文教委員会(教育庁所管)事務事業質疑(11/21)

文教委員会(教育庁所管)の事務事業質疑で質問しました。

❶教員の働き方改革
❷ALT
❸不登校対策
❹医療的ケア児支援
❺強度行動障害
❻学校での薬物乱用防止の取り組❶

質問概要
🔵教員の働き方改革について

 教育は人なりと言われるように、我が国の将来を担う子どもたちの教育は教員にかかっております。その意味で、教員とは極めて崇高な使命を持った仕事であります。

学校における働き方改革の目的は、教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになることであります。
その意味から、志ある教員の過労死等の事態は決してあってはならないものであり、そのためにも、学校における働き方改革の実現が必要と考えます。

 社会の変化に伴い学校が抱える課題が複雑化、多様化する中、教員の長時間勤務が看過できない実態も明らかになっております。
この教員の働き方改革を早く進めなければ、教員志望者の減少や欠員の補充等をはじめ、様々な課題が今後ますます深刻化していくものと考えられます。

Q1,教員の長時間労働の改善が必要と考えます。都教育委員会はどのように考えるのかお聞きいたします。

教員の長時間勤務を是正するために、教員の負担を軽減して、児童生徒と向き合えるようにしなければ、いい授業は行えません。そのためにできる限りの先生に覆いかぶさっているものを取り外すことが重要と考える。

Q2,働き方改革について、都教委はこれまでどのように取り組んできたのか伺います。

今答弁がありましたが、教員の教材作成との事務作業を支援してくれる専門的な「スクールサポートスタッフ」は学校にはなくてはならない存在と考えます。
また副校長の補佐をする支援員を配置することは、公務負担を軽減し、所属校職員の人材育成や保護者、地域との連携業務等、副校長の本来業務遂行に大きく貢献しているものと考えます。

Q3,スクールサポートスタッフの拡充、そして副校長を補佐する支援員の配置拡充を求めるところです。配置によりどのくらい勤務時間が縮減されているのか、また今後の取り組みについて伺います。

教員の働き方改革をすすめ、長時間労働を是正していく上で、いろいろな対策がありますが、抜本的には、教員の授業の持ち時間を軽減し、教員の定数を増やしていくことが課題解決に向けての効果ある対策といわれております。
東京都として予算措置や人的措置を充実させ、教職員の人材確保と育成を進めるための教育条件や勤務条件の整備を行っていただくよう要望します。

 
●ALTについて一点質問いたします。
ALTとはassistant language teacher のことで外国語指導助手のことを言います。こどもにとっては英語の先生で外国人の人という方です。
あくまでも助手として、ALT一人で授業をすることはできず、英語担当教員と一緒に授業をする立場です。
英語教育を推進するに当たり、ネィティブの人を活用することは非常に重要であります。しかし一方で、都内区市町村立中学校で勤務するALTの方から、授業において英語で話す機会がない、採点のみを担当させられたといったような声を聞いております。
 Q1,区市町村立学校のALTは、あくまでも区市町村教育委員会が配置していることは承知していますが、ALT活用の趣旨等を十分に理解した上で進めていくことが必要と考えます。区市町村教育委員会に対する都教育委員会の取組について伺います。

ALTはあくまでも区市町村で配置しているわけですが、都教育委員会においても、区市町村の教育委員会と緊密に連携をとっていただき、ALTの更なる活用を進めていただきますよう要望し、次の質問に移ります。

🔵不登校対策 
全国で不登校の児童生徒が急増しています。
文部科学省の調査では2022年度の不登校の小中学生は前年度より約54000人増え、約29万6000人と過去最多になりました。
また東京都内の公立小中学校の不登校の子供は、2022年度調査によると、過去最高の26912人となっており、不登校対策は喫緊の課題であります。
 
○小学校や中学高校と不登校の原因はそれぞれ異なるところではありますが、不登校の理由としては、文科省のデータでは
無気力・不安、親子の関わり方、遊び・非行、友人関係、などとなっております。

様々な要因があるとしても、未来を担う子どもたちが学校にいけない状況は続くことは、本人・家族にとってもまた社会にとっても大きなマイナスであり、不登校の状態をいち早く克服できるようにしていかなければならないと考えます。

Q1,不登校が急増している現状について都教育委員会の認識と、不登校対応の取り組みについて伺います。

今、答弁がありましたが、不登校対策として、教育支援センターへの支援やスクールカウンセラーの全小中学校に配置など実施しているとの答弁でした。

不登校の学びの場の確保の一環として、自分の教室に入りずらい時の居場所確保として、校内別室支援指導がスタートしています。
校内の別室指導は、不登校のこどもの学びの場として、不登校の未然の防止と学びの確保には効果があると考えます。
 ここでは、子供の悩みや不安に寄り添い、相談を受けたり、教室とオンラインでつないで受ける授業の補助や、習熟度に合わせたドリル学習の支援など、個に応じた指導を行っているとのことです。
Q2,別室指導支援員が、ひとり一人のこどもの状況に応じて対応し、一層の効果をあげられるようにすべきと考えるが、都教育委員会の取り組みを伺います。

令和5年度現在別室指導は 小学校37校 中学172校 高校17校とのことですが、今後全小中校への配置を急ぐべきことを要望いたします。

東京都教育委員会は、日本語指導が必要な子供や不登校の子供たちの居場所・学びの場として、仮想空間上に「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」を用意し、令和4年度から、新宿区教育委員会と連携し、デモ運用を実施してきました。
Q3,バーチャル・ラーニング・プラットホームを活用した居場所・学びの場を区市町村に提供する事業の効果、今後の展開について伺います。

次に、都立高校における不登校の対応についてですが、高校の中途退学防止のためにも、入学させた生徒を最後まで責任をもって丁寧に指導していくことが重要と考えます。
不登校の生徒を支援していく上から、オンラインを活用した学びの場の対応は必須と考えます。
Q4,都立高校では、学校に通わずオンラインを活用するなどして学習している生徒に対して、どのように支援し、単位認定を行い、進級や卒業につなげているのかを伺います。

現在、都立高校のオンラインを活用した学びの場での単位認定においては、学校長の判断とされています。統一的な単位認定の在り方の検討を進めるべきと要望し、次の質問に移ります。

●医療的ケア児支援について
2021年に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行され、医療的ケア児とその家族に対する支援に関し、国と地方公共団体の責務が規定されました。
私も今年の予算特別委員会で在宅レスパイト事業の時間拡大や通学に係る福祉タクシー代を随時精算可能にするなど提案し実現させていただきました。

また、修学旅行等の宿泊学習では、医療的ケア児の保護者は付添いを求められており、その際の費用は保護者負担となっていました。予算特別委員会では、こうした経済的な負担を軽減すべきと要望いたしました。その際の答弁では、医療的ケア児の就学に関する経済的負担を軽減していくとのことでした。

Q1 そこで、宿泊学習における保護者の負担軽減について、現在の取組の状況を伺います。

宿泊学習の保護者付添い経費につきましては、家庭の収入によらず全額を就学奨励費で負担するよう改善されたことを確認させていただきました。

 提出された資料によると、令和5年9月の1か月における車両の運行状況の集計では、都立特別支援学校における医療的ケア児のための専用通学車両の、運行に占める看護師乗車割合が83.2%と示されました。
 徐々に看護師の確保が進みつつあることが分かりますが、今後も看護師乗車割合を上げていくことや、医療的ケアのある児童等が保護者の付添いを極力減らしながら、校外学習や宿泊学習に参加できるよう、体制を整備していくことが求められています。

Q2 校外学習及び医療的ケア児専用通学車両など医療的ケア児の支援には看護師が必要でありますが、その確保策について伺う。

看護師業界では人手不足の状況であります。今後とも看護師確保に努め、看護師乗車割合を増やせるよう要望して次の質問に移ります。

●強度行動障害への対応について

○強度行動障害は、生まれ持った障害とは異なりますが、重度の知的障害を伴う自閉症の人に多く、自分の気持ちや困りごとを伝える方法が分からないため、自分自身や周りの人を傷つけたりする行動が増えてしまう状態のことと聞いております。
○私は、強度行動障害のあるお子さんを受け入れる障害児入所施設を視察したり、強度行動障害のある子をもつ保護者の方からお話を伺ったりする機会がありました。
○そうしたお子さんが通っている特別支援学校の教員や、入所施設の職員、そして保護者の方々のご苦労は極めて大変なものがあると思いました。

Q1,特別支援学校において適切な指導を行うことは大変重要だと思いますが、都教育委員会の認識と、強度行動障害の未然防止も含めた指導方法の具体的な事例について伺う。

(質問2)
○強度行動障害のあるお子さんへの指導については、今まで強度行動障害のお子さんと対応してきた「しいの木特別支援学校」や「清瀬特別支援学校」などの先生方が中心となって、試行錯誤しながら現場で取り組んできていると聞いております。

Q2,現場の教員の悩みに応えるためにも、これまで特別支援学校において培ってきた強度行動障害に関する指導のノウハウを、全ての都立特別支援学校に広げ、充実させていけるようにすべきと考えるが、見解を伺う。

強度行動障害は後天的に生じるものといわれており、適切な支援をすれば和らぐとされる一方で、対応は非常に難しいといわれております。
特別支援学校で培った強度行動障害に関するノウハウをしっかりと、全特別支援学校に広げていただくことを求め最後の質問に移ります。

🔵最後に学校での薬物乱用防止の取り組みについて
都議会第三回定例会の公明党の代表質問でとりあげましたが、
近年、市販薬をオーバードーズ(薬の過剰摂取)する若い世代が増加しており、若者が市販薬を「オーバードーズ」した結果、救急搬送されるなど社会問題化しています。
国の研究班による各種調査では若者の間でオーバードーズが広がっていることが示されており、「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査」によると依存症の治療を受けた10代患者のうち市販薬が「主たる薬物」であった患者は65%にのぼり、「薬物使用と生活に関する全国高校生調査2021」の調査では、過去一年以内に市販薬の乱用経験があると答えた高校生が約60人に一人の割合となったということです。
また、東京消防庁の令和4年度での市販薬のオーバードーズに関する搬送人員では年間搬送人員143名の内、二十歳未満の若者が54件と約38%を占めており、特に若年女性を中心に依存・乱用が広がっているとのことでありました。

Q1,現在、中高生の若い世代において、市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)が社会問題となっている。若い世代の薬物乱用を防止するためには、学校における指導が重要と考えます。現在の取り組み状況、今後の対策について伺います。

都は保健医療局が中心となって、啓発活動、規制や取締りなど総合的な薬物乱用防止対策を実施しております。
保健医療局、教育庁と連携を取り、子どもたちの薬物乱用防止に向けた対策をすすめて頂くことを求め、私からの質疑を終わります。