令和6年第1回定例会 一般質問で登壇(2024.2.29)

本日、一般質問で登壇させて頂きました。
8項目で約14分の質問を行いました。

○都のデュアル防災体制(都庁舎・立川地域防災センター)の構築について
○病院の浸水対策について
○防災対策などにおけるスタートアップとの連携について
○地域日本語教育の推進について
○在京外国人生徒枠設置校の拡大について
○都立特別支援学校における医療的ケア児に対する支援について
○広告宣伝車について
○喜多見駅前の補助125号線の整備について

以下、質問原稿です。
十九番(たかく則男君) 初めに、都のデュアル防災体制の構築について質問します。
 昨年度、都は首都直下地震等による被害想定を見直し、東京都の新たな被害想定を策定しました。それによると、都心南部直下地震では、死者六千百四十八人、避難者二百九十九万人、多摩東部直下地震では、死者四千九百八十六人、避難者二百七十六万人としております。
 この都心南部と多摩東部の両直下地震で、最大震度七の強い揺れが襲う地域があるのは、私の地元世田谷区と荒川区の二区とされており、両直下地震に対応する都の防災センターの強化が必要と考えます。
 立川地域防災センターは、都庁の九階にある防災センターの補完機能を担うものとして、今後は、都心南部と多摩東部の両直下地震に備えたデュアル化された防災センター体制を構築していくことが求められます。
 また、多摩地域の防災拠点としても、現地災害対策本部を設置して、都庁の防災センターと連携しながら、被害等の情報分析や自治体及び関係機関との連絡調整などの災害対応なども行う必要があります。
 そこで、様々な災害への対応力を高めるため、隣接する多摩広域防災倉庫も活用し、多摩広域防災センターとして、都庁とのデュアル防災体制を構築していくべきであります。
 立川地域防災センターは、都庁の防災センターと同等の機能を有する施設とするべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 次に、医療施設の浸水対策について質問します。
 毎年のように激甚化する水害による被害が全国各地で相次いでおります。世田谷区では、二〇一九年十月の台風十九号で多摩川が溢水し、内水氾濫などで多くの建物が浸水被害を受けました。そのとき私は、消防団員として夜遅くまで地元の警備に着任、朝一で多摩川の浸水した現場に駆けつけました。泥まみれになって復旧活動をされている状況を見て、さらなる水害対策の必要性を痛感した次第です。
 台風十九号では、多摩川流域にある世田谷区内の病院が浸水被害を受け、病院機能が果たせなくなる状況が発生。命を守るべき病院の浸水には、大きな衝撃を受けました。
 令和四年に実施された厚生労働省の調査では、都内にある六百三十二病院で、調査に回答された四百二十四病院のうち、浸水想定区域にある病院は百九十二病院と、約半数あることが分かりました。その中で電気設備などへの浸水対策を実施しているのは八十七病院、半数以上の病院では浸水対策が取られておりませんでした。災害時の医療救護活動においては中心的な役割を担う病院が大きな浸水リスクを抱えている現状を重く受け止め、浸水被害から病院を守るべく、有効な対策を早急に講じていかなければなりません。
 現在、災害拠点病院、災害拠点連携病院においては、災害時における医療機能を確保するために、自家発電設備の高所化、止水板設置などの支援が東京都で実施されておりますが、病院がこうした取組を進めていくには、専門的なノウハウが必要です。専門家の知見も活用しながら、浸水想定区域に所在する全ての病院について浸水対策を着実に進めていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、防災対策などにおけるスタートアップとの連携について質問いたします。
 能登半島地震では、マグニチュード七・六の大地震の発生により甚大な被害が生じ、今でも多くの被災者が避難を余儀なくされております。
 石川県では、七万戸を超える住宅被害が発生、特に輪島市や珠洲市などの被災地では断水が続き、全面復旧までには長期間を要する見込みとなっております。
 こうした中、水浄化技術を持つ都内スタートアップ企業が、断水地域で入浴、手洗いの支援活動を行っていると聞いております。この企業は、官民協働の取組として、都が率先して導入した企業でもあるとのことです。
 これまで都議会公明党は、行政が優れた技術やアイデアを持つスタートアップとの協働を進めることは、スタートアップの成長のみならず、住民サービスの向上にもつながることから、積極的にこれを推進することを求めてきましたが、まさに現場において成果として表れてきております。
 都は、防災対策などで、こうしたスタートアップの力を活用する取組のさらなる充実を図るとともに、そこで得たノウハウを他自治体と共有するなど、行政とスタートアップとの連携を徹底して推進すべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、地域日本語教育の推進体制について質問いたします。
 日本の少子化に歯止めがかからず、このまま人口減少社会が続けば、外国人との共生が図られない限り、各地で人手が不足し、社会が成り立たなくなると指摘されております。
 外国人が日本人と共に活躍し、多文化共生社会を進めていくのに基礎となるのが、日本語の会話です。外国人を雇用する企業には日本語教育が努力義務とされておりますが、一緒に来日する子供にはNPOなどのボランティアが日本語を一から教えているのが実態です。子供の頃から日本で生活する外国籍の子供が、言葉の壁を乗り越えて永住し、活躍する世の中になれば、活力ある日本社会の維持や発展も見込まれます。
 将来の多文化共生社会を見据え、それを担う子供たちの育ちを支えるためにも、また、子供と一緒に暮らす親も含めた大人に対しても、地域における日本語教育を推進していくことが必要です。
 そのためには、区市町村を含めた東京全体で進める体制を整えるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、在京外国人生徒枠設置校の拡大など、日本語指導が必要な生徒の受入れ環境整備について質問します。
 コロナ禍では、同校の受検倍率が一時的に減少したものの、今年は再び増加に転じて、二倍を超えるところもあり、全体で百名以上の不合格者が出ました。また、定時制にも外国籍の子供が多く受検しております。
 国では、技能実習制度の見直しなどを行い、外国人人材を活用する方針を示しており、今後ますます、日本語指導が必要な子供が増えることが予想されております。
 そこで、在京外国人生徒枠を設ける高校の拡大を早急に行うべきです。また、都議会公明党の求めに応じて設置された入学者選抜検討委員会の特別部会において、受入れ環境整備の議論を加速し、充実を図るべきと考えますが、併せて都の見解を求めます。
 さらに、都議会公明党は、昨年の予算特別委員会で、夜間中学と定時制高校の連携強化について質問し、都からは、切れ目のない継続的な支援を行うため、両校の具体的な連携方法について検討するとの答弁がありました。夜間中学と夜間定時制高校では、生徒数が比較的少人数なため、手厚い日本語指導が受けられる環境にあり、生徒に好評だと聞いております。一方、高校入学前の受験生にとっては、どの高校に行けばどういう日本語教育が受けられるのかということが、都のホームページなどで見てもよく分からないとの声もあります。
 そこで、夜間中学と夜間定時制高校の日本語指導に関する今後の連携強化の取組について、都の見解を求めます。
 都は、都議会公明党の求めに応じ、日本語指導が必要な生徒が在籍する全ての都立高校に、必要とする外部人材を紹介する事業を始めました。しかし、制度はあっても、学校からの申請主義となっているため、外国籍生徒がいる全ての学校で、必ずしも卒業後の進路や生活上の課題など、学校内外の相談に対応ができていないとの声を聞いております。
 神奈川県では、対象校三十一校全てに多文化教育コーディネーターが配置され、日本語教育だけではなく、日常生活や将来の悩みなど、学校外の問題にも、専門家やNPOと連携して、生徒支援の推進が図られております。
 そこで、都においても、日本語指導が必要な全ての高校に、学校の申請を待つのではなく、積極的に学校への支援策を講じるべきと考えます。見解を求めます。
 次に、都立特別支援学校における医療的ケア児に対する支援について質問します。
 二〇二一年に、医療的ケア児支援法が施行され、医療的ケア児と家族に対する支援に関し、国と地方公共団体の責務が規定されるとともに、医療的ケア児の健やかな成長と家族の離職の防止が目的と明記されました。
 現在、都内で医療的ケアの必要なお子さんは約二千人、私の地元世田谷区にも約百九十人いらっしゃると聞いております。私は、区議会議員のときより、医療的ケア児の家族の方からご相談をいただき、区内で受入れできる保育園や学校の整備、また、障害者施設の拡充等に取り組んでまいりました。また、都議会議員になってからも、特別支援学校における医療的ケア児に対する支援の充実に取り組んできました。例えば、保護者に付添いを依頼する場合でも、学校で保護者が離職しなくて済むように、テレワーク等で仕事ができるスペースの確保や通学に関わる福祉タクシー代の随時精算などが可能となりました。
 医療的ケアの必要なお子さんやその家族の方々が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるインクルーシブな社会の実現を目指す上では、今後ともさらなる支援が必要であり、着実な体制整備の推進が求められております。
 超高齢社会の進展の中で、介護施設や障害者施設の現場では、重労働や人手不足が挙げられております。これら施設には、さらなる介護のイノベーションが求められており、次の時代を先取りすべく、先駆的な取組が必要と考えます。
 医療的ケア児の介助には、配慮すべき点が多くあり、教職員等に身体的にも負担がかかっております。校内で安全に介助を行うために、リフトやロボット等の支援機器の導入を早急に進めるべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、広告宣伝車について質問いたします。
 現在、都内の繁華街では、広告宣伝車が派手な色使いや過度な発光を伴って低速で周回走行しております。良好な景観形成への影響や交通環境への悪化の問題が生じております。
 都は、屋外広告物条例で、こうした広告宣伝車を規制しているにもかかわらず、都内の繁華街で宣伝活動を行う広告宣伝車のほとんどが、都条例の規制の適応対象外の都外ナンバーであることなどから、長年放置されておりました。
 都議会公明党は、条例施行規則の改正で対応が可能なことを指摘し、改善を繰り返し求めてきました。我が党の提案を受けて、都は、今年五月から規制を改正し、都外ナンバーの広告宣伝車に対する規制を開始することになることについては評価いたします。
 そこで、こうした都の対応強化を都民に広く周知をするとともに、走行している広告宣伝車が正式な許可を受けているものなのか明らかに判別できるよう、また、規制の実効性を確保するためには、警視庁等の関係機関とも連携を図るべきと考えます。見解を求めます。
 最後に、喜多見駅前の補助一二五号線の整備について質問します。
 世田谷区の小田急線喜多見駅前を南北に走る都道補助一二五号線は、現在、都市計画道路として拡幅整備事業中です。東京都は、平成七年度に事業に着手し、用地取得を進めておりますが、二十九年経過した今でも、約六割の取得率で、取得済みの部分と未買収の部分が混在している状況です。
 この補助一二五号線沿いには、私立学校があり、幼稚園から高校まで多くの児童生徒が通学しております。また、駅に向かう多くの人が狭い現道を通行しており、歩道部分が狭く、住民にとっては危険な状況が続いております。
 こうしたことから、地元の町会、商店街、学園の皆様とともに、既に都の所有となっている用地のうち、可能な範囲を歩行者専用空間として整備することを求める嘆願書を東京都に提出いたしました。
 住民の安全確保、事故防止の観点から、早期の歩道整備をすべきです。都の見解を求めます。
 以上で質問を終わります。(拍手)