安全に活用するためのルールづくりや、民間バス等を活用し避難者を安全な場所に誘導できるよう、地域の状況も踏まえた実効性のある避難の実現に向けて、都の役割や関与の仕方も含め、見解を求めます。
 都議会公明党は、水害時に地域住民の緊急避難先として、都営住宅等高層階の空き住戸を活用する協定を都が自治体と結ぶ施策を進めてきました。現在、都と自治体との協定は、足立区、八王子市、清瀬市、北区、葛飾区、板橋区、狛江市、稲城市、江東区など五区四市の九つの自治体に広がっていますが、未締結の自治体も多くあり、また、確保している住戸数は、選定された団地の中に数少ないのが現状です。
 そこで、かつてない豪雨による危険度が増している現在、協定を結ぶ自治体と避難用住戸数をさらに増やしていくとともに、非常食や防災備蓄品を発災前に配置できるようにすべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、河川の水害対策について質問します。
 六月二日から三日にかけて、台風二号の影響による大雨で、都内河川でも、目黒川、石神井川、芝川、新芝川、白子川において氾濫危険情報が発表され、国管理河川においては、中川、綾瀬川、多摩川において洪水予報が発表される中、善福寺川が溢水し、床上浸水が発生いたしました。水害に遭われた皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
 建設局によると、二十七か所中十七か所の調節池で河川からの流入があり、全体の貯留量は九十二万七千六百立方メートルで、貯留率は三五%、善福寺川の調節池や白子川地下調節池は一〇〇%の取水を行ったとのことです。
 調節池の設置により、浸水被害軽減へ結びついていると考えますが、今回善福寺川で溢水し、浸水被害が発生したことから、護岸整備に加え、調節池等のハード対策をより一層推進していくことが重要であると考えます。
 また、河川監視カメラ等の設置拡大を進め、都民の皆様へ情報発信等のソフト対策を速やかに強化していくべきと考えます。併せて見解を求めます。
 次に、防災対策について伺います。
 初めに、在宅避難可能なマンション施策について質問します。
 都が昨年十二月に策定したTOKYO強靱化プロジェクトでは、大震災発災時、都民のおよそ半分の世帯が暮らすマンション住民に対し在宅避難を呼びかけ、地域避難所への避難抑制をするとしています。
 しかし、トイレ利用については復旧まで一か月以上要すると想定されています。使用可否の判断、十分な簡易トイレの確保、使用済み簡易トイレ汚物の収集及び処分体制づくり、マンホールトイレの整備や復旧に向けた工事業者との連携などが課題となります。
 また、エレベーター利用については、緊急停止したエレベーターの自動診断、仮復旧や閉じ込め対策、復旧作業を行うメーカーの連携強化などが課題です。
 そこで、中高層マンションでの在宅避難を可能とするために、総務局、住宅政策本部を中心に、関係各局横断的な検討を進めるべきです。知事の見解を求めます。
 さらには、マンション管理組合や管理会社、賃貸マンションのオーナー等が震災時のトイレやエレベーターの課題に積極的に取り組んでいけるよう、都として一歩踏み込んだ対応ガイドライン作成等、さらなる後押しをすべきと考えます。見解を求めます。
 次に、医療、福祉施策について伺います。
 初めに、東京都における病院と医療機能の偏在について質問します。
 東京都の場合、都心部に高度な医療ができる特定機能病院が集中し、区部の西側や多摩地域には慢性期の患者の病院が集中するという偏在があります。
 現在、病院のベッド数が二次医療圏ごとに決められていますが、地方の比較的安い人件費で利益を上げた医療法人が、ベッド数が空いている二次医療圏に進出してきているケースもあり、必ずしもその医療圏に不足する診療科の病院が新規に参入していないのが実情です。
 そこで、東京における病院と医療機能の偏在を是正していくために、医師会や行政をはじめ地域の関係者で協議を行い、二次医療圏で真に不足する医療の提供が行える仕組みに改めていくべきであります。見解を求めます。
 また、病院と医療機能の偏在性を是正するまでの間、医療圏ごとに不足する医療機能を補うために、現在、一部の医療機関が参加している東京総合医療ネットワークの取組をはじめ、様々なネットワークに都内全域の病院が参画できるよう、都が支援を行っていくべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、人生の最終段階における適正な医療について質問します。
 今後、日本は年間百五十万人以上が死亡する多死社会の時代を迎えます。厚労省によると、命の危険が迫った状態になると約七〇%の方が、医療や介護などを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなるといわれています。この状態に陥ったときに、本人の意思を家族や医療関係者が知るすべがなく、医療機関に搬送され、場合によっては人工呼吸器や心肺蘇生などの医療措置を受けることになります。
 一方、将来の自分の変化に備えて、自分の人生観、価値観や生きがい、自分はどう生きたいかを考え、医療や介護のことについても、信頼できる人とあらかじめ一緒に考え、実践していく取組が始まっています。
 都は、令和二年度から、ACP、アドバンス・ケア・プランニングを推進し、その具体的な取組ツールとして、わたしの思い手帳を作成しました。限られた医療資源を将来にわたって維持し、都民一人一人が自分らしい生き方を選択していく大事な取組です。
 そこで、都は、ACPの取組を区市町村や各種団体等を通じ周知拡大を図るとともに、その活用方法の講座を開設するなど、広く都民に浸透させていくべきです。
 また、このわたしの思い手帳の中の随所に記述されている、人生の最期を住み慣れた自宅で過ごしたいと望む人に応えるためには、自宅や地域でのみとりについて、都は東京都医師会と連携して、医療従事者、介護従事者と体制を構築するとともに、本人やご家族への理解促進も図るべきです。併せて見解を求めます。
 次に、粒子線治療について質問します。
 第一回定例会において、知事から、今年度、都立病院等における粒子線治療施設の整備計画を策定する旨の答弁がありました。都議会公明党は、重点政策のチャレンジエイトに、都立病院への粒子線治療の導入を掲げ、他県の施設を視察し、知見を深めてきました。
 粒子線の一つである陽子線は、重粒子線に比べて、がん腫瘍周辺の正常組織への影響を抑えられるメリットがあり、小児がんは陽子線のみ保険適用となっているほか、整備、維持管理の費用についても少なくて済むとされています。このような観点を考慮し、陽子線治療を、がん診療の連携拠点である駒込病院や多摩総合医療センターなどに早期に導入すべきです。
 そこで、都立病院機構が令和四年度に行った最先端がん治療に関する調査の結果を踏まえ、都の粒子線治療施設の整備計画の策定に向けた取組について、知事の見解を求めます。
 次に、アピアランスケアへの助成について質問します。
 都議会公明党はこれまで、がん治療に伴う脱毛や乳房切除など、外見の変化を補うアピアランスケアについて、都の具体的な支援の取組を求めてきました。都は今年度、我が党の求めに応え、ウイッグや人工乳房等の購入助成に取り組む区市町村への支援を開始したことを高く評価します。
 しかし、がん患者以外でも、病気等により外見の変化で苦しむ人の声は大変多く寄せられています。あるご家庭では、最初に奥様が重度の汎発性脱毛症を発症、全身の毛が抜けました。遺伝の要素があるこの脱毛症は、その後、二人の娘さんにも同様に発症しました。特に思春期の二人には精神的な負担は大きく、ウイッグの着用は欠かせません。
 このように、若くても発症し、重度になると全身の手が抜け、回復まで数十年に及ぶケースもあり、患者の精神的苦痛は計り知れず、苦痛の緩和やQOLの向上のため、ウイッグ等のアピアランスケアは大変に重要です。
 こうしたがん以外のアピアランスケアを必要とする病気に対しても、ウイッグなどへの支援ができるよう対象の病気を拡充すべきと考えますが、今後の対応について見解を求めます。
 一方、先天性やがん、病気、事故等で片目の視力を喪失し、義眼を装着している方が都内に少なからずいます。そのほとんどの方は、障害者認定や医療患者の制度のはざまにあり、義眼を購入する場合には、障害者への補装具交付や治療用具としての保険適用が認められていない現状です。
 都議会公明党には、こうした方々から、年齢とともに義眼が合わなくなり、義眼が外れてしまったり顔面が変形して見えたりすることで、人と会うことや外出することが苦痛になってしまうとの切実な声が届いています。義眼は、厚労省の推奨によれば耐用年数が二年であり、購入費は、全額自己負担の場合、その都度十五万円ほどかかり、大きな経済的負担となっています。
 そこで、アピアランスケアの一環として、義眼購入に対する助成制度を都として創設するべきです。
 また、眼球を摘出していることが義眼を購入する際の保険適用の条件となっていますが、医学の進歩とともに、眼球を温存して義眼を装着している方も多くいます。この制度について、都は国に対し、こうした方々も保険適用の対象となるように改めていくことを求めるべきです。併せて見解を求めます。
 次に、一型糖尿病患者支援について質問します。
 糖尿病は、全国でも一千万人以上の国民が罹患しているといわれる中、多くが二型糖尿病と分類されています。これに対し、インシュリンを分泌する細胞が何らかの原因で破壊され、常にインシュリンを体内に注入しないと死に至る糖尿病が一型糖尿病で、患者数は千人当たり一人前後といわれております。いまだ国の指定難病には指定されていません。
 私は、この一型糖尿病の中でも数少ない緩徐進行一型糖尿病の患者や全国規模の患者家族会の代表にお会いし、二十四時間血糖値を管理しながらインシュリンを打って生きていくことが、精神的にも経済的にも、いかに困難かを伺いました。
 この緩徐進行一型糖尿病は、初期症状が似ているため二型糖尿病と診断されていることも多く、医療従事者にも十分に知られていない実態があります。
 そこで、都は、一型糖尿病の難病指定を国に求めるとともに、早期発見や早期治療に向けて、医療従事者への情報提供及び患者、家族への啓発を行うべきです。見解を求めます。
 次に、シルバーパスの更新手続について質問します。
 都は、新型コロナウイルス感染症の流行後、令和二年から昨年までの三年間、高齢者の感染拡大防止のため補正予算を編成し、会場方式から郵送方式に切り替えて一斉更新を実施してきました。
 感染症法の分類は五類に移行しましたが、夏の更新時期の熱中症予防という観点やデジタル化の進展など、この間の社会環境の変化を踏まえ、以前の会場方式に戻すことなく、更新手続について検討すべきであると考えます。郵送方式による実施も含め、更新手続について見解を求めます。
 次に、福祉施策の根幹でもある住まいの問題について質問します。
 さきの第一回定例会の一般質問において、都議会公明党は、都営住宅の建て替えに当たっては、単身高齢者の介護ニーズへの対応はもとより、従来からの単身者向けの間取りだけではなく、二人でも住めるような新たな間取りを考案すべきと提案し、建て替え後の都営住宅が単身高齢世帯ばかりの団地となることを防ぐ工夫を求めたところであります。
 これに対し、都からは、二人世帯でも入居可能な間取りや広さを有する単身者向け住戸の導入を検討し、新たに建て替え計画を策定する団地での試行を目指すことや、社会的ニーズの変化を見据えて、二つの住戸を一つの住戸に改修可能な構造とするとの答弁がありました。
 令和五年度も、都営住宅の建て替えは進みます。居住実態を踏まえつつ、高齢者の生活の質の向上や孤立防止を図るとともに、子育て支援や居住者の多世代化に貢献する取組を急ぐべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、産業施策について伺います。
 初めに、都政の場でのスタートアップとの協働について質問します。
 東京が抱える様々な社会課題を解決し、経済成長や雇用の創出を図っていくためには、革新的な技術や発想を持つスタートアップの力を最大限活用していくことが必要です。
 都議会公明党はこれまで、都政のあらゆる現場で、スタートアップの知恵やアイデアを生かしていくことの必要性を訴えてきました。都は、今年度から各局にスタートアップの担当を配置し、全庁にスタートアップとの協働の取組を広げるための体制を構築したと聞いています。
 そこで、出先事務所なども含め、都政の現場において、課題解決のためにスタートアップとの協働を具体的に進めていくことが重要であり、都民へのサービス向上につながると考えます。知事の見解を求めます。
 また、こうしたスタートアップの担い手となるのは、若者であります。知事は、先日の所信表明で、東京のInnovation Baseをこの秋にも有楽町で始動することを明らかにしました。今ある施設を活用し、夢ある若者やその支援者が一堂に集う場をつくることは非常に有意義であります。その観点から、こうした交流の取組を、例えば多くの大学が集積する八王子の東京たま未来メッセ等、多摩地域でも実施すべきであると考えます。見解を求めます。
 次に、中小企業の人材確保のための奨学金の返還支援事業について質問します。
 本事業は、都議会公明党の提案により、人手不足の建設業やIT業、ものづくり企業に就職した学生等に、三年間にわたって最大で百五十万円の奨学金の返済を都と中小企業で支援する事業です。企業からは、これまで採用できなかった設計の担当者がようやく採用できたといった声が聞かれるなど、エンジニアの確保に寄与し、高く評価されています。
 一方、企業からは、対象となる職種が開発技術者などに限定されており、もう少し職種を広げてもらいたいという要望があります。転職をして中小企業に入ってくる若者からは、大学等を卒業後三年以内という要件を二十代まで拡充してほしいという声も聞かれます。
 そこで、中小企業の現場の実態を踏まえ、入社後に様々な現場に配置される技術者にも拡大し、さらには卒業後三年を超えた人の採用も可能とするなど、要件を拡大すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、外国人材の確保について質問します。
 国は、人手不足の十二分野に外国人労働者を受け入れる特定技能制度を導入し、今年三月時点で十五万四千人を受け入れております。
 一方で、日本の技術を身につけて、母国で活躍する人材を育成する従来の技能実習制度では、来日する際に多額の借金を背負っている方がいる等の実態が指摘されてきました。
 今後は、世界的な人材獲得競争の時代において、都内の中小企業を安心して外国人労働者に選んでもらえるよう、都が、日本の法人が多く進出するASEANなどの現地でも積極的にプロモーションを行うべきです。
 そこで、東京都中小企業振興公社がタイのバンコクに設置した拠点なども生かしながら、都内中小企業の外国人材確保に向けた施策を積極的に紹介し、支援につなげていくべきです。見解を求めます。
 次に、下水道におけるリン資源の活用について質問します。
 農産物の育成に不可欠な肥料の三要素の一つであるリンは、ほぼ全量、輸入に頼っている状況であり、ロシアのウクライナ侵攻などが原因で国際価格も高騰し、農家も打撃を受けています。
 全国で年間二百三十万トンも発生している下水汚泥にはリンが多く含まれている中、肥料として利用されているのは、現状、神戸市などごく僅かで、一割程度にとどまっています。
 国では、公明党の推進で、食料安全保障強化政策大綱に、二〇三〇年までに、堆肥、下水汚泥資源の使用量を倍増し、肥料の使用量に占める国内資源の利用割合を四〇%まで拡大する旨が示されました。
 東京では多くの人々が生活しており、下水汚泥の発生量が多いことから、都議会公明党も、昨年の公営企業会計決算特別委員会や公営企業委員会で、都にその活用を促してきました。
 そこで、都における下水汚泥のリン資源化の取組状況について見解を求めます。
 次に、家庭等におけるLPガス利用料金の負担軽減策について質問します。
 物価の高騰は、都民の家計や都内中小零細企業の経営に深刻な影響を及ぼしており、多くの方から不安の声が寄せられています。
 これらを受けて、都議会公明党は小池知事に対し、電気料金や都市ガスとは異なり、直接的な料金の負担軽減の対象となっていなかったLPガスについて、国の臨時交付金を活用して支援策を実施するよう要望しました。このたび二定補正予算案に、一世帯当たり最大三千円の使用料金を値引きする支援事業が盛り込まれたことを評価します。
 本事業は、LPガスの販売事業者を通じて支援を実施すると聞いていますが、都内で約五十七万世帯と見込まれているLPガス利用者に支援を確実に届けるためには、販売事業者の理解と協力が不可欠です。
 また、こうした販売事業者は、行政の手続に不慣れな中小零細事業者が多く、また、例えば神奈川県の事業者が町田市の利用者に供給している事例もあることなどから、都は販売事業者に対する支援を充実させるとともに、本事業の活用を積極的に促していく必要があると考えますが、知事の見解を求めます。
 次に、高額な宿泊料金に対する宿泊税の見直しについて質問します。
 都は、観光の振興を図る施策に要する費用に充てる法定外目的税として、二〇〇二年より宿泊税を導入しています。都は、二十年が経過した現在、創設時と比べ宿泊税をめぐる状況は変化していることから、税の公平性を確保する観点も踏まえ、課税の在り方について見直しを検討する必要が生じていると見解を明らかにしました。その上で、新型コロナなどによる深刻な影響を受けた宿泊業界の状況を踏まえ、当面は現行の課税方式を維持することが適当という結論を出しました。
 東京においては、海外からの富裕層の来日を見越して、次々と高額な宿泊料金のホテルが建設されています。富裕層にとって、一泊十万円の宿泊料金で三千円の宿泊税がかかったからといって、来日しないということはありません。むしろ一泊一万五千円以下の宿泊料金の百円の宿泊税を免除した方が、深刻な影響を受けた宿泊業界を救うことになると考えます。
 そこで、一泊五万円以上の高額な宿泊料金を支払う富裕層については、宿泊料金の三%を課税するなどの定率課税方式を導入し、一泊一万五千円以下の宿泊料金については宿泊税を免除するなど、宿泊税を見直すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 次に、防犯、安全対策について伺います。
 初めに、SNSに起因する犯罪の抑止対策について質問します。
 近年、時代の大きな流れから、SNSに起因する犯罪が多発しています。本年一月に発生したSNSで募集されたヤミバイトによる狛江市の強盗殺人事件は、警視庁の総力を挙げて犯人が逮捕されましたが、いまだSNS上では、隠語を使ったヤミバイトの募集がかけられています。
 他方、出会い系サイトを利用した未成年が性犯罪や薬物犯罪に巻き込まれる事件も後を絶ちません。
 警視庁としても、各種犯罪対策を講じているところでありますが、SNSに起因する少年の非行、被害防止策について、警視庁の見解を求めます。
 次に、銃による犯罪抑止対策についてであります。
 五月二十五日、長野県中野市において猟銃による凄惨な殺人事件が起きました。このことは、決して他人事ではありません。
 令和四年十二月現在、東京都における猟銃等の所持者は約五千人います。このような銃は、法によって自ら保管することが義務づけられています。しかし、許可をする段階で適正な所持者であっても、その後の生活環境等の変化で適正な所持に問題が生ずることもあり、今回の事件でも明らかになったように、自ら保管することは、裏を返せば、いつでもどこでも、これらの銃を発砲することができるということであります。
 そこで、このようなことを抑止するためにも、猟銃、散弾銃、ライフル銃の所持者は、許可を得た後、各警察署に預け、使用する都度申請して使用できる仕組みに改めるべきであります。このことを強く要望し、次の質問に移ります。
 次に、防犯カメラについて質問します。
 現状、都では、防犯カメラについて、我が党などの要望に応え、町会、自治会や商店街などへの補助を区市町村を通じて実施しているほか、子供の安全に特化した区市町村向けの補助も実施しています。
 しかし、補助は皆、公道での設置を対象としたものであり、一層の促進のためには、補助地域の実情を踏まえた、より柔軟な対応が望まれているところでもあります。
 鉄道駅などに至る通路として、都営住宅等の敷地内通路を居住者以外の地域住民が日常的に往来している事例も多く見られ、居住者からすれば、様々な防犯上の不安の要因となっています。
 現に被害も発生しており、対策の強化が必要となっていますが、都営住宅等の自治会やマンションの管理組合の経費だけでは防犯カメラの設置が進まない状況があり、都の支援を望む声が高まっています。
 そこで、地域住民が日常的に通行するなど公道に準じた使用の実態がある場合には、都営住宅等の敷地内通路への防犯カメラ設置についても地域における見守り活動支援事業の補助対象とすべきと考えます。見解を求めます。
 次に、広告宣伝車について質問します。
 東京都屋外広告物条例は、屋外広告物の規制が、都道府県の事務として条例の定めにより行うとされたことを受け制定されました。
 新宿、渋谷などの繁華街では、巨大なトラックが派手な色使いや過度な発光を伴い、大音量で低速周回走行しております。一般ドライバーにとっては、派手な広告は圧迫感もあり、二重、三重駐車や停車の原因にもなっており、景観だけでなく、性風俗への勧誘など青少年の健全育成上も課題があります。
 都は、都議会公明党の質問を受けて、今年二月に新宿と渋谷でそれぞれ六日間調査を実施しました。その結果、確認できた広告宣伝車は七十台で、全て都外ナンバーでありました。
 本条例では、自動車の車体利用広告については、自動車登録された都道府県等の屋外広告物条例に従うこととなっており、東京都で広告宣伝車を規制する条例があるにもかかわらず、都外ナンバーは規制対象外となっています。
 その解決策としては、都内を走る他県ナンバーの広告宣伝車にも本条例が適用されるよう、施行規則の変更だけで対応できるスキームとなっております。他県との連携を進めながらも、早急に施行規則の変更に向けた手続に着手すべきであります。見解を求めます。
 次に、GovTech東京について質問します。
 都は、行政と民間が協働して政策イノベーションを生み出す団体として、GovTech東京を七月に設立する予定です。
 先般、設立準備委員会を開催し、理事長予定者として宮坂副知事を決定したとのことです。選定理由に異論はありませんが、現職の副知事のまま政策連携団体の理事長に就任することについて、都民に分かりやすく説明する必要があると考えます。見解を求めます。
 次に、パートナーシップ宣誓制度について質問します。
 昨年十一月にスタートした都の宣誓制度では、五月末までに七百四十六組に証明書が交付されており、実施の効果が上がっています。
 この制度は、パートナー関係の証明が難しいことから社会的に困難を抱えている性的マイノリティーの方々の人権擁護の取組ですが、同じような状況に置かれ、支援を必要としているのが事実婚の方々です。
 事実婚の方々については、例えば不妊治療を受けようとして、医療機関から相次いで断られるケースがあります。夫婦別姓の制度があればこうした事態は起こりませんが、それだけに、都のパートナーシップ宣誓制度の運用拡大に期待する声が都議会公明党に寄せられています。
 幾つかの自治体がパートナーシップ制度に事実婚も加えていますが、事実婚の申請が三割程度にも上っている自治体もあり、必要性を裏づけています。
 都は、現在のパートナーシップ宣誓制度に事実婚の方々も対象として加えるべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 次に、デフリンピック大会の機運醸成について質問します。
 二〇二五年に開催が予定されているデフリンピック大会に向け、都議会公明党は、大会成功のためタイムテーブルを作成し、障害当事者団体等との連携を強化すべきことなどを提案してまいりました。
 この間、既に大会開催までのロードマップが公表され、四月には、全日本ろうあ連盟や東京都スポーツ事業団において運営組織が立ち上がるなど、準備が急ピッチに進んでいると聞いています。
 準備運営はもちろんのこと、より多くの都民、国民に、デフリンピックやろう文化の魅力を知ってもらうとともに、大会後にレガシーが残るよう取り組んでいくべきです。
 そこで、都は、二〇二五年デフリンピック大会の開催に向け、聴覚障害者の参画や理解促進など、共生社会実現につながるような機運醸成や芸術文化を活用した取組を進めていくべきと考えます。見解を求めます。
 最後に、東京オリンピック・パラリンピック東京大会の不正事件について質問します。
 多くのレガシーを残した東京二〇二〇大会の裏側で、汚職と談合という二つの事件が起きたことは、誠に残念であります。
 都議会公明党は、当初より組織委員会のガバナンスの様々な課題について指摘してきました。例えば、スポンサー企業の決定が、組織委員会の理事会において会長に一任され、さらには高橋元理事一人がマーケティングを任されていた。これが、贈収賄事件の端緒となったことは明らかであります。
 また、談合事件については、会場運営をはじめとしたノウハウが組織委員会に不足しており、その運営が事実上、事業者に丸投げされてしまい、それが不正の温床となったといわざるを得ません。都も組織委員会に幹部職員を派遣して重責を担っており、その責任を免れることはできません。
 今後開催される国際スポーツ大会において都が必要な関与を行うためには、五輪談合事件を厳しく総括するとともに、組織委員会のガバナンスの在り方については、その課題を明確に分析すべきであります。潮田副知事の答弁を求めます。
 第一回定例会の都議会公明党の代表質問において、二〇二五年の世界陸上の開催に向けて、都が運営組織の設立後も引き続き関与していくならば、東京二〇二〇大会での運営手法とは明確に異なる一線を引くべきとして、一つ、運営組織には政治家や利益相反となる者を一切入れない、一つ、民間との契約についても原則公開する、一つ、リスクアプローチの監査手法を導入するなど三条件を示したところであります。この三条件を踏まえた今後の取組について、潮田副知事の明快な答弁を求め、質問を終わります。(拍手)