令和6年第1回定例会 代表質問(2024.2.27)

2月27日に都議会第1回定例会代表質問が行われ、公明党を代表して東村邦浩幹事長が登壇し、42項目にわたり質問を行いました。

以下質問概要です。

百八番(東村邦浩君) 元旦に発生した能登半島地震から、今日で五十七日となりました。震災で亡くなられた方々のご冥福を衷心よりお祈りし、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
 一刻も早い復旧復興に向け、公明党一丸となって全力を尽くしていくことをお誓い申し上げます。
 昨年十二月三十一日に名誉都民中村メイコさん、二月六日に名誉都民赤松良子さん、名誉都民小澤征爾さんがご逝去されました。ご生前のご遺徳をしのび、謹んで哀悼の意をささげます。
 都議会公明党を代表して質問します。
 まず、人口減少社会と少子化対策の観点から六点質問します。
 まず、教育費の負担軽減であります。
 国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、日本の人口は少子化により現在の一億二千六百万人から、三十二年後の二〇五六年には一億人を割ると予測されています。その際には、一人の高齢者を一人の現役世代で支えるという社会構造になります。
 現在の出生率は、沖縄県が最大で一・七、最小が東京都で一・〇四です。この人口減少は人口移動が起きる中で進み、特に東京に若者が集中し、少子化がより一層進むといわれています。
 この調査で、複数の子供の数を持たない理由として最も多かったのが、子育て、教育にお金がかかり過ぎるが五二・六%でした。やはり、子供を産み育てたい家族にとって、子育て、教育支援の経済的な負担軽減は非常に大事です。特に、地方に比べて物価の高い東京都においてはそのことがいえます。
 都議会公明党は、そういった観点から、一貫して子育て、教育支援の経済的な負担軽減を訴え、実現してきました。具体的には、ゼロ歳から二歳までの保育料の第二子以降の無償化や子供が親の就労の有無にかかわらず保育園に通える制度の構築、高校三年生世代までの医療費の無償化などが実現しました。
 さらに、今年の四月からは、都議会公明党が毎定例会で訴えてきた所得制限を設けない都立高校、私立高校の授業料の実質無償化が知事の決断によりスタートすることになりました。高校生世代のお子さんを持つ家庭からは大変に喜ばれています。
 ただ、私立高校の授業料の実質無償化については、各学校の意向により、四月からも一旦学校に授業料を納めなければならず、七か月後の十月に授業料が返還されるという仕組みになっています。
 所得制限の撤廃により所得審査がなくなった今こそ、都は国の就学支援金の立て替えや都の特別奨学金の早期支給により、できるだけ速やかに保護者の負担をなくすために、実質無償化をする私立高校の授業料を支給すべきであります。知事の見解を求めます。
 二点目にフリースクールへの支援についてです。
 都の不登校数は過去最多となり、学校以外の学びの場であるフリースクールのニーズが高まっています。しかし、フリースクールに通うには月額平均四万三千円の費用がかかります。また、フリースクールの経営者からは、活動内容を充実させたいと考えても公的な財政支援がないため困難であるとの声を伺っています。
 そこで、学校になじめない子供たちがフリースクールで安心して学び、成長できるよう、都は、既存の枠組みを超えて、保護者やフリースクールへの財政支援策を打ち出すべきと考えます。見解を求めます。
 三点目に、親の就労の有無にかかわらない保育の利用についてです。
 都議会公明党は、親の就労の有無にかかわらず、専業主婦のご家庭なども希望すればゼロ歳から二歳までの乳幼児が保育を受けることができる仕組みの構築を提案し、都は本年度から多様な他者との関わりの機会創出事業として取組を開始いたしました。しかし、その際、利用料については第二子以降の無償化を提案しましたが、実現をしていません。
 そこで、来年度からは、多様な他者との関わりの機会創出事業においても、第二子以降の無償化をはじめとして、より多くの子供たちが保育を受けることができるようにすべきです。見解を求めます。
 四点目に、子育て世代への住宅提供についてです。
 子育て世代の経済的な負担の一つに、東京における住宅事情があります。
 住まいは人が生きていく上での基本であります。しかし、東京の住宅価格は高層マンションの投機などにより上昇し、住宅を購入した場合でも、賃貸の場合でも、所得に占める住宅費の割合は最も多くなっています。そのため、二人目、三人目のお子さんの出産にちゅうちょされている家庭も少なくありません。
 そこで、こういった社会的課題を解決するために、都が現在実施をしているインパクトファンドなどを活用し、民間の活力によって子供が二人以上いる家庭に対して、子育てが終わるまでの期間、低廉な家賃で住宅を提供する仕組みを構築していくことが有効と考えます。
 こうした取組を視野に入れ、都内に八十万戸以上あるといわれている空き家を活用して、子育て世帯向けの住宅確保に取り組むべきと考えます。知事の見解を求めます。
 五点目に、都営住宅を活用した若年夫婦世帯や若年単身者に向けた支援についてです。
 まず、若年夫婦世帯などに向けた募集の改善です。
 子育て生活を予定する都民にとっては二DKなどの間取りでは狭く、三DKや四DKといった大きな間取りの住戸が必要です。
 そこで、今後は、若年夫婦や子育て世帯向けの定期使用住宅の募集において、将来の子育てや、現在子育て中であっても二人目、三人目を安心して産み育てられるよう、さらに緩和し、積極的に広い住宅を提供すべきです。見解を求めます。
 関連して、都営住宅での単身者募集の改善についてです。
 就労に意欲的に取り組んでいても、経済的に苦しい状況が続く単身の若者などへの生活支援は極めて重要です。
 生活の基礎となる住宅を確保する選択肢を増やすとともに、経済的により安定できるよう、都営住宅においても本来の目的を逸脱しない範囲で積極的に支援を図るべきです。
 そこで、単身の若者などに対し、応募割れの都営住宅の空き住戸を活用して、住宅支援と就労支援等がセットになった施策を講ずるべきと考えます。見解を求めます。
 六点目に、子供のインフルエンザ予防接種費用の助成についてです。
 現在、インフルエンザワクチンは、高齢者等が重症化予防のため定期接種化され、費用助成されています。しかし、子供に対しては、重症化予防のための有効な対策の一つでありながら、任意接種のため、十三歳未満の子供には二回接種ということもあり、子育て世帯では大きな家計負担となります。
 また、子供はインフルエンザに罹患すると肺炎や脳症などの重症化のリスクもあり、自宅療養中の見守りが欠かせず、大人の負担も計り知れないものがあります。
 そのため、都議会公明党は、子供インフルエンザ予防接種費用の助成に取り組む自治体に対し、都として支援すべきと昨年十一月に小池知事に要望し、さらに新年度予算の最重点要望に入れて、重ねて要望してきたところであります。
 今回、令和六年度の予算案に十三歳未満の子供インフルエンザワクチン接種助成の予算が計上されたことは評価するものです。
 今回は、想定接種率を五〇%で予算を組んでいますが、それを上回るときにおいても柔軟に対応して取り組むべきです。見解を求めます。
 次に、能登半島地震の被災地支援について質問します。
 二月一日、都議会公明党は、公明党の現地の地方議員や現地とつながりのある団体からいただいた声を要望書にまとめ、知事に申入れを行いました。
 そこで、この申入れ内容に沿って三点質問します。
 一点目は、災害廃棄物の受入れ処理です。
 能登半島地震で発生した災害廃棄物は、石川県で二百四十万トンと推計され、通常の七年分に相当し、この災害廃棄物が復興の足かせになるといわれています。
 東日本大震災のときも、都議会公明党の申入れにより都は岩手県や宮城県からの災害廃棄物を受け入れ、都内各自治体の協力の下で処理を行いました。
 今回も、私の地元八王子市などからは、都が受け入れるのであれば、ぜひとも協力したいという申出がありました。
 都は、東日本大震災のときのノウハウも生かし、率先して災害廃棄物を受け入れてもらいたいと思います。
 また、現在の被災地の状況に目を転じると、公費解体に携わる職員が足りないことが喫緊の課題として浮かび上がってきます。これらの業務は、災害廃棄物処理の第一歩といえるものであり、早期の復興に向けて迅速な対応が必要です。
 こうした点を踏まえ、今後、都において、災害廃棄物の受入れや職員の派遣など、被災地のニーズを的確に捉え、積極的な支援を行うべきと考えます。見解を求めます。
 二点目は、石川県の観光復興支援です。
 国は、被災県の観光復興を後押しするために、石川県、富山県、新潟県、福井県に対し、北陸応援割を三月から実施するとしています。
 しかし、石川県については県知事の判断で延期となりました。石川県の組合とも連携をしている東京都ホテル旅館生活衛生同業組合の話によると、能登半島にある和倉温泉については、現状では受入れが厳しい状況であるが、金沢市内の一部ホテルや片山津温泉、山中温泉、山代温泉などの加賀温泉郷では十分に受入れが可能であるとのことでした。
 東日本大震災の際、都議会公明党は、二か月後に岩手県、宮城県、福島県の三県に入り、県や市町、経済界の方々と意見交換をしましたが、まず、どのような目的でもよいから被災地に来ていただき、経済を活性化してほしいという強い要請がありました。その要請を受け、直ちに当時の知事に申し入れた結果、一泊三千円の補助が出る被災地応援ツアーが実施されることになりました。
 今回も、石川県の受入れ可能な観光地や温泉地を都が積極的にプロモーションを行うなど、石川県の観光復興を支援すべきと考えます。見解を求めます。
 三点目は、被災地の子供たちをスポーツを通して元気にしたいということです。
 能登半島の子供たちは、小学校、中学校の授業が再開しても、小学校の校庭に仮設住宅が建設されるなど、グラウンドが使えず、野球やサッカーなどのスポーツが思う存分にできないとのことです。
 都議会公明党は、東日本大震災のときも、子供たちに思う存分にスポーツをさせてあげたいという各県の体育協会からの要望を受け、都に要請し、夏休みに被災地の子供たちを招いて東京の子供たちと野球やサッカーを通して交流する事業が実施されました。
 この事業は、東京二〇二〇大会の開催まで続き、被災地と共にという東京二〇二〇大会のコンセプトの一環を担いました。
 また、この事業は子供たちのホームステイが原則でしたが、保護者からは、最初は大変であったが、今でも子供たちは被災地の子供たちとの交流が続いていると喜んでいます。
 能登半島の子供たちをスポーツを通して元気にしていくためにも、今回も夏休みを利用して、被災地の子供たちとのスポーツ交流事業を行うべきと考えます。見解を求めます。
 次に、大規模地震対策について質問します。
 今回の能登半島地震で、私たち東京も改めて取り組まなければならない教訓を得ました。
 まず第一に、倒壊した建物や土砂の崩落により道路が寸断され、早期の救命活動に支障を来し、避難している方々への支援物資の運搬が大幅に遅れたということです。
 都は、二〇一九年度より一貫して、倒壊することにより緊急輸送道路を塞ぐおそれのある沿道建築物の耐震化を進めていますが、一棟でも沿道建築物が倒壊すると、緊急輸送道路が機能しなくなることから、この事業は一〇〇%実現しなければ意味がありません。
 そこで、倒壊することにより緊急輸送道路を塞ぐおそれのある沿道建築物の耐震化の現在の状況と、一日も早く一〇〇%を実現していただくための今後の都の取組について、知事の見解を求めます。
 次に、輪島の朝市周辺の大規模な火災による延焼です。
 国土交通省によると、この火災で約三百棟の建物が焼け、五万平方メートルが焼失したと推定されており、延焼速度は最大で時速四十メートルと推測されています。改めて、密集した木造建築物の火災による延焼の怖さを教えられました。
 都は、木造住宅密集地域において火災の延焼を遮断し、救助や避難などの防災性向上に資する幅員十五メートル以上の都市計画道路である特定整備路線を二〇二五年度までに整備するとしています。
 そこで、現在の進捗状況と事業を進める上での課題、その課題の解決に向けた取組について見解を求めます。
 次に、住宅の耐震化についてです。
 能登半島地震では、築年数の古い旧耐震基準の住宅に加え、新耐震基準の住宅も倒壊するなど甚大な被害が発生し、多くの方々が住まいを失い、避難生活を余儀なくされています。
 東京においても、首都直下地震に備えて戸建て住宅の耐震化に向け、都民への支援や周知の取組を強化すべきと考えます。見解を求めます。
 また、新耐震基準の耐震化をさらに進めていくため、都議会公明党は昨年の予算特別委員会において、耐震化促進税制の軽減対象を新耐震基準の木造住宅の改修へと拡充するよう提案しました。住宅の耐震化のさらなる推進に向け、来年度以降、新耐震基準の住宅にも税制面からの対応をすべきです。見解を求めます。
 次に、液状化対策についてです。
 能登半島地震では、液状化は石川県内だけでなく、震源から約百六十キロ離れた福井県坂井市をはじめ、富山、新潟の各県で発生しました。また、東日本大震災でも、震源地は三陸沖百三十キロ先の海底でしたが、遠く離れた東京臨海部でも液状化が発生しました。
 都議会公明党は当時、特に被害が深刻であった浦安市などを視察し、家屋が傾くだけでも生活が困難に陥ってしまうことを議会で訴え、液状化マップやポータルサイトなどの対策の充実に結びつけました。
 今回の能登半島地震の被害状況からも、首都直下地震では、都内の埋立地域や地下水の深度が浅い地域などでは液状化が広く発生し、被害が甚大に及ぶ危険性があります。
 そこで、個人建て主だけでなく、建て売り事業者にも適用するなど補助対象を幅広く設定し、液状化対策工事への補助を開始すべきです。
 また、液状化への不安は、危険度が高い地域に既に居住されている都民ほど強く感じておられます。新築工事だけでなく、既存建築物での対策にも補助を適用すべきです。見解を求めます。
 さらに、建築工事費の上昇が続く中にあっても、液状化対策が進むよう必要性を周知するほか、事業者と連携し、液状化の対策の促進策を検討すべきです。見解を求めます。
 次に、上下水道の機能確保です。
 能登半島地震では、大規模な液状化や数メートルにも及ぶ地盤の隆起、側方流動などによって、上下水道施設にも大きな被害が発生しました。今後、十分に検証した上で、都内においても対策を練り直す必要があります。
 まず、飲料水については、能登半島地震では最大十三万五千戸が断水し、今後も被害が長期化する市や町もあるとのことです。
 都では、基幹施設での機能不全に備えて、耐震継ぎ手管への取替えや災害時給水ステーションの整備などに加え、複数の浄水場などの間で相互に機能を補完し合う上水道施設の整備を急いでいますが、相互の機能補完の整備の状況は、現状八割程度と聞きます。残りが二割とはいえ、都内の人口規模からいえば、百万人単位で断水が長期化する可能性があり、想像を絶するほどの応急給水対策が必要となります。
 都として計画を練り直すことも視野に、水道の強靱化をさらに推進すべきと考えます。水道局長の見解を求めます。
 また、下水道施設が機能不全となれば、トイレが使えなくなり、衛生環境が悪化し、感染症を引き起こすなど命にも及ぶ極めて危険な事態が予想されます。さらに、施設の復旧がままならぬ中でも、沈殿処理や塩素の投入など可能な応急対策に日頃から備えておく必要もあります。大規模震災時に対応できる下水道機能の確保に取り組むべきです。下水道局長の見解を求めます。
 次に、災害時のトイレ対策についてです。
 能登半島地震被災地では、劣悪なトイレ環境による公衆衛生の問題も報道で大きく取り上げられました。首都直下地震が発生した場合、多くの避難者に対して、被災自治体だけで災害時のトイレを確保することは困難であり、広域的な対応が必要です。
 こうした中、大事なことは量と質の確保です。そのためには、都内区市町村や他県、民間などとの連携が鍵を握ります。
 そこでまず、量の観点から、災害発生直後の混乱期においても、必要なトイレを確実に確保すべきです。また、来年度策定するトイレに関する計画には、トイレトレーラーも含め、能登半島地震で投入された様々なトイレの活用、連携や、加えて、し尿処理についても検討を進め、質の確保も図るべきと考えます。見解を求めます。
 フェーズフリーという概念があります。平時と災害時の垣根を取り払い、身の回りにあるものやサービスを平時はもちろん、非常時にも役立てるというものです。能登半島地震を踏まえ、今後、災害対策の必要な見直しを行っていく際、フェーズフリーという新しい概念、考え方を取り入れて、災害対策を推進すべきです。加えて、都民にも広くこの新しい考え方を周知すべきです。知事の見解を求めます。
 次に、教育施策について伺います。
 初めに、教員のメンタルヘルス対策について質問します。
 教員における二か月以上の長期欠勤の都道府県別の発生率を比較すると、都は常にワーストスリーにあり、発生数では人口規模が多いことから、ワーストワンを続けています。教員におけるメンタルの不調は、児童生徒の学習環境にとってマイナス要因であると同時に、担い手不足が続く新規教員の採用においても看過できない事態であり、本格的な対策が必要です。
 都教育委員会では、教職員のメンタルヘルス対策として臨床心理士等が学校を訪問し、面談を行うアウトリーチ型相談事業を実施しており、面談を受けた教員からは、人に話すことで自分の悩みが明確になったなどの声があると聞いています。
 メンタルヘルス不調の未然防止と早期発見に向け、アウトリーチ型相談事業の拡充を目指し、都立学校はもとより、実施に取り組む区市町村教育委員会の数も、学校の数も大きく拡充を図るべきと考えます。見解を求めます。
 メンタル不調の未然防止には、悩みを抱え込まないで、早期にアドバイスを受けることが効果的といわれています。
 しかし、採用後間もない新任教員などにおいては、気軽に相談できる人間関係が周囲に形成されておらず、管理職教員に対しても、年齢や経験年数などから胸襟を開きにくい現状もあると聞きます。
 都は、こうした現状を踏まえ、アウトリーチ型相談事業の充実に加えて、都立学校はもとより、教員が日頃の悩みを相談しやすい人的環境の整備を学校内で図る必要があると考えます。見解を求めます。
 加えて、保護者への対応は教員の職務の一環であり、真摯で丁寧な対応に努めることが原則です。
 しかし、正常な授業運営や児童生徒への指導に支障を来すと判断されるほどに難しい保護者対応に当たっては、外部の専門家が小中学校の教員に代わって対応に取り組む支援の仕組みが必要と考えます。見解を求めます。
 次に、看護師等修学資金について質問します。
 都内には、看護師を養成する様々な施設が存在します。都立や民間立の専門学校や大学などに設置された様々なコースにおいて、学生たちは看護師を目指し、日々学びを進めています。
 東京都看護師等修学資金は、全ての看護師等養成施設の学生を対象とした都内看護職員の確保と学びの支援を目的とした制度です。より幅広く支援が行き渡ることが重要であり、これまで都議会公明党は、月額五万円の貸与を受けた場合でも、都内どの病院、どの施設でも五年間従事した場合には全額免除となるよう、返還免除額を拡大し、支援を充実すべきと提案してきました。
 今回、都は、看護師等修学資金貸与条例の改正案を提出しています。都内看護職員のさらなる確保と看護師を目指す学生への支援に向けた今後の都の取組について、見解を求めます。
 次に、高齢者施策について伺います。
 初めに、シルバーパスの充実について質問します。
 都議会公明党は、高齢者が社会参加により健康寿命を延伸するために、シルバーパスの果たす役割が大きいことを踏まえ、これまで事業の継続と充実を都に要望してきました。そして、昨年の第四回定例会代表質問では、利用者負担について、住民税課税者も非課税者と同等の安い費用負担とすることを提案いたしました。
 知事は所信表明で、アクティブな長寿社会を実現するとして、今後、アクティブChojuプロジェクトを展開することを表明しました。
 そこで、シルバーパスについても充実を図るべきと考えます。知事の見解を求めます。
 次に、介護人材支援策について質問します。
 都における介護職員数は、令和七年度には約三万一千人の不足が見込まれています。その要因が極端な介護職の低賃金にあるとして、都議会公明党は昨年の第四回定例会代表質問において、介護報酬を都が独自に設定できない代わりに、都独自の手当の支給で支援を行うよう求めました。さらに、知事への予算要望では、家賃などコストの高い東京の特性を踏まえた手当の支給を最重点事項として要望しました。
 これに対し、都は、介護だけでなく障害者施設で働く人も対象として、居住支援の特別手当を支給することとしたことを評価します。
 そこでまず、特別手当の具体策について説明を求めます。
 介護職でも、とりわけ訪問介護のヘルパー不足は深刻で、有効求人倍率はなんと十五倍を超えています。にもかかわらず、来年度の介護報酬改定では、施設系の基本報酬は増額となるものの、訪問系は減額されることになりました。そのため、公明党は国会の場で見直しを求め、総理からは、処遇改善加算の手続を簡素化することで加算を取りやすくして収入増に結びつくようにする旨の答弁がありました。
 都としても、訪問事業所に対して、処遇改善加算の取得簡素化周知と取得手続支援が必要です。
 さらに、昨年の第四回定例会でも指摘したように、若手や介護未経験者の資格取得などで、在宅介護の要である訪問介護事業者を支援するとともに、介護現場で働く訪問介護ヘルパーの支援策を強化していくべきと考えます。今後の対応について、併せて見解を求めます。
 人手不足が深刻化する介護現場で、今後活躍が期待されているのが外国人材です。外国人の受入れは、二〇一九年に新たな在留資格、特定技能が導入されたことを背景に、ここ数年で大きく進んでいます。
 一方で、様々な分野において国際間の人材確保の競争は厳しくなっており、特に最近の円安によって、日本で働く積極的な理由が失われつつあるという話も聞いています。
 人材獲得競争が激化する中、東京の介護現場が外国人に選ばれるためには、都が東京で働く魅力を海外に向けて発信するとともに、介護施設の海外からの人材獲得支援に積極的に取り組むべきと考えます。見解を求めます。
 次に、高齢者就労支援について質問します。
 都議会公明党は、昨年の第三回及び第四回定例会代表質問において、都は働く意欲のある高齢者へ幅広い就労機会の提供に取り組んでいくべきと提案しました。今後、住みなれた地域において、本格的な仕事を望む高齢者のニーズに応えていくために、シルバー人材センターが地域の事業者から多くの就業機会を確保できるよう、取組を強化していくべきです。見解を求めます。
 また、都は、令和六年度予算案において、プラチナ・キャリアセンターを創設し、活躍し続けたいシニア社員の新しい働き方を後押しして、大企業と中小企業のマッチングを支援するとしています。就労を望むより多くの高齢者の方々に対して、就労の機会を提供していくことも大変に重要なことです。
 新設されるプラチナ・キャリアセンターにおいて、中小企業を退職した方や多くの意欲ある高齢者に対し、生活の安定にもつながるように、幅広く都内企業から自分に合った仕事や働き方を見つけられる取組を進めるべきと考えます。見解を求めます。
 次に、都市機能の向上に向けた政策について伺います。
 初めに、鉄道による羽田空港へのアクセスの利便性向上について質問します。
 都議会公明党は、昨年の第一回定例会の代表質問で、多摩地域や杉並、中野区などの中央線、青梅線沿線住民の羽田空港へのアクセスの利便性向上のためには、都の優先六路線に位置づけられている二〇三一年に完成予定の羽田空港アクセス新線に接続する東京貨物ターミナルとJR大崎駅を結ぶ西山手ルートの早期整備が必要であると訴えました。
 これを受けて知事は、西山手ルートの事業スキームの具体化に向けて、国やJR東日本等との協議調整を積極的に進めるなど、空港アクセスの利便性の向上に取り組み、東京の国際競争力のさらなる強化につなげていくと答弁されました。
 しかし、一年がたちましたが、具体的な事業スキームも見えてきません。むしろ優先六路線でない後から提案された臨海地下鉄構想の事業計画の検討に参加する二者が、二月二日に発表されました。築地の再開発において、臨海地下鉄も重要な路線であることは理解しますが、都民の利便性を考えるのであれば、優先六路線にも力を入れていくべきです。
 知事のリーダーシップの下、スピード感を持って事業を進めていくため、国に強く働きかけるとともに、関係者との協議を加速していくべきです。知事の見解を求めます。
 次に、渋滞解消に向けた都内高速道路上の料金所の早期撤去について質問します。
 都内高速道路上の料金所を撤去するためには、都内料金所の全面ETC化の早期実現が不可欠です。昨年の第一回定例会の都議会公明党の代表質問に対し、知事は、料金所のETCの専用化につきましては、私自ら国土交通大臣に要望したことが実を結び、圏央道とその内側の料金所を対象としまして、二〇二五年度までに概成する予定ですと述べられました。
 しかし、首都高速道路の料金所百七十九か所に対し、現時点ではETC専用料金所の導入箇所数は三十五か所となっており、二〇二三年には、一か所も料金所のETC専用化が行われませんでした。
 さらに国は、今年一月に、半導体供給不足等によりETC設備等の整備に遅れが発生との課題を公表しましたが、これでは、二〇二五年度までの概成に向けて厳しさを増しているといわざるを得ません。
 相変わらず、中央道と首都高の結節点である永福料金所が原因で、朝夕大渋滞を引き起こしています。働き方改革の影響を受ける建設業界や運送業界からは、何とかしてもらいたいという切なる声をいただいています。
 都内高速道路上の料金所を撤去し、渋滞を解消するためにも、料金所のETCの専用化を早期に実現していくべきです。知事の見解を求めます。
 次に、産業政策について伺います。
 初めに、制度融資について質問します。
 これまで都議会公明党は、中小企業の融資環境を整えるため、担保の取り方や様々な資金調達の方法を増やす取組を進めてきました。
 中小企業向け融資においては、経営者個人が保証人になることが慣行として行われているため、場合によっては、経営者個人の資産が失われることがあり、結果、中小企業の再チャレンジを阻害してきました。
 今般、国の信用保証制度において、創業時のみならず、個人保証に頼らない制度融資の利用が拡大されることになりました。これまでの融資慣行を根本から見直すことになる画期的な取組であります。
 そこで、都においてもこれに対応した融資制度を構築するとともに、中小企業や金融機関にしっかりと周知し、金融機関による融資の方法の見直しに結びつけていくことが必要であると考えます。見解を求めます。
 次に、カスタマーハラスメント防止条例について質問します。
 都議会公明党は、昨年の第四回定例会で、カスハラ防止条例の制定に早期に着手することを強く求め、知事は、今回の施政方針で条例化の検討を表明されました。
 昨今のストレス社会の中にあって、誰もが消費者として、カスハラの加害者になる可能性があることも指摘されていることなどから、公明党は国会の場などでも、カスハラ防止対策の実施を訴えてきており、都がスピード感を持って検討を進めていることを評価するものであります。
 カスハラは、働く人がメンタルに不調を来したり、退職を余儀なくされることもあります。カスハラ被害に悩む店舗や企業、役所などが正当な主張とのバランスも考慮しつつ、どのような行為がカスハラに当たり、どのような対策を講じるべきか、業種別にガイドラインを具体的に示すことによって、条例の実効性が高まります。
 都は、条例制定の検討に当たり、都のルールを広くかつ分かりやすく消費者にも伝え、職場が働き手を守る取組を着実に定着させるために、業種別のガイドラインやマニュアルづくりも進むような、実効性のある方法を検討すべきであります。知事の見解を求めます。
 次に、働き手不足が特に深刻な業界における中小企業支援について質問します。
 まず、今年四月から時間外労働の上限規制が適用される建設、運輸業界への支援です。
 これらの業界は、従来から働き手不足に直面しており、さらに、働き方改革への対応を誤れば、工事や物資輸送などの社会的機能を果たせなくなります。加えて、これらの業界の中小企業の経営者は、一人で二役も三役も担っており、公的な支援機関へ相談に赴く余裕もなく、自社にとって必要な支援策を知るすべがないとも聞きます。
 都内の中小企業が抱える課題の内容は、個々の企業によって様々で、これに対応するための国や都の支援事業も多岐にわたっており、これらを結びつけるマッチングが極めて重要です。
 このため、都は速やかに、都内に数多く存在する中小の建設、運輸業が抱える働き方や経営改善のニーズを把握し、企業の課題に沿った支援策に適切につなげていくため、専門家による巡回相談を開始するべきと考えます。見解を求めます。
 次に、働き方改革に資する設備投資支援について質問します。
 大規模な資金投入が可能な大企業に比べ、中小企業にとっては、働き方改革に資する設備投資への助成が極めて重要です。特に建設、運輸業界については、四月からの本格施行に備え、設備投資などで労働時間の短縮化や必要人員数の省力化につながる改善を急ぎ実施する必要があります。
 都は、建設、運輸業界に向けて、これまでよりも上乗せを図ったより取り組みやすい助成事業を開始すべきと考えます。見解を求めます。
 また、介護業界も深刻な働き手不足に直面しています。介護現場からは、力作業が多く身体的負担が多い、人手が足りず勤務時間が長いなどの声も聞こえており、労働環境に多くの課題があることも伺えます。
 この点、既に福祉局では、機器を使用する介護事業者側への支援を実施して成果が出始めており、今後、都内中小企業の技術力を生かし、より一層、新しい設備や技術の開発を本格化させていくべきと考えます。
 介護業界での働き方改革に資する技術開発に向けた助成をとりわけ手厚く支援すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、農地保全について質問します。
 農地は、それ自体が温暖化の抑制に貢献することに加え、最近では、土質改良資材としてのバイオ炭の活用により、カーボンマイナスへの貢献にも注目が集まり始めています。
 しかし、一方で、あたかも農業や農地がゼロエミッションに逆行しているかのような記載がいまだに都事業の解説文の中に見受けられます。是正を図るべきであります。
 都内で毎年失われる農地の内訳は、生産緑地内での減少が全体の四二%。次いで、市街化区域内でも、生産緑地の指定を受けていない農地での減少が三一%。そして、市街化区域外での減少が二七%となっています。その結果、毎年平均百十九ヘクタールもの農地が失われており、このままでいくと、約五十年で東京の農地は消滅してしまいます。
 生産緑地では、後継者不足に加え、高額な相続税も要因の一つです。出荷作業を行う倉庫などは納税猶予の対象とならないため、農地を切り売りせざるを得ない現状があります。
 さらに、農業振興地域では、耕作放棄から遊休化する農地が増えています。
 東京の農地をこれ以上減らさないよう、居住地の中に点在するという生産緑地の特徴や集中的な投資を求める農業振興地域の生産者のニーズなど、それぞれの状況を踏まえ、取組の強化を図るべきと考えます。知事の見解を求めます。
 次に、二〇二五年の国際スポーツ大会について伺います。
 初めに、デフリンピックについて質問します。
 都議会公明党は先日、全日本ろうあ連盟と面談し、一過性の大会ではなく、レガシーとして、大会後に健聴者とデフ当事者との相互理解が深まっていくことを熱望していると実感いたしました。
 大会に当たっては、聴覚障害者の当事者の要望を受け止め、準備を進めるべきであります。この観点に立ち、二点質問します。
 一点目は、国際手話の人材の確保です。
 デフリンピックには七十から八十の国や地域から選手が集まってきます。大会運営においては、詳細な試合協議などの必要もあり、国際手話人材が欠かせません。
 現在、都は、国際手話講座の受講費用の支援を開始しています。その受講者が、実際に東京大会の開催期間中に活躍していただくことが重要です。
 大会運営での活躍につながる国際手話人材の確保とするべきであり、取組の改善を図るべきです。見解を求めます。
 二点目は、手話への認識や関心が広がる大会とすることであります。
 都議会公明党の昨年の第四回定例会代表質問に対し、子供を含めた幅広い世代が手話に親しめる動画を制作、活用するとの答弁がありました。先日、その動画のお披露目会のリハーサルの模様を視察し、楽しく、自然とリズムに乗って体を動かせる動画との感想が聞かれたところであります。
 都が新たに作成した動画を活用するとともに、スポーツだけでなく、教育や福祉の分野とも連携し、手話言語条例の趣旨も踏まえた共生社会づくりにつながる大会を目指すべきと考えます。知事の見解を求めます。
 次に、国際スポーツ大会のガバナンス強化について質問します。
 世界陸上財団が昨年十二月に財政計画を公表しました。支出計画が百五十億であるのに対し、収入計画では、世界陸上財団としてのチケットやスポンサー収入等が七十億にとどまっており、残りは国と都に支援を求めることとしています。
 都が一定の財政支援を行うにしても、まずは大会を主催する世界陸連、日本陸連、そして世界陸上財団がしっかりとした財政基盤の強化に取り組み、収入の確保や経費の精査を徹底することが必要です。
 その上で、近年の国際イベントでは、当初の予算見込みより経費が大幅に増えることが当たり前のようになっていますが、今後の国際スポーツ大会のモデルを示すとした世界陸上が同様の事態に陥らないよう努めるべきです。都民の皆様の信頼を得るためには、ガバナンス確保とともに、徹底した予算管理や収入確保など、財政基盤の確保が極めて重要です。このことはデフリンピックも同様のことがいえます。あわせて、知事の見解を求めます。
 最後に、サイバー空間をめぐる脅威への対策について質問します。
 一月二十六日、第九十九代警視総監として緒方警視総監が就任されました。
 緒方総監は記者会見で、変化の兆しを捉え、その先にあるものを見据えて、なすべきことに果敢に取り組みたいと述べられ、サイバー空間の脅威や特殊詐欺、女性や高齢者を狙った犯罪への対応に力を入れると表明されました。
 特にサイバー空間をめぐる脅威の状況については、最近では、SNS上で政治的あるいは社会的な主張、目的のためにハッキングを行うハクティビストや親ロシア派ハッカー集団がウェブサイトの閲覧障害を発生させています。また、令和五年においては、クレジットカード不正利用被害やインターネットバンキングによる不正送金被害が、件数、金額とも過去最多となっています。さらに、ランサムウエア被害の件数も高い水準で推移しています。
 そこで、これらのサイバー空間をめぐる脅威に対する警視庁の取組について警視総監の見解を求め、質問を終わります。(拍手)