公営企業委員会(下水道局)事務事業質疑

公営企業委員会事務事業質疑
今日は下水道局所管の質疑で
①能登半島地震の経験を首都直下地震にどのように活かすか。
②ポンプゲートの整備について
③蛇崩川流域の浸水被害について
④尾山台地区を含む九品仏幹線流域の浸水対策について
質問を行いました。

以下、質疑概要を掲載いたします。

【能登半島地震での経験を首都直下地震にどのようにいかすのか】

令和6年1月に発生した能登半島地震では、下水道が破損したことで、広域かつ長期間にわたり、被災者の生活に大きな影響を及ぼしました。

石川県では、下水管の耐震化率は 約37% で全国平均の72%を大きく下回っており、 耐震化が進んでいない管が多かったために、地震被害時に破損リスクが高まっていたものと考えられております。

地震発災直後には、深刻なトイレ問題があり、奥能登地域では 約71%で下水道が使えないとの報道もありました。

東京下水道局では、石川県 輪島市(被災地域)からの要請を受け、1月8日より支援に着手しました。

支援期間は、1月8日から延べ 310名が派遣されました。
支援内容は「被害状況調査」「応急復旧」「本格復旧支援(長期派遣等)」が柱でした。
応急復旧を終えた後も、被災自治体である輪島市に職員を長期派遣し、災害査定・本復旧支援を行っているとのことです。

長期間にわたり、被災地への支援を続けて頂いていることには、感謝申し上げます。

Q1,能登半島の地震でもありましたが、管路の耐震化を首都直下地震の対策として都はどのように進めているのか伺います。

A1
・過去の震災を踏まえ、下水道機能や交通機能を確保するため、対象施設を重点化して耐震化を実施
・具体的には、避難所や災害拠点病院などの排水を受け入れる下水道管の耐震化や、液状化の危険性が高い地域における緊急輸送道路などでマンホールの浮上抑制対策を実施
・令和6年度末までに中長期目標の約9割で対策が完了しており、今後も震災対策を一層強化

水再生センターやポンプ所においては、震度7相当の想定される最大級の地震動に対し、揚水機能などの最低限の下水道機能を一系統で確保する耐震対策に取り組んできており、令和元年度までに、全ての水再生センター、ポンプ所において耐震対策が完了していると聞いております。

Q2,首都直下地震の対策として、震災時の電力確保に向けて、どのように対策を進めるのか

A2
・これまでに水再生センターやポンプ所など105施設全てにおいて、震災時などの停電の際にも下水処理機能を確保するために必要な非常用発電設備などの設置を完了
・これに加え、現在、雨天時のポンプ排水機能等を高めるため非常用発電設備の能力増強を推進
・電力ひっ迫や燃料の供給不足などに備えるため、太陽光発電設備等の導入拡大による電源の多様化や、水再生センターにおいて燃料油と都市ガスのどちらでも運転可能なデュアルフューエル型の非常用発電設備を導入し、燃料の多様化を図る
能登半島地震では、道路寸断や断水で、下水道の復旧資材・機材搬入が困難な状況となったとお聞きしました。

被災自治体間の応援協定はあるものの、迅速な展開が課題でもあったと聞いております。

Q3,都が被災した場合の災害時の下水道管の応急復旧体制をどのように構築しているのか伺います。

A3
・発災後、速やかに応急復旧等ができるよう、政策連携団体である東京都下水道サービス株式会社と覚書を締結しているほか、民間協力団体である下水道メンテナンス協同組合や東京建設業協会など、5つの団体と災害時に関する協定を締結
・都だけでは対応が困難な広域的な被害が発生した場合に備え、大都市間で相互に救援協力するための「下水道災害時における大都市間の連絡・連携体制に関するルール」を定めており、発災時には、このルールに基づき他都市に対して支援要請を行い、支援隊を受け入れる体制を構築
・発災後の復旧が速やかに行えるよう訓練も行っており、引き続き、各関係者と連携し災害に備える

【ポンプゲートの整備について】

排水樋門は、川の水位が低い時には樋門を開けて居住地側の雨水や生活排水を自然に川へ排出しますが、洪水で川の水位が高くなると、川の水が居住地側へ逆流するのを防ぐために樋門を閉鎖することになります。

しかし、樋門を閉鎖すると居住地側の水が行き場を失い、溜まってしまいます。この内水による浸水被害を防ぐために、樋門にポンプを併設した「ポンプゲート」が必要となります。

ポンプゲートは、ゲートが閉まっている状態でも、ポンプを使って強制的に内水を川へ排出する能力を持っています。これにより、自然排水ができない状況でも、居住地側を浸水から守ることができます。

 2019年10月の台風19号においては、多摩川流域の世田谷の玉堤や上野毛、野毛地区で広範囲にわたって浸水するなど、甚大な被害が発生しました。

 その後、都では、多摩川の水位が計画高水位まで上昇しても、雨水をできるだけ排水できるようにするため、大田区内の上沼部排水樋門でのポンプゲートの排水能力増強や、世田谷区内での下野毛排水樋門でのポンプ施設の新設を進めております。このポンプ施設は、内水の排水で大きな効力があり、地元からは完成が期待されているところであります。

大田区選出のかつまた元都議は議会質問で、台風第19号における浸水被害を受け、大田区田園調布五丁目に設置されている上沼部排水樋門施設のポンプゲート設備の能力を増強することを再三求めておりました。
Q4,初めに上沼部排水樋門へのポンプゲート増強工事の状況を伺います。

A4
・大田区内の上沼部排水樋門においては、これまで、排水樋門が閉鎖された際にも内水を多摩川により多く排水できるようポンプゲートの排水能力の増強に取り組んできたが、整備は昨年度完了
・樋門操作の確実性を高めるため、区からも遠方操作が可能となる機器の整備についても完了

Q5,下野毛排水樋門への新規ポンプ施設の整備状況を伺います。

A5
・下野毛排水樋門では、区による用地の確保ができたことから、排水樋門を閉鎖した際においても雨水を多摩川に排水するための新たなポンプ施設の整備を下水道局が実施
・これまでにポンプ施設の詳細な仕様を決定し、今年度の工事着手に向け、河川管理者や公園管理者等、関係機関との協議を実施

 以前、世田谷区で行われた2019年の台風十九号に伴う浸水被害への取組に関する住民説明会では、それぞれの排水樋門、樋管の閉鎖等によることが浸水被害の想定要因として説明されておりました。

Q6,世田谷区からは、排水樋門、樋管へのポンプゲートの新規整備を要請していると聞いています。
現在、整備を進めている下野毛排水樋門以外にも、台風19号の際に内水氾濫が発生した宇奈根排水樋門や等々力排水樋門などにもポンプゲートの整備が必要と考えます。
そこで、ポンプゲート新規整備に向けた状況について伺う

A6
・排水樋門におけるポンプゲートの整備は、ポンプゲート本体やポンプを保護するためのスクリーン及びゲートを動かすための電気設備を樋門に新たに設置することになり、これらの設備機器が設置可能な用地や工事の作業スペースの確保などが課題
・世田谷区内の下野毛排水樋門以外の排水樋門におけるポンプゲートの整備については、引き続き、地元区など関係機関と調整

【蛇崩川流域の浸水被害について】

今年7月10日、世田谷区下馬、目黒区上目黒・五本木地域で、短時間の記録的集中豪雨により蛇崩川流域で浸水被害が発生しました。
現場付近では時間100ミリ級という強い雨が降り、世田谷区、目黒区で多くの被害が発生しました。

また、9月11日にも、世田谷区内で時間92ミリを超える大雨が降り、蛇崩川、谷沢川、九品仏川流域、鎌田、大蔵地域において121件の床上、床下浸水が発生しました。

蛇崩川流域では2度の集中豪雨で2度の浸水被害を受けてしまった家屋もあり、11月4日に行われた豪雨についての住民説明会では多くの住民が会場に来られ、浸水被害の原因究明と明確な浸水対策を強く求められたところでした。

説明会では、時間100ミリ級の降雨により、下水道枝線、雨水ます等の能力以上の雨水が道路上を流れ、当該地域に集まるなどしたことが原因ではないかとのことでありました。

下水道幹線は多くの生活排水や雨水を運ぶため、どれくらい水が流れているかを把握する必要があります。
下水道局では、水位計により、流量の変化・汚水の滞留状況を連続的に監視できるようになっているとのことです。

Q7,蛇崩川幹線内でも、水位を計測していると認識していますが、先日の説明会において、このうち5箇所の水位計では、機器の不具合があったと聞きました。そこで、降雨時の水位情報を確認できるよう適切に維持管理していく必要性があると考えますが、点検状況と不具合解消に向けた予定について伺う。

A7
・下水道局では、地元区からの要望等に基づき、浅く埋設され地表に近い下水道幹線の一部において、幹線内の水位情報をリアルタイムで地元区に提供し、区は、地域の水防活動に活用
・蛇崩川幹線内の水位を計測するシステムについては、現場での水位センサーの目視点検や清掃、下水道事務所に設置されているデータ処理機器の動作確認等、定期的な点検を実施
・データ処理機器に不具合が確認されたものについては、現在、機能復旧方法を検討中

来年に出水期に備えて、水位計の早期の機能復旧を求めます。

7月と9月の2度の浸水被害を受けて、目黒区では浸水被害に対して、下水に雨水が多く取り込めるような施設を作ったと聞きました。

Q8,状況に応じてこうした小規模な対策も必要と考えます。
下水道局は、地元区と連携してどのような対策を行っているのかお聞きいたします。
A8
下水道局では地元区などと連携し、浸水被害の軽減に向けて、地域の実情に応じたきめ細やかな対策を実施
・具体的には、地形や下水道管の雨水排除能力などを確認の上、雨水の流れを比較的余裕のある下水道管に切りかえるバイパス管の整備や地元区と連携した雨水ますの増設などの取組を実施

蛇崩川増強幹線整備については、上流部の世田谷区桜新町から弦巻まで約800mの先行区間の工事完了しております。
現在は弦巻から環状7号線を超えた三軒茶屋までの約2キロで増強幹線の工事実施中。
工事が完了すれば、先行区間の貯留量が約3000㎥に対し、約42000㎥の貯留量が確保される見通し。

また、東京都では建設局が環状7号線の地下に地下河川と呼ばれる目黒川流域調節池を設計中です。

このような貯留機能が完成すれば、浸水被害の発生を抑えることが可能となるものと考えます。

しかし、7月、9月の2度の大雨は、東京都下水道局で進めている時間75ミリ対応を大幅に超え、時間100ミリ級の猛烈な豪雨となっております。
今までの対応では追いつかないのが昨今の豪雨の状況であります。

Q9,その意味からも、下馬、上目黒、五本木地区に下水道処理能力の強化させるために増強幹線を新たに整備すべきと考えます。見解を問う

A9
・下馬、上目黒、五本木地区の一部を含む重点地区である「目黒区上目黒、世田谷区弦巻地区」においては、蛇崩川増強幹線整備事業を平成29年度から推進
・施設の完成まで長期間を要することから、上流部と下流部に分けて事業を実施
・上流部については、内径2.2mから5m、延長約2.8kmの下水道管をシールド工法等により整備を実施
・下流部については、上流部整備後の貯留効果や下流部の事業用地の確保状況などを踏まえて検討

増強幹線工事には、資機材の搬入をする立坑といわれる事業用地が必要であります。用地確保に向けて、国や区とも連携して早急に進めていただくことを要望いたします。

【尾山台地区を含む九品仏幹線流域の浸水対策】

近年、集中豪雨の頻発化・局地化により、世田谷区奥沢・目黒区自由が丘地域を流れる九品仏川でも、短時間の豪雨で道路や住宅地が浸水する被害が相次いでいます。

蛇崩川の浸水被害と同様に、7月および9月の豪雨では、九品仏川流域で内水氾濫が発生し、多くの住宅・商店で床上・床下浸水が報告されました。

私も、被害を受けた地域に伺い、今回の浸水で大変な被害を受けた現場のご意見をお聞きしました。
被災された方々からは、このような浸水被害を発生させない対策を強く求められたところです。

冠水の原因の一つとしては、九品仏川の暗渠区間が下水処理能力を超えて“あふれ”、マンホールからの噴出や道路冠水が発生したものと指摘されております。

Q10,都はこれまで、尾山台地区を含む九品仏幹線流域を「浸水対策重点区域」として位置付けています。早期の整備を求めるところです。現在の進捗を伺います。

A10
・九品仏幹線流域では、既設幹線の増強施設の整備を計画しており、新たな下水道管の布設ルートの検討や、事業用地の確保に向けた関係機関との協議などを実施

この対策は待ったなしです。
今年は、大雨が降る時期はほぼ終わりましたが、来年6月ごろからは出水期となります。
一刻も早く、対策を実施し地域の皆様への安心を提供して頂きたいことを要請いたします。

Q11,浸水対策や多摩川の排水樋門について、地元区との連携強化や、住民への情報発信に関する取組状況を伺う

A11
・下水道局では、各区への浸水対策に関する事業説明会を毎年度、開催しているほか、地元住民へは、各区が主催する水防訓練においてPRを実施
・多摩川の水位や樋門の開閉状況などの情報を速やかに共有するため、樋門の操作を委託している区と合同で、操作訓練や情報連絡訓練を毎年度実施
・住民の方々に対しても、樋門の操作状況を局や区のホームページ、SNSなどを活用し、広く周知することに加え、現地では、回転灯により、地域の住民の方々が直接確認できるようにしている

2025年8月には埼玉県行田市で下水道管の点検作業をしていた作業員4人がマンホールに転落し、硫化水素中毒などで死亡されるという痛ましい事故が発生しました。
下水道局の皆様が、危険と隣り合わせの大変な環境の中で、東京都民1440万人のインフラを支えお守りしていただいていることには心より敬意を表します。

これからも都民の安全・安心のための大事なインフラをお守りいただきますようお願い申し上げて私からの質疑を終わります。