今日は、第四回定例会の最終日
都議会公明党を代表して「討論」で登壇しました。
以下、討論概要を掲載いたします。
都議会公明党を代表し、知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第15号、16号、17号に反対の立場から討論を行います。
初めに、令和5年度東京都一般会計補正予算について申し上げます。
都議会公明党は二度にわたり、知事に対し、補正予算に盛り込むべき対策について緊急要望を行いました。わが党の要望に応え、医療、福祉施設などの光熱費高騰分への支援やLPガスを利用する方々への支援、消費を喚起し経済を活性化するためのポイント還元などの対策を盛り込んだことを評価します。
ポイント還元事業については、措置した経費がしっかりと都民や事業者に行き渡るよう、積極的な周知と丁寧なサポートを行うことが必要です。都議会公明党の要請に対し、知事は、普段から訪れる店舗での利用を増やすため、サポート内容に関し、地域の方に確実に伝えるPRを店先で進めるほか、コールセンターによるきめ細かい案内を行う考えを明らかにしました。着実に支援が行き渡るよう、事業の推進を改めて強く求めます。
次に、子育て・教育施策についてです。
都議会公明党は、小池知事就任直後の2016年の第3回定例会の代表質問において、高校授業料の公私間格差の解消に取組むべきと提案しました。知事は、公私間格差の是正の観点から保護者の教育費負担の軽減にしっかりと取組むと積極的な姿勢を明らかにしました。以後、都は都議会公明党の度重なる提案を踏まえ、2017年度には年収760万円未満まで、そして2020年度には年収910万円未満まで実質無償化を拡充してきました。そして今回、私どもの提案に応え、知事が所得制限のない高校授業料の実質無償化の実施を表明したことを高く評価するものです。
また、代表質問でも指摘した通り、授業料を一旦納付した後に返還される現行の仕組みは保護者にとって大きな経済的負担となっています。当初から平均授業料まで納付しない仕組みに改めるよう、強く求めます。
さらに我が党は、学校給食費の無償化についても、来年4月から実施できるよう、区市町村に対して最低でも2分の1の助成を実施するよう知事に求めました。これに対し、知事は、要保護世帯の給食費の免除に対して国が2分の1を負担している事例も参考に、予算編成で具体的に検討することを明らかにしました。早期かつ確実な実施を改めて強く求めます。
次に、子ども・若者施策についてです。
都議会公明党は、若者施策について、各局連携のプロジェクトチームを立ち上げ、全庁一丸となって施策展開を行うよう求めました。これに対し、都は、政策企画局が中心となり、各局横断で施策の強化を図っていくと答弁しました。
また、我が党は、トー横をはじめ都内各所に、子ども・若者の居場所の設置を進めるよう求め、都は、新たに立ち上げる予定のトー横の相談窓口において、NPO等(など)とも連携し、青少年が安心して立ち寄れる場を提供していく考えを明らかにしました。社会的孤立に悩む若者の支援に全庁を挙げて取組を進めるよう改めて強く求めます。
次に、保育職の賃金増についてです。
国においても処遇改善の仕組みはありますが、補助金算定の範囲が限られていることから、都議会公明党は、全ての従事者を対象に、都独自の補助を行い賃金増を図るとともに、リモート研修の拡大に要する費用などを補助し、質の向上に向けた支援を行うよう求めました。これに対し、都は、更なる保育の質の向上に向け、職員が研修に参加できる機会を増やすとともに、技能・経験に応じた処遇改善が実現できるよう、必要な支援策を検討する考えを明らかにしました。都の実効性ある取り組みを強く求めます。
次に、加齢性難聴への対応についてです。
現在、包括補助に組み込まれている区市町村が実施主体となる補聴器補助について、都議会公明党は単独補助化に踏み切るべきこと、併せて補助基準額設定の見直しを行うことを求めました。これに対し、都は補聴器の適切な利用につなげるために必要な支援など、効果的な施策の実施を検討することを明らかにしました。補聴器の利用を希望される方への支援を強く求めます。
次に、介護・高齢者施策についてです。
介護人材の不足や早期の離職は深刻な課題です。都議会公明党は、物価高なども踏まえ、介護職場で働く全ての職員を対象に、緊急の補助金を支給するとともに、宿舎借り上げ補助金についても使い勝手の改善を進め、要件の緩和を図るべきと訴えました。これに対し、都は、介護職員宿舎借り上げ支援事業の要件の緩和を含め、施策の充実を検討していく考えを明らかにしました。都市部における介護賃金は特に低い状況にあります。都の積極的な支援を改めて強く求めます。
次に、シルバーパスについてです。
都議会公明党は、シルバーパスの負担金について、住民税非課税者が年間1000円であるのに対し、住民税課税者が2万510円であることを指摘し、住民税課税者も非課税者と同等の安い費用負担とするよう知事に求めました。知事は、社会状況の変化の中、制度の検討にあたっては、利用実態の把握や東京バス協会との調整など整理すべき課題があるとの認識を示しました。高齢者の社会参加と福祉の向上に重要な役割を果たすシルバーパスの充実を改めて強く求めます。
次に、産業労働施策についてです。
都議会公明党は、近年大きな問題となっているカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」について、防止条例の制定に早期に着手するよう知事に求めました。これに対し、知事は、専門家等による検討の場を設け、具体的な対応の方法について議論を進めているとした上で、今後の議論の内容を踏まえ、適切な対応のあり方について検討するとの方針を示しました。全国最多の労働者と顧客を抱える東京こそ対策を急ぐべきです。早急な取組を改めて強く求めます。
次に、就労支援についてです。
人手不足や働き方改革の動きを踏まえ、建設や物流等の中小企業が、労働時間の削減を図る場合に要する設備改善等について、通常よりも補助の枠組みを強化して支援することなどが求められています。都議会公明党の指摘に対し、都は、業務効率の向上等に役立つ取組の支援に力を入れることなどを明らかにしました。働き方改革の本格実施に向け、迅速かつ着実な取組を強く求めます。
このほか、AYA世代がん患者への在宅療養支援、シルバー人材センターの機能拡充、公共工事契約の働き方改革への対応、都庁技術職員の人材確保、東京農業の振興、水素社会の実現に向けた取組、電動モペットの交通安全対策などについて見解を求め、都からは、いずれも前向きな答弁を得たところであります。
最後に、共産党提案の議員提出議案第16号及び第17号について申し上げます。
共産党提出の学校給食費の助成にかかる条例案は、いずれも、東京都が学校給食費の無償化に要する経費を全額負担することとされています。
しかし、学校給食費の問題は東京都に限らない全国共通の課題であり、学校給食法の改正の必要性もあわせ、国の責任において検討、実施されるべきものです。また、学校給食の提供は、同法において設置者の努力義務とされており、区市町村立学校については、区市町村がその実施主体とされています。
こうした観点から、都としては、まず国に対し、学校給食費の無償化の早期実現を強く求めるべきです。そのうえで、国の無償化が実現するまでの間、現下の物価高騰の状況も踏まえ、学校設置者たる区市町村が給食の無償化に取り組めるよう、都として対策を講じていくことが重要です。
今回、都は共産党の条例を待つまでもなく、都議会公明党の要望を受け、学校給食費の負担軽減に大きく踏み出しました。予算措置が必要な条例案を提出する場合には、都庁当局との財源の協議を行い、財源の見通しを得た上で提案するのが責任ある政治姿勢であり、その取り組みが見られない共産党案には反対します。
議員報酬2割削減の改正案につきましては、任期中一杯の継続を都議会公明党は提案しております。
都議会公明党は、地域に根差したネットワークの力をさらに強化し、現場の声に真摯に耳を傾けながら、東京の経済と都民生活を全力で守っていくことをお誓い申し上げ、討論を終わります。